ヤマハの4サイクル4気筒250ccレーサーレプリカの本命「FZR250」が登場した日

レーサーレプリカブームは、2サイクルモデルが主流でした。1986年にヤマハから登場したFZR250はそれまでの4サイクル250ccモデルのイメージからレプリカモデルへ大きく舵を切ったヤマハの意欲作でした。

4サイクル4気筒250ccレプリカブームは、FZR250から本格的に始まった

 ヤマハの4サイクル250ccレーサーレプリカ「FZR250(2KR)」は、1986年にFZ250PHAZERのフルモデルチェンジモデルとして登場します。フロントフェアリングには、鈴鹿8耐に参戦したFZRの意匠を取り入れたFZR400やFZR750と同じ丸目2灯を装備し、リアもシングルシート風とされレーサーレプリカとして絶大な人気を誇りました。

 いち早く登場したFZR250に続き、ホンダ「CBR250R」カワサキ「ZXR250」スズキ「GSX-R250」などを各社が発表し、4サイクル4気筒レプリカモデルの人気を押し上げました。

ヤマハFZR250(1986)

 35mmフロントフォークに採用されたフロントブレーキは、片側320mmローターに対向4POTキャリパーを装備、FZ250からフレームやサスも再設計が行われ、2サイクルレプリカ全盛の時代に一石を投じています。特にヤマハは、2サイクルモデルTZRに4サイクルモデルFZRを投入したことで更なるレプリカブームに拍車をかける結果となりました。

 エンジンは、水冷4サイクルDOHC4気筒総排気量249CCとし、エアクリーナー吸気口から新鮮な空気をキャブへ送るF.A.Iも装備、最高出力45ps/14500rpmを発揮しています。

 ライディングポジションや足回りの見直しにより、その走行性能は2サイクルモデル並みに軽やかでエンジン特性も扱いやすく素直なハンドリングを実現しています。

鈴鹿8耐で不動の人気を誇ったTECH-21カラーのFZR

 さらに、この頃鈴鹿8時間耐久レースにヤマハからTECH-21カラーのマシンがレースに参戦。TECH-21カラーのFZRを駆る平忠彦選手の人気も相まって、レプリカカラーのFZR250なども発売されました。2019年の鈴鹿8時間耐久には、21年ぶりにTECH-21カラーのマシンでヤマハが参戦し、話題となりました。

 2019年東京モーターショーでカワサキから250cc4サイクル4気筒エンジンのバイクが発表された今、再び250cc4気筒モデルが各メーカーから登場することはあるのでしょうか?

 FZR250の価格は、53万9000円でした。

 ■FZR250諸元
 全長×全幅×全高:2010mm×680mm×1120mm
 乾燥重量:140kg
 エンジン:水冷4サイクルDOHC4気筒
 総排気量:249cc
 最高出力:45ps/14500rpm
 燃料タンク容量:12リットル

【了】

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