バイクタレントが語る 胸部プロテクターの必要性とは
バイク用のライディングウエアには肘、肩、背中などにプロテクターが備えられていますが、バイクタレントとして活躍する岸田彩美さんは、それらの中でも特に胸部プロテクターの重要性を強く感じているようです。
なぜ胸部プロテクターが必要なのか?
こんにちは。バイクタレントの岸田彩美です。今回は「胸部プロテクター」に的を絞ってお話をしていきたいと思います。
みなさん、バイクに乗る時に胸部プロテクターを着用していますか? ヘルメットは当たり前というかバイクに乗る時は義務になっていますね。でも義務ではない胸部プロテクターもヘルメットと同じくらい大事なのです。
まだまだ“胸部プロテクター”に対して馴染みがないかもしれませんが、私なりに重要性をお伝えしたいと思います。
警視庁の統計データをみると、その重要性が一発で分かります。例えば、2019年度二輪車交通事故致命傷部位のまとめですが……
・第一位 頭部195名
・第二位 胸部153名
・第三位 全損41名
となっています(警視庁の統計表より抜粋。統計データには、二輪車だけでなく、歩行者・自転車・自動車、時間帯別やシチュエーション等細かくデータが記載されていますので、一度目を通していただければと思います)。
第一位の頭部ですが、そもそもヘルメットを着用していない人(データを見ると年々減ってはいますが、まだいるんです……)や、ヘルメットのあご紐が緩くて衝撃で脱げてしまった等が挙げられます。
そして第二位に胸部損傷が来ていますね。理由としては胸を強く打ってしまった等が挙げられます。第三位の全損は、損傷が多数あり、致命傷が複数ある場合を指します。
頭部はいうまでもないのですが、データから分かるとおり「胸部損傷によって命を落としてしまった方の数が多い」のです。そのわりに、胸部プロテクターはヘルメットほど目立たず、義務でもない……更に、実際まだ普及率が1割程度だというのも悲しい現実です。
だからこそ、プロテクターで救われる可能性は高い=もっと普及するといいなぁと思います。次に、実際に私がどんな物を使っているのかお伝えしますね。
胸部プロテクターにはどんなものがあるの?
現在私が着用しているのは、2種類あります。ひとつ目は『RSタイチ』より発売されている“TRV063”です。形状が女性用なので、きっちりフィットします。(まだまだ男性用に比べると女性用は少ない!)
また、こちらはウエアの胸元のボタンにポチポチと取り付けるだけなので、着脱も簡単で、プロテクターそのものが軽いため肩が凝りません!! 見た目もかさばりが少ないので、違和感なく使えると思います。
もうひとつ、KOMINEから発売されているレディース用のプロテクターも持っています。こちらは脊椎も守られるベスト式です。こちらも形状が女性用。腰の部分、肩の部分は長さ調整が可能なので、自分好みのフィット感にできます。
ちなみに、トライアルの練習をする時も欠かさず胸部プロテクター着用しています。一度穴に思いっきり突っ込んだとき、車体がバイーンと私の方に跳ねてハンドル部分が胸にあたった経験があります。プロテクターをしていたおかげでケガはありませんでしたが、もしつけてなかったらと思うと……。
それ以来バイクに乗るときは胸部プロテクターを着用するようにしています。
他にも国内のウエアメーカーから多数胸部プロテクターが販売されていますし、サイズや形状も様々です。お店やwebショッピング等でチェックしてみてくださいね。
「ちょっとそこまで」でも気を抜かない
これは警察の方が話していたことです。実は家の近くで事故に遭う確率が非常に多いんだそうです。これは、知っている道だからと気を緩めてしまいがちだからとのことで、すぐ近くだから……と軽装でバイクに乗ってしまうことが理由に挙げられるそうです。
ほんの少し乗るだけだから! そんな時こそ、自分の命は自分で守る事を忘れずに、胸部プロテクターも着けて欲しいです。そしてまだ持っていない方は、たしなみのひとつとして、ぜひ着用して欲しいですね。
私の中で、公道でスピードが出せるとか、峠を早く走れるとか全然かっこいいと思いません。安全に、無理なく事故なく走れるライダーが一番カッコイイと思います。自分の命を大切にすることは、家族や友人を大切にすることにもつながります。
今回は楽しいバイクライフを送るためにお伝えしてみました。これからの時期、プロテクターを付けている部分は熱がこもりやすく、暑さを感じやすいと思うので、熱中症対策は万全にしてくださいね。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました♪
【了】
Writer: 岸田彩美
食べる事とインコが大好き。愛称:あやみん。2011年駒澤大学準ミスグランプリを取得後、ツインリンクもてぎのイメージガール、ツインリンクもてぎエンジェルを務めた。任期中に様々なバイクの楽しみ方に出会いその魅力に心を奪われた。トライアルデモンストレーション、MotoGP 日本グランプリでステージMCなどバイクのイベント出演や司会も務める。