自転車業界屈指の出展規模 「サイクルパーツ合同展示会」で見た気になるアイテム

自転車業界屈指の関連商品展示会では、モーターサイクルとはまた違ったパーツやウェア、アクセサリーが目白押しです。気になるアイテムをピックアップしました。

普段はなかなか目にしない、最新アイテムの数々

 2020年1月21日(火)と22日(水)の2日間、東京都内で開催された「第5回サイクルパーツ合同展示会」は、自転車関連のパーツやウェア、アクセサリーなどの商品を扱う203社400ブランド以上が出展する、自転車業界屈指の規模を誇る展示会です。

チタンとカーボンを特殊な手法で圧着したハンドルバー

 ただし、入場できるのは販売店をはじめとする業界関係者のみ。そのため一般にはほとんど知名度のないイベントですが、普段、展示会を開かないメーカーも多数出展するとあって毎年盛況となっています。

 展示されたアイテムから、バイク(モーターサイクル)乗りでも思わず興味が惹かれそうなものをピックアップしてみました。

カッコ良さと安全性を両立した革新的ヘルメット

 夜間走行も想定した街乗り用の自転車ヘルメットでは、後部にLEDライトを内蔵するモデルも少なくありません。

ナットケース「Vio」価格(税抜)1万7800円

 アメリカ・ポートランド発のヘルメットメーカー、「nutcase(ナットケース)」社の「Vio」は、後部だけではなく、フロントに白色LEDライト、後部から側面にかけて赤色とオレンジ色のLEDライトを配し、周囲からの視認性を大きく高めたモデルです。リチウムイオンバッテリーを内蔵しており、充電はヘルメットに直接USBケーブルを繋いで行います。

 また、内部には「MIPS」(Multi-directional Impact Protection System:多方向衝撃プロテクションシステム)と呼ばれるプロテクションシステムを採用しています。これはヘルメット内部のレイヤーを全方向に10mmから15mmほど動くフローティング構造にすることで、転倒の際、さまざまな角度から頭部に伝達される回転運動に対し、脳への影響を軽減するというものです。スタイリッシュさと高い安全性を両立させた、革新的なヘルメットと言えます。

2輪を3輪にすると、旅がもっと快適に?

 近年の自転車シーンにおけるトレンドのひとつが「バイクパッキング」という遊びです。これは軽量なバッグやギア(テントやシュラフ等)を用い、自転車らしい軽快な走りを損なわずにキャンプツーリングを楽しむというスタイルのことです。バックパックひとつで縦走登山を行う「バックパッキング」の自転車版と理解してください。

エクストラホイール「MATE」価格(税抜)9万8000円 ※容量50リットルのコーデュラ製防水バッグ2個付属

 通常、バイクパッキングでは自転車のデッドスペースを活用したバッグが多く用いられますが、ポーランド発の「extrawheel(エクストラホイール)」は、一輪式のトレーラーに荷物を積載するという方式で、新たなバイクパッキングのあり方を提案しています。

 自転車本体に荷物を積載するとどうしても取り回しやハンドリングが鈍くなるなどの弊害がありますが、トレーラーならその心配はありません。自転車用のトレーラー自体は以前からありましたが、そのほとんどは20インチ等の小径タイヤに大型のラックを組み合わせた長距離ツーリング用のものでした。

 エクストラホイールが従来の自転車用トレーラーと異なるのは、牽引する自転車とほぼ同じタイヤサイズを採用し、荷物の積載をキャリアではなくサイドパニアで行うことです。大径のタイヤは段差を乗り越えた際にハンドリングへの影響が少なく、サイドパニアでの積載は重心を低く保つことができます。

お値段10万円! 超強力な自転車用ライト

 現実に必要なシチュエーションがあるかはともかく、自転車ライトにおける最強の存在と言えばこの製品でしょう。

キャットアイ「VOLT6000」価格(税抜)10万円 ※巨大なLEDが驚異の光を放つ

 CATEYE(キャットアイ)の「VOLT6000」は、その名の通り最大約6000ルーメンという桁外れのパフォーマンスを誇る充電式ライトです。ちなみにモーターサイクルのヘッドライトで相当明るいとされているものでも4000ルーメン程度ですから、いかに凄まじい数値かがお分かりいただけると思います。

 航空機のジェットエンジンをイメージしたという冷却ファンが装備された外観は、一般的な自転車ライトとは異質の物々しさがあります。実際に点灯してもらいましたが、もちろん直視するなんてもってのほか! ポップに反射させただけでも眩しくて見ていられないという凄まじさです。

 最強モードでの使用は基本的に人のいない場所、1mも見通せないような真っ暗闇を走ることを想定しているそうです。

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 タイヤ2個で走る、同じ交通社会の一員である自転車とモーターサイクルには、その周辺アイテムにもどことなく通じるものがあります。いずれの業界も最新アイテムには驚きや気づきがあって面白いものです。今後も登場するであろう新製品に注目したいところです。

【了】

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Writer: 佐藤旅宇(ライター)

オートバイ専門誌『MOTONAVI』、自転車専門誌『BICYCLE NAVI』の編集記者を経てフリーライターに。クルマ、バイク、自転車、アウトドアのメディアを中心に活動中。バイクは16歳のときに購入したヤマハRZ50(1HK)を皮切りに現在まで20台以上乗り継ぐ。自身のサイト『GoGo-GaGa!』も運営する1978年生まれ。

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