バイクで“万が一”の状況に陥ってしまったら、まず何をする?

まさかの事故にあったら110番、119番へ連絡。そして負傷者の救護や二次災害防止、被害を最小限におさめたり、経済的な損失を少なくするためにも、やるべきことは事前に覚えておくとよいでしょう。

まさかのアクシデント、まず何をするべきか

 あまり考えたくないことですが、万一、事故を起こしてしまったり、自分が事故にあってしまったらどうするか、その際の手順を紹介します。

クルマに設置されている“三角停止表示板”で後続車両に注意を促し二次災害を防ぐ(バイク用の小さく折りたためるものもある)

 やるべきことを事前に知っておくと、まさかの状況で対応がスムーズになるばかりでなく、被害を最小限におさえたり、経済的な損失も少なくすることができるかもしれません。転ばぬ先の杖として覚えておきましょう。

負傷者の救護と二次災害防止が最優先

 運転者の義務として、交通事故が起きたときは、まず負傷者(自身の場合もあります)の救護を。同時に事故の誘発を防ぐため、バイクやクルマをなるべく安全な場所へ移動し、エンジンを切ります。

 負傷者の救護は最優先事項ですが、その最中にほかの走行車両が突っ込んでしまうような状況はよくありません。

 事故対応の手順(マニュアル)のなかには、二次災害防止措置を冒頭に記したものもあります。全体的な被害を最小限にするため、負傷者の救護と二次災害防止は、どちらも優先順位が高いのです。

応急手当やAEDの使い方など、救命講習は機会をつくって受講しておいたほうがよいでしょう

 負傷者の救護では、救命の知識が必要です。止血措置をはじめ、心肺停止の場合は人工呼吸や心臓マッサージ、AEDの使用などです。平成初期以前でなければ、教習所などで免許取得時に応急救護措置の講習を受けていると思いますが、忘れてしまっている人もいるのではないでしょうか。

 救命措置は、数年おきに細かい変更があります。運転者には必要な知識ですので、機会を作って最新の救命措置を体験するとよいでしょう。実技は消防署などで救命講習が定期的に行なわれています。

警察への連絡、そして保険会社へ

 負傷者の救護と二次災害防止を済ませたら、次に警察、消防などへの連絡です。負傷者の状態は一刻を争うので、救護措置の最中に通報できる人がいればお願いし、またもし、自分が事故現場に遭遇したら声をかけ、可能な範囲で手伝いましょう。

かならず警察へ連絡して現場の確保と、可能であれば実況見分に立ち会うようにしましょう

 必要な措置がひと段落したら、保険会社への連絡です。任意保険に入っていることが前提として話を進めますが、まず加入していいる任意保険の事故受付連絡先へ電話をします。一般的には以下のようなことを聞かれます。

・事故発生の詳しい場所と日時
・相手がバイクやクルマならナンバー
・相手の名前、住所、電話番号
・相手の保険会社と証券番号
・届け出た警察署と担当者
・事故の状況
・バイクやクルマの破損状況

 保険会社への連絡は、できれば警察の到着を待っている間に済ませてしまうのがよいでしょう。時間がたってしまったり、関係者が現場から離れてしまってからの連絡では、保険会社が事故処理をする上で必要な情報を得られない可能性があります。

 円滑に事故処理を進める上でも、保険会社への連絡は早めに行なうことが大切です。

備えは事前に! 連絡先や筆記具の用意を

 警察や消防の緊急通報は誰でも知っている電話番号ですが、任意保険の緊急連絡先はすぐにわかるようにしておく必要があります。

 保険会社からは、サイフに忍ばせておけるように小さいカードが用意されることがよくあります。

 任意保険に入っている人は、万一の際の連絡先のほか、役に立ちそうな情報がないか確認しておくとよいでしょう。また、バイクに乗る際は筆記具も携行するアイテムとして加えておけば、きっと役に立ちます。

任意保険のなかにはロードサービスが含まれる(選択できる)こともある

 なお、加入が義務付けられている自賠責保険は相手方の補償であり、一定金額までは賠償金が支払われます。しかし電話受付対応が平日の昼間のみなど、任意保険とは多くが異なるので、バイク、クルマに乗るなら“任意”とはいえ、自動車保険の加入は必須と考えた方がよいでしょう。

【了】

バイクで陥りたくない“万が一”の状況

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