ハーレー新型「スポーツスターS」発表 121馬力を発揮する水冷60度Vツインエンジン搭載

ハーレーダビッドソンは水冷エンジンを搭載した新型モデル「スポーツスターS」をオンラインで発表しました。どのようなモデルなのでしょうか。

新たな歴史を迎えたハーレーダビッドソンのスポーツスター

 2021年7月14日午前0時(日本時間)、オンライン上でハーレーダビッドソンの新型モデル「スポーツスターS」が発表されました。

ハーレーダビッドソンの新型モデル「スポーツスターS」

 現在、新たな変異株が次々に登場し、世界的な感染拡大がまだまだ収まりそうにない新型コロナウイルスですが、その流れを受け、ハーレーダビッドソン社が新車発表をオンラインに移行し、2021年1月20日には『H-D21 LIVE』と銘打ったデジタル・コンテンツでニューモデルを発表。

 2021年2月20日にデュアルパーパス・モデルの『パン・アメリカ』を公開したことは記憶に新しいのですが、この度、登場した『スポーツスターS』も同じように配信開始前からネット上でカウントダウン画面が表示され、世界同時発表ならではの期待を高める演出がなされたものとなっていました。

ハーレーダビッドソンの新型モデル「スポーツスターS」

 発表された映像の最初のシーンはスコットランド。現社長のヨッヘン・ツァイツ氏と創業者の曾孫であり、現在はハーレーダビッドソン・ミュージアムに関わるビル・ダビッドソン氏が雄大な大自然の中で「スポーツスターS」を走らせるシーンから物語がスタートします。ちなみにスコットランドはツァイツ代表の母国とのことです。

 その後は開発に携わったハーレーダビッドソン社のスタッフたちによって『スポーツスター』の歴史やニューモデルの魅力が次々に語られていくのですが、その内容は新時代のハーレーダビッドソンと呼ぶに相応しいものでしょう。

紡がれた「スポーツスター」の歴史

 1957年にハーレーダビッドソンのスポーツモデルとして登場した『スポーツスター』というモデルですが、今回の映像内容は、その伝統を感じさせるものとなっています。2021年、一部では「スポーツスターが今年で生産終了」という噂も流れていましたが、どうやらそれも杞憂に終わったといっていいでしょう。

ハーレーダビッドソンの新型モデル「スポーツスターS」

 おそらく、その噂の根拠としてスポーツスターSの装備やスペックが「今までとまったく違う」部分にあるのでしょうが、確かにその仕様は今までと別モノといっていいもの。1957年の登場から2021年まで続いていた“空冷OHV・45度Vツインの4カムモーター”というエンジン形式は刷新され、パワーユニットは“水冷DOCH60度Vツイン”の“REVOLUTION Max 1250T”に変更されています。ちなみにこのエンジンはボア105mm、ストロークは72.3mmで最高出力121馬力を発揮し、トルクも125Nmとなっています。

 先に発表された“パン・アメリカ”も同系統のエンジンを搭載し、多くのジャーナリストからパフォーマンスの高さを絶賛されていましたが、新たな『スポーツスターS』も大いに期待が持てそうです。

ハーレーダビッドソンのレース用バイク「XR750」

 また、車体のデザインにしてもタンクやテール部分は、どことなくハーレーダビッドソンのレース用バイク「XR750」を彷彿とさせるもので、シートは一人乗り仕様でアップマフラーを装備する大胆なもの。こうした思い切ったデザインにもアメリカン・スポーツを復権させんとするハーレー社の本気度が伺えるものとなっています。
 
 また、あらかじめプログラミングされたライディングモードによって『スポーツ・ロード・レイン』の設定がボタンひとつで変更可能な点やトラクションコントロール、ABSの装備だけに留まらず、ブルートゥースに対応したTFTディスプレイも魅力でしょう。

 価格はビビットブラックが 185万8000円でモノトーンが188万7700。ベースカラーも3種類用意。新時代を象徴する新たなるハーレーダビッドソンには期待です。

【了】

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Writer: 渡辺まこと(チョッパージャーナル編集長)

ハーレーや国産バイクなど、様々な車両をベースにアメリカン・テイストのカスタムを施した「CHOPPER」(チョッパー)をメインに扱う雑誌「CHOPPER Journal」(チョッパージャーナル)編集長。カスタム車に限らず、幅広いバイクに対して深い知識を持つベテラン編集者。

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