スポーツ自転車でコーティングブーム!? カー・ボディでお馴染み「KeePer」参入の理由とは
カー・ボディのガラスコーティングで知られる「KeePer(キーパー)」が、自転車フレーム向けのサービスを開始しました。どのような特徴があるのでしょうか。担当者に聞いてみました。
これまでのコーティング技術ノウハウを自転車にも
カー・ボディのガラスコーティングで知られる「KeePer(キーパー)」が、自転車フレーム向けのサービスを開始しました。クルマをキレイにする施工技術とケミカルなどを開発する、業界大手のキーパー技研株式会社が、なぜ自転車フレームのガラスコーティングサービスを開始したのでしょうか。その理由を担当者に聞きました。
「自転車フレームはクルマやバイクのボディなどと比較すると、フレームが歪みます。ですから一般的なガラスコーティングだと定着しにくいのです。しかし、この歪みに対して親和性が高く、定着しやすい3種類のコーティングサービスを開発し、展開することになりました」
確かに、ペダリングではフレームが左右にたわみます。同時に塗装やコート剤も引っ張られることになるので、硬い質感のコート剤は不向きです。
KeePerが展開するガラスコーティングのメリットは、圧倒的な撥水力によって泥や油汚れがつきにくくなり、洗車がしやすくなります。また、擦れや微細なキズ、紫外線などによってできた塗装の凹凸を、コーティングによって埋めることで深みのある艶を作り出せます。
さらに、ガラスコーティングの厚い皮膜は紫外線から塗装面を守り、長期間艶を維持してくれます。水シミや洗車による磨きキズも付きにくくなり、フレーム塗装の寿命を延ばすことができるというわけです。ことさらKeePerのガラスコーティングは、スポーツ自転車向けということで高い効果が期待できそうです。
KeePerが展開する3種類のサービスは、予算や必要に応じて選ぶことができます。
「ダイヤモンドキーパー for Bicycle」は最も廉価で、新たに開発したカー・コーティングで培ったノウハウを生かした、自転車に適したコーティングです。1層の強靭な高密度ガラス素材を主材としています。
「ECOダイヤ」は、自然硬化の高密度ガラス皮膜+汚れの密着を防ぎ独特な防汚能力をもつECOプラスレジン皮膜の2層構造です。高い撥水力が特長となっています。
そして、まるでベールを纏ったような深い透明感が得られるという最上級の「EXキーパー」は、KeePerが誇る圧倒的な深みを生み出す最新の有機レジン皮膜「VP326」の下層に定着を促す高密度プライマーガラスの2層構造により、「ECOダイヤ」以上の防汚能力と圧倒的な艶を生み出します。
いずれも耐久年数は3年間。ダイヤモンドキーパーはフレームのみですが、ECOダイヤ、EXキーパーはハンドルやホイール、オプションでヘルメットにも施工できます。
このコーティングの施工は、キーパー技研が定めるコーティング技術資格を持つ店舗・サイクルショップなどで行なうことができます。2023年1月から事業がスタートし、施工店はこれから増えていく予定とのことです。
■参考価格(消費税10%込み)
ダイヤモンドキーパー:5000円(フレームのみ)
ECOダイヤ:1万円(フレーム)、1万2000円(フレーム・ハンドル・ホイール)、オプションとしてヘルメットは+2000円
EXキーパー:2万円(フレーム)、2万7000円(フレーム・ハンドル・ホイール)、オプションとしてヘルメットは+3000円
Writer: 山本健一
サイクルジャーナリスト(人力バイクのほう)。ジャーナリスト歴20年、自転車競技歴25年の公私ともに自転車漬け生活を送る。新作バイクレビューアー、国内外レースイベントやショーの取材、イベントディレクターなど、活動は多岐にわたる。