近未来的なフルカバード・デザインを採用したホンダのスーパースポーツバイクCBRシリーズ

80年代レーサーレプリカブームが幕開けしたころ、400ccから始まった未来的デザインのバイクCBRシリーズは、250と750、輸出仕様には1000ccのモデルも投入されます。

嵐の前触れ!バイクのデザイン性が現代風に開花!

 1987年(昭和61年)、250ccクラスで唯一のカムシャフトをギヤ(歯車)で駆動するエンジンや軽量で高剛性のアルミ製フレームなどスポーティな装備と走り味のCBR250FOURに追加された「CBR250Rハリケーン」は、1986年に発表されたCBR400Rのフォルムを踏襲したモデルです。CBR400Rのスタイルは、車体の大部分をフェアリングで包み込み、フェアリング内部の空気をダイレクトに車体後方へ流すなど、新しい考え方の空力特性を追求した近未来的なデザインでした。

 また、新設計の水冷4サイクルDOHC4気筒エンジンを搭載し、空力特性にすぐれたフルカバード・デザインを採用したスーパースポーツバイク「CBR750スーパーエアロ」もほぼ同時に発売されています。

CBR250Rハリケーン(1987)

 CBR250Rは、新たに空力特性に優れた小物入れ付のフルカバード・フェアリングや前後分離タイプのシートや、従来のアルミ製フレームに加え、後輪には軽量・高剛性のアルミ製リアフォーク、ステップまわりにもジュラルミン製のペダルを採用しています。

 エンジンは、水冷4サイクルDOHC4気筒で、キャブレターのボア径アップやステンレス製の排気管の容量アップにくわえ、吸・排気弁の大径化と細軸化などにより吸・排気効率の向上もはかられています。 さらに、エンジン回転数のレッドゾーン入口を従来の17000rpmから18000rpmへと向上させており、低回転域から高回転域まで、俊敏かつ応答性にすぐれた走行に適したものとなっていました。

 CBR250Rの価格は、55万9000円でした。

 ■CBR250R諸元
 全長×全幅×全高:2000mm×680mm×1120mm
 車両重量:155kg
 乾燥重量:139kg
 燃費:48.5(50km/h定地走行テスト値)
 エンジン形式:MC14E・水冷4サイクルDOHC4バルプ4気筒
 総排気量:249cc
 最高出力:45ps/15000rpm
 最大トルク:2.6kg-m/10500rpm
 燃料タンク容量:14リットル

CBR750スーパーエアロ(1987)

 CBR750スーパーエアロは、カムギアトレーン機構を採用した水冷4サイクルDOHC16バルブ直列4気筒エンジンを搭載し、最高出力77PS/9500rpm、最大トルク7.0kg-m/6500rpmを発揮している。

 車体は、軽量・高剛性・低重心を実現したツインチューブ・ダイヤモンド式フレームにフルカバード・デザインやエアロフェンダー(前・後)などを採用しています。

 サスペンションは、前輪がTRAC(アンチダイブ機構)を装備した大径(φ39)のエアアシスト・サスペンション、後輪は、2ウェイバルブ採用のド・カルボン式リアダンパー(油圧プリロードアジャスト機構付)と、アルミスイングアームによるプロリンク式サスペンションを採用しています。また、偏平タイヤと、軽量・高剛性のS字断面スポークと幅広リムをもつアルミホイールを装備、強力なエンジンパワーを受け止める足回りとされました。

 CBR750スーパーエアロの価格は、78万9000円でした。

 ■CBR750スーパーエアロ諸元
 全長×全幅×全高:2170mm×720mm×1185mm
 車両重量:224kg
 乾燥重量:199kg
 燃費:38.1(60km/h定地走行テスト値)
 エンジン形式:MC14E・水冷4サイクルDOHC4バルプ4気筒
 総排気量:748cc
 最高出力:77ps/95000rpm
 最大トルク:7.0g-m/6500rpm
 燃料タンク容量:21リットル

【了】

【画像】近未来的デザインを取り入れたCBRシリーズを見る(10枚)

画像ギャラリー

最新記事