公道を走って確信! ブリヂストン「BATTLAX HYPERSPORT S23」は、わがままな要求にしっかりと向き合い作り上げたオールラウンダーだった【PR】

ブリヂストンの最新プレミアムスポーツラジアル「BATTLAX HYPERSPORT S23」の乗り味や特性について、モーターサイクルジャーナリスト/インストラクターの鈴木大五郎さんが解説します。

サーキットで感じた優れたグリップ力とワイドレンジなキャラクター

 2019年2月にブリヂストンから発売されたラジアルスポーツタイヤ「BATTLAX HYPERSPORT S22」(以下:S22)は、幅広いユーザーに人気のタイヤでした。

 たとえばサーキットを含むイベント等での先導のお仕事の際、異なるタイヤを履かせた複数台の先導車がある場合に「あ、俺これが良い!」と真っ先にタイヤ指名でマシンを選択するライダー仲間も少なくありません。

 一般ユーザーだけでなく、プロユースでも支持されていたことを思い出します。

ブリヂストン「BATTLAX HYPERSPORT S23」を履いたホンダ「CBR650R」に試乗する筆者(鈴木大五郎)

 S22は実際のセールスも上々で、このセグメントでは発売されてから長きにわたりベストセラータイヤだったとのことですが、この人気タイヤの後継となるモデルが2024年2月に発売された「BATTLAX HYPERSPORT S23」(以下:S23)です。

ブリヂストン「BATTLAX HYPERSPORT S23」は、ベストセラーでありロングセラーモデルの「BATTLAX HYPERSPORT S22」の後継モデル

 S22がロングセラーであった理由のひとつに、継続してセールスが好調だったということが挙げられるでしょう。完成度が高く、不満の声も聞かないとなれば人気のモーターサイクルモデル同様、モデルチェンジには慎重にならざるを得ません。

 そこでS23が行ったのは、完成形ともいえるケーシングやプロファイルをいじることなく、コンパウンドとグルーブの形状を変更して味付けするというもの。

 5年ぶりのモデルチェンジをマイナーチェンジ程度のイメージに捉えていたのですが、実際にテストすると大きなレベルアップが感じられ、驚かされたのでした。

ブリヂストン「BATTLAX HYPERSPORT S23」は新グリップ向上剤の配合により、路面に追従しやすくなった。またカーボンでポリマーを補強することで、より強い力を発揮する

 昨年行われた発表試乗会では、200馬力級の最新スポーツモデルがズラリと勢ぞろい。サーキットで存分にそのスポーツ性能を堪能しました。

 スポーツライディングを楽しめるグリップ力に裏打ちされた安心感。ブレーキングから倒し込みにかけての神経を使うフロント周りはサイド部の接地面積が増大したかのような印象で、かなりいじめて走らせたところで破綻が起きそうな気配もありません。

 基本骨格は変えていないものの、グルービングの手法によって剛性が高められている効果が感じられました。

ブリヂストン「BATTLAX HYPERSPORT S23」を履いたホンダ「CBR650R」に試乗。フロント周りはサイド部の接地面積が増大したかのような印象を受ける

 そしてアクセルを開けていった際のリアタイヤの踏ん張り感とエッジのグリップ力。もちろん、200馬力を超えるマシンをある程度のペースで走らせた場合、どんなタイヤであっても最終的にはスライドを始めてしまうのですが、その滑り出しもスムーズでコントロール性も良好です。
 
 本気でタイムを狙って走るようなライダー以外は十分と思えるグリップ力を有するだけでなく、それをタイヤウオーマーを必要とせず気軽に味わえるというワイドレンジなキャラクターに感心しました。

ブリヂストン「BATTLAX HYPERSPORT S23」を履いたホンダ「CBR650R」に試乗する筆者(鈴木大五郎)。タイヤウオーマーを使うことなく十分なグリップ力を発揮してくれる

公道テストで改めて感じたニュートラルな性格 コシのある確かな手応え

 そして今回、あらためてこのタイヤを公道にてテストする機会に恵まれました。テストに使用したマシンはホンダ「CBR650R」です。

 サーキットでのテストでは、用意された車両のラインナップも相まって「俺のスポーツ性能とグリップ力をしっかり味わってくれ!」といった挑戦的メッセージが感じられたのに対し、パワーもキャラクターもまるで正反対のマシンと状況によるテストとなりました。

ブリヂストン「BATTLAX HYPERSPORT S23」を履いたホンダ「CBR650R」

 S22に対してよりスポーツ性を高めたとされるS23ですが、ストリートでの走りはいかに? やや肌寒くなった気温のなか走行を開始しました。

 さっそく走り始めると、温度の低い路面でも不安はなくフィードバック性は上々です。

 スポーツタイヤには、温度の依存性が高く、ある程度のウオーミングアップを要するものもあります。しっかりと加減速ができ、タイヤを暖める環境が確保できるサーキット走行に対し、一般道ではなかなかそういった操作をできないため、走り始めから不安がないというのはありがたいものです。

 しばらく走らせて感じたのは、接地面の転がり抵抗が少ない印象で、スイスイとマシンを動かしていけることです。タイヤが無駄にたわむことなく、リニアなレスポンスからはスポーツマインドを感じ取れますが、そこに嫌な硬さは感じられません。

