原付免許で乗れる125cc?「新基準原付」にはどのようなモデルがあるのか

新基準原付にはいったいどのようなモデルが該当するのか

 新基準原付として用意されたバイクは、「PCX」「CB125R」「リード125」「ビジョン110」「スーパーカブ110」の5車種で、いずれもホンダ製。なお、ビジョン110は国内で販売されている「ディオ110」のことです。

新基準原付の試作車として用意されたホンダ「PCX」(画像:原付二種モデル)
新基準原付の試作車として用意されたホンダ「PCX」(画像:原付二種モデル)

 評価項目は、発進時、停車時、交差点、坂道、踏切通過時、スラローム、引き起こし、押し歩きなど、さまざまな運動特性を比較。基準は、「易しい、やや易しい、同程度、やや難しい、難しい」の5段階で判断しています。

 新基準原付のPCXは、現行のPCXとベンリィで比較。新基準原付のCB125Rは現行モデルとベンリィ、新基準原付のリード125は現行モデルとギア、新基準原付のビジョン110はタクト、新基準原付のスーパーカブ110は同50と現行110で、それぞれ比較されていると言います。

 そして、現行の原付に比べて新基準原付は「同等または、やや難しい」と評価され、運転特性は現行の原付とほぼ変わらないという結果になったようです。ただし、引き起こしや坂道の項目では、PCXやCB125Rなどは重量が重くなるぶん、「少し重たい」と感じたり、「力不足を感じた」という意見もあったようです。

 現行の原付二種が新基準原付として採用されれば、車体がひと回り大きくなりますが、出力を抑えてあるのでむしろアクセル操作がしやすくなるかもしれません。とくに発進時や低速時などは、少し重量がある新基準原付のほうが安定して走行できそうです。

 今回、試作車として用意された新基準原付の5車種は、現行の原付二種からのラインナップです。いずれも人気のモデルであり、新基準原付としての市販化が期待されます。

新基準原付の試作車として用意されたホンダ「ビジョン110」(画像:原付二種モデル)
新基準原付の試作車として用意されたホンダ「ビジョン110」(画像:原付二種モデル)

 まずPCXは、クラスを超えた質感と先進のスタイリングで大ヒットしたロングセラーモデルです。今や原付二種スクーターを代表する一台で、ゆったりとしたライディングポジションに加え、快適さと使い勝手のよさがポイント。ライダーの所有感を満たす高級感あるので、新基準原付として発売されたら人気が出そうです。
 
 CB125Rは、原付二種でありながらマニュアルクラッチの5速ミッションを搭載する本格派のスポーツバイクです。フレームやスイングアームなどを「CB250R」と共有するため、250cc並みの堂々とした風格が目を引きます。現行の原付のラインナップでは、マニュアルバイクは存在しないため、新基準原付として発売されれば楽しみな一台です。

 またリード125は、フロント12インチ・リア10インチのホイールを搭載し、落ち着いたハンドリングと小回りの利く旋回性を備えています。シート下には37Lの大容量ラゲッジスペースを完備し、日常の足として活躍します。また、ビジョン110は欧州市場向けに販売されていて、日本ではディオ110としてお馴染みのスクーター。96kgの軽量ボディで軽快な走りが楽しめます。
 
 そしてスーパーカブ110は、日本が世界に誇るスーパーカブシリーズの原付二種モデル。コンパクトな車体と、クラッチを必要としないロータリー式4速ミッションで、バイク初心者でも簡単に運転できます。ビジネスバイクの枠を超えて、今では老若男女に愛されるモデルです。

 排ガス規制により、伝統の50ccのスーパーカブは姿を消すことになりそうですが、新基準原付として新しいカブが登場するかもしれません。

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 新基準原付についての詳細が決まるのはまだ先のことです。いずれにしても、現行の原付に排ガス規制が適用される2025年11月までには、新基準原付の具体的な規定や基準が決定します。

 来年までに、どのような免許区分が加わり、どんな新型モデルが登場するのか待つのも、楽しみのひとつと言えるかもしれません。

【画像】新基準原付についての資料と車種を画像で見る(10枚)

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