ハンドルのスイッチやメーターの警告灯 気づいたら「文字」から「図柄」に変わっていた!?
バイクのハンドルには、ウインカーやホーンなどのスイッチがあり、かつては「TURN」や「HORN」の様に英文字表記でしたが、いつしか図柄表記に変わっています。一見して解りやすいものの、味気ない気も否めません。どうしてそのようになったのでしょうか?
現在は国際標準の「シンボルマーク」
バイクの場合、ウインカー(方向指示器)やヘッドライトの上下(ハイビーム/ロービーム)の切り替え、ホーンなどの灯火類や警告装置、エンジンのスターターボタンやキルスイッチなどが、ハンドル左右のスイッチボックスに配置されています。
また、これら灯火類の動作状態や、エンジンの油圧やABSなど各種装置の異常を知らせる警告灯が、メーターの周囲や文字盤に装備されています。
そして近年のバイクは、それが何のスイッチや警告灯かを示す「図柄」で表示しており、これを「操作装置識別表示(操縦装置識別表示)」と呼びます。
ところが「旧車」と呼ばれる昔のバイクは、図柄ではなく「TURN」や「HORN」、「STOP」や「RUN」のように、英文字や英文字の略が多く使われていました。

また比較的近年のモデルでも、図柄ではなく英文字表記のバイクもありますが、この辺りの基準や法的な決まりはあるのでしょうか?
車両によって変更時期は「まちまち」
ハンドルのスイッチやメーターの警告灯(4輪車は「Telltale:テルテール」と呼ぶ)の表示が英文字から図柄に変わったのは、視認性などの保安基準を国際基準に合わせた流れで進んできました。
英文字よりもひと目でイメージできる図柄の方が、国籍や人種を問わず理解しやすいのは安全性の向上からも重要だからでしょう。
これは一般生活で目にするトイレや非常口のマークや、オリンピックで有名になった運動種目を表示する「ピクトグラム」にも通じ、文字を読まなくても(読めなくても)意味や概念が伝わる便利な表示方法と言えるでしょう。
ちなみに4輪車のメーターの警告灯(テルテール)においては、昭和53年頃に制定されたようで、ずいぶん昔に規格化されています。
しかしバイクの操作装置識別表示については、ある日を境に一斉に英文字から図柄に変わったワケではないようです。
実際には2000年代初頭から国際基準の図柄に移行し始め、2000年代後半から2010年代の中頃にはほとんどの車種が図柄表示になったようです。これは法令の施行年に対し、継続生産モデルの場合は猶予期間があるためだと思われます。
そこで、1978年に発売され2021年が最終モデルとなった、屈指のロングセラーモデルであるヤマハの「SR400」で調べてみると、ハンドルスイッチは2016年の[3HTX]までが英文字表示で、2018年の[B9F1]から図柄表示に変わりました。

しかしメーターの警告灯に関しては2008年の[3HTP]までは英文字表示で、キャブレターからフューエルインジェクションに進化した2009年の[3HTR]から図柄表示に変わっていました。
このように、ハンドルスイッチと警告灯で表示の変化にズレがあるのも興味深いところです。
とはいえ超ロングセラーの「SR400」は少々特別で、多くのバイクは前述したように2000年代前半には図柄表示になっていたようです。
自分の動きを周囲に伝えるウインカーや、エンジンを停止するキルスイッチ、メーター内のハイビームやABSのインジケーターなどは、誰もが操作の意味やバイクの状態を理解しやすい図柄表示の方が、間違いなく安全面で有効です。
とはいえ、少々マニアックですが、スイッチや警告灯は昔のような英文字表示の方がメカっぽくて好き……という意見も少なくないようです。
Writer: 伊藤康司
二輪専門誌『ライダースクラブ』に在籍した後(~2005年)、フリーランスの二輪ライターとして活動中。メカニズムに長け、旧車から最新テクノロジー、国内外を問わず広い守備範囲でバイクを探求。機械好きが高じてメンテナンスやカスタム、レストアにいそしみ、イベントレース等のメカニックも担当する。