走行後のブリヂストン「BATTLAX HYPERSPORT S23」のトレッド面。フロント(左)とリア(右)

 自動車で例えるならば、欧州のグランツーリスモマシン的硬さというのでしょうか。コシのある確かな手応えです。適度にダンピングが効かされたかのようなクッション性は安っぽいフィーリングにならず、路面状況もつかみやすいと感じました。

 基本的にはやや硬めなフィーリングですが、これはCBR650Rよりも重量級のマシンや、あるいは積載やタンデム時にも余裕を持った設計となっているのかもしれません。また、よりパワフルなマシンに対応する剛性を備えているともいえるでしょう。

ブリヂストン「BATTLAX HYPERSPORT S23」をテストした筆者(鈴木大五郎)

 とはいえ、これはテストモードで細かい情報を探っているからで、実際は必要以上にタイヤに神経を使うことなくライディングを楽しむことができます。
 
 タイヤによってはあきらかにクセというか個性が強いモデルも存在しますが、そのフィーリングと乗り手のイメージが合致すれば、それが楽しみにもつながります。

 S23はさまざまなマシンに合うように、よりニュートラルな味付けになっているのだと思われます。タイヤに気遣うことなく、マシンのキャラクターをより楽しむための設計とされているように感じるのです。

ワインディングで“その気”にさせてくれる「S23」は耐久性をも向上

 ワインディングに突入すると、確かな剛性感とグリップ感がその気にさせてくれます。

 乗り心地を第一に考えた設定のタイヤと比較すると、もう少し張りを持たせた手応えがあり、レスポンスも良く、そしてやっぱりコーナーが楽しいのです。

 リーンが軽いのですが、そのままバタリと倒れていってしまいそうな不安感はなく、豊かな接地感がキープされるからタイトな峠道でマシンをこねくり回すかのように走らせることが可能です。

 サーキットでガンガン走らせた際にも不安がないほどだから、峠道では完全にオーバースペックと思わせるグリップ力です。

ブリヂストン「BATTLAX HYPERSPORT S23」を履いたホンダ「CBR650R」に試乗する筆者(鈴木大五郎)。峠道ではリーンが軽く、エッジ部のグリップ力もオーバースペックと思わせるほどだ

 ブリヂストンでは、S23よりもさらにハイグリップな「RS11」と、公道走行は可能ですが基本的にサーキット専用ともいえる「R11」がタイヤのラインナップ上に存在します。

 一般ユーザーによっては「上から3ランク目か〜」と思われる人もいると思いますが、公道はサーキット走行と異なりエッジ部を使う時間がほとんどないため、エッジにかかる荷重がさほど高くない状況では十分過ぎるほどの性能です。とはいえ、サイド部に採用された高グリップのコンパウンドは保険的意味合いだけでなく、明らかに安心感に寄与しています。

 また、スポーツタイヤの中にはゴツゴツと乗り心地の悪いものも少なくないですが、荒れた路面でのショックの吸収性も悪くありません。

 高速道路での直進安定性も上々で、これはツーリングシーンでも光る性能であるといえるでしょう。

 ロードノイズも少なく転がり抵抗が少ない印象で、耐摩耗性も期待できます。走らせ方やマシンのパワーによってどの程度の持ちがあるのか気になるところですが、S22比で8%の耐久性向上を実現しているといいます。

ブリヂストン「BATTLAX HYPERSPORT S23」。従来モデル「S22」と比較して8%耐久性を向上させている

ウエット性能も向上させた「S23」は、まさにオールラウンダー

 はからずも、前日の雨によりウエット路面で走らせることもできた今回のテスト。ブラインドコーナーに入ると路面が全面ウエット…などという、体がキュッとこわばるようなシチュエーションでも、何ごともなかったかのように車体は振る舞います。

 水しぶきが上がるほどのコンディションではなかったものの、S23からは確かなグリップ力を感じ取ることができました。実際、ウエット性能の強化もS23のセールスポイントのひとつだといいます。

 刷新された溝は一見S22よりも少なく、ドライ路面での性能をより強化したものと想像したのですが、パルスグルーブと名付けられた特徴的な溝によりウエット時の水の流速をあげ、排水性を高める設計がされています。より雨量の多い条件でも高い排水性能を発揮するとのことです。

ブリヂストン「BATTLAX HYPERSPORT S23」で採用されたパルスグルーブ。ウエット時の水の流速をあげ、排水性を高めてくれる

 S23は公道に向けて設計されたタイヤである以上、ドライグリップのみにフォーカスすることは難しいです。

 雨の日には走らないと考えているライダーであっても、昨今の異常気象を考えるとウエット性能はないがしろにできないものでしょう。

 ブリヂストンはそんな実情をやり過ごすのではなく、ライダーがしっかりとモーターサイクルと向き合える時間にするために、S23であらゆる性能を刷新したのです。

ブリヂストン「BATTLAX HYPERSPORT S23」を履いたホンダ「CBR650R」に試乗する筆者(鈴木大五郎)。ロードノイズも少なくウエットでもしっかりとしたグリップ力を生み出していることを実感

 サーキット=ワインディング=街乗り=ツーリング、そして天候の悪化にも応えられるポテンシャル。

 S23は、そんなわがままな要求にしっかりと向き合って作り上げられたタイヤとなっていました。

ブリヂストン「BATTLAX HYPERSPORT S23」を詳しくチェック!

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