若者のクルマ離れが進むいま、知っておきたい原付二種のメリット

利便性の高い移動手段として、原付二種の人気が高まっています。では、クルマと原付二種にはそれぞれどのようなメリットがあるのでしょうか。

利便性が高く人気がでている原付二種を、クルマと比較!

 安価で便利な交通手段として、原付二種が注目されています。原付二種は原付一種(排気量50cc以下の原付バイク)に取り回しの感覚が近く、比較的軽量的なモデルが多く、小柄な人や女性でも簡単に押し歩きができます。また、交通ルールは原付一種よりも便利で、クルマに近い感覚で運転できます。

クルマに近い感覚で運転できる原付二種
クルマに近い感覚で運転できる原付二種

 一方、最近は若者のクルマ離れが深刻化しているとの話を小耳に挟むことがあります。そこでこの記事では、人気が高まっている原付二種と、クルマを比較してみましょう。

 まず原付二種とは、エンジン排気量が50~125cc以下の二輪車をさします。原付一種は普通免許があれば運転できますが、原付二種は別途免許が必要です。なお、原付二種のみを運転する場合、小型限定普通二輪免許があれば十分です。もし、それ以上の排気量のバイクに乗る予定がある場合は、普通自動二輪免許や大型自動二輪免許が必要になるでしょう。

 もし原付二種を運転できる免許がなくても、教習所で安価で短期間に取得できる点もメリットのひとつです。

原付二種教習車
原付二種教習車

 例えば小型限定普通二輪を取得する場合は、免許取得のカリキュラムは学科教習が26時間、技能教習は12時間です。しかし、普通自動車免許を所持していれば、学科教習は1時間となり、技能教習が10時間に短縮されます。また、料金は教習所で異なりますが、およそ8万〜12万円の間です。

 原付二種の法定速度はクルマと同じ60km/hです。加えて、免許取得から1年以上が経過すると一般道で2人乗りできます。交差点では二段階右折義務もありません。ただし、高速道路は走行できないので注意してください。

原付二種の法定速度はクルマと同じ60km/hで、タンデム走行も可能です
原付二種の法定速度はクルマと同じ60km/hで、タンデム走行も可能です

 原付二種がコスパが良いといわれるのは、維持費が安く、車検がないからです。そして、バイク本体の価格は20~40万円台とクルマに比べて安価です。維持費はメンテナンス代、任意保険料と自賠責保険料、そして燃料代を合計しても年間で15万円ほどで収まるでしょう。

 そのため、バイク本体の価格と維持費を全て足しても50~60万円ほどの予算を確保しておけば、購入と維持ができます。もちろん、車検がないとはいえ、定期的にオイル交換やタイヤ交換など、メンテナンスを販売店に依頼する必要はあります。

 任意保険に関しては、加入する年齢や等級、保険会社によって値段は異なりますが、年間で3~6万円ほどになります。しかし、家族がクルマを持っている場合には、ファミリーバイク特約に加入することができます。ファミリーバイク特約をバイク保険の代わりに利用できれば、任意保険料が普通よりも安く抑えられます。

スズキのスクーター「アドレス125」の燃費は、カタログデータでは53.8km/L(WMTCモード値)
スズキのスクーター「アドレス125」の燃費は、カタログデータでは53.8km/L(WMTCモード値)

 毎年支払う軽自動車税は2,400円と、クルマに比べて安価な金額となっています。加えて、原付二種は燃費が良いモデルが多いです。例えば、スズキのスクーター「アドレス125」の燃費は、カタログデータでは53.8km/L(WMTCモード値)です。また、ヤマハのスクーター「ジョグ125」の場合、燃費は51.9km/L(WMTCモード値)となっています。

 昨今の燃料代の高騰により、ガソリン代は増加する傾向にあります。しかし、原付二種は前述のとおり燃費が良い車種が多く、燃料タンク容量も5~6リットルと大きいものもあるため、通勤や通学手段にはもってこいのバイクといえるでしょう。

 対して、クルマの場合は軽自動車であっても、税金や任意保険、車検代など、年間の維持費だけで30万〜40万円は必要です。加えて、車両代だけでも100万円以上上乗せしなければならないこともあります。そのため、軽自動車を1台購入して維持する場合、150万円以上必要になります。

通勤通学、普段の買い物にも活躍する原付二種
通勤通学、普段の買い物にも活躍する原付二種

 しかし、原付二種であれば、半分以下の予算で免許やバイク本体、ライディンググッズ、年間の維持費などを賄うことができるでしょう。さまざまなメリットのある原付二種なので、通勤通学時だけでなく普段の買い物など、街乗りでも活躍するバイクといえそうです。

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 昨今注目される原付二種は、本体価格も手ごろで維持費も安く、便利な移動手段として重宝されるでしょう。しかし、原付二種は高速道路の走行ができないほか、複数の人を運ぶのにも不向きです。用途と予算を加味して、ちょうど良い交通手段を選ぶと良いかもしれません。

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