足元に置くのはアウト！吊り下げるならOK

　二輪の中でも、燃費の良さや小回りが効く点などが魅力の原付一種と原付二種は、その特性から通勤、通学、買い物などに利用されます。荷物が多いと、足元に置いて運転したくなるかもしれませんが、この行為は違反にあたるのでしょうか。

　道路交通法（乗車又は積載の方法）の第55条には、「車両の運転者は、当該車両の乗車のために設備された場所以外の場所に乗車させ、又は乗車若しくは積載のために設備された場所以外の場所に積載して車両を運転してはならない」と記載されています。つまり、荷台以外の場所に荷物を載せて運転してはいけないため、足元に荷物を置いて運転した場合も、交通ルール上では違反という扱いになります。

　また、足元に荷物を置いた状態で転倒事故を起こした場合、荷物の中身が道路上に散らばってしまう可能性もあります。もしそうなったら「転落等防止措置義務違反」に問われ、罰則として違反点数1点、原付一種が5000円、原付二種が6000円の反則金を科せられる可能性があります。

　トラックで頻繁に指摘される落下物と同様に、後続車の通行の妨げにもなるため、ライダーは足元に荷物を置くのは避けることが求められます。つまり、二輪で荷物を運ぶ際は足元に荷物を置くのではなく、標準装備のフックを使用します。荷物をフックに吊り下げている状態であれば、先ほどの道路交通法には該当しません。

　ただし、フックには吊り下げる積載重量があるため、中身がぎっしり詰まったハンドバッグや重い買い物袋をかけると、破損する可能性があり、注意が必要です。

カゴ、キャリアとリアボックスを有効活用する

　荷物を足元に置くと違法にあたり、フックを使用する場合は軽い荷物しかかけられないとなると、フックを使用できないほど重い荷物を運ぶ方法としては、どのような方法が挙げられるのでしょうか。

　選択肢のひとつとして、後付けのカゴやキャリアを取り付けて積載量を増やすという方法が挙げられます。

　運転中はヘルメットを被っているため、シート下のトランクスペースにカバンを入れることができますが、容量が十分とはいえません。しかし、原付一種は他のバイクとは異なり、車体の前にカゴを取り付けることが前提のモデルがあります。また、パーツも純正や社外品で用意されており、簡単に積載量を増やせる点が魅力です。

　前のカゴに荷物を載せる際は、はみ出ないように注意が必要なほか、荷物が運転中に落下しないように、ネットやロープで固定しておくことが求められます。しっかり固定されていれば、荷物が多少カゴからはみ出ていても、運転中に飛び出す心配がなくなります。

　その点では、スズキが販売している「レッツバスケット」は、蓋つきのフロントバスケットが標準装備で備わっており、便利なモデルといえそうです。50ccの原付バイクの購入を検討している人は、一度チェックしてみると良いかもしれません。

　一方の原付二種は、フロントにカゴの取り付けはできないものの、大型のリアボックスをリアキャリアに取り付けることができます。原付一種より大型で、中には40L近い大容量のボックスもあるため、積載性の拡張には効果的といえそうです。

　例えばホンダ「PCX」や「リード125」、「Dio110」は、35Lのリアボックスが純正アクセサリーで用意されており、シート下のトランクスペースの2倍ほどの収納が追加できるようになっています。加えて、スマートキーに対応しているため、リアボックス用の鍵の管理が必要ありません。また、買い物に限定されますが、背負うという手段もあります。多くのエコバッグは折り畳める手提げ袋の形をしていますが、昨今ではリュックタイプのエコバッグも販売されています。

　運転中にリュックを背負うのは、交通ルール上では違反という扱いにならないため、買い物で原付を利用するのであれば、リュックタイプのエコバッグを検討しても良いかもしれません。

　さらに、原付での積載は、高さは2m以下で左右のはみだしは15cm以下、重量制限が30kgまでと規定されています。そのため、もしキャリアに直接カバンをロープやネットで括り付けて運ぶ場合は、横にはみ出る長さや積み込む荷物の重さに注意が必要です。また荷物を固定する際に、大きさや重さに関わらず、ブレーキランプやウィンカーなど保安用具を隠してしまわないことも重要です。

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　二輪運転時、足元に荷物を置いて運転すると、取り締まりの対象となります。軽い荷物であればフックを使用したり、シート下のトランクスペース活用するという方法が挙げられます。

　また、カゴやリアボックスを取り付けると、積載量の向上を図れるほか、より安全に運転できるといえそうです。