「ペケエス」の愛称で呼ばれたヤマハ初の大型4ストロークバイク「XS-1」とは?

1970年ヤマハは、主力輸出先米国の環境問題や高速道路網の整備など大型車へのニューズが高まりヤマハ初の4ストロークモデル「XS-1」を発売します。

ヤマハ発の4ストロークモデルXS-1とは?

 ヤマハ「XS-1」は、1969年に開催された第16回東京モーターショーで発表され、1955年の創業以来2ストロークモデルを手がけてきたヤマハが初めて発売した4ストロークモデルです。日本では、高速道路の利用頻度も増え世界的にもバイクの大型化・高速化へのニーズが高まるなかで「軽量・スリム・コンパクトな大排気量車スポーツモデル」というテーマで開発が進められます。

ヤマハ「XS-1(1970)」

 XS-1が登場するまで、ヤマハの最大排気量車は、2ストローク350ccエンジンを搭載したR1やR2、R3でした。ヤマハは、2ストローク2気筒650ccエンジンの開発を当時推進していましが、主力輸出先でもあるアメリカでの市場調査の結果、サンフランシスコなど西海岸地域で大気汚染の問題などもあり大型車については、2ストロークよりも4ストロークへの期待が高く一気に方向が決定されました。

 XS-1開発のポイントとして挙げられた「フレキシブルな高性能車」「350cc並みの軽快なフィーリング」「価格的にも身近なもの」という要素に加え、エンジンをバーチカルツインにした点などもトライアンフ「ボンネビル650」を参考に開発が進められました。

空冷4ストロークOHC2バルブ並列2気筒エンジン搭載

 車体は、細身のダブルクレードルフレームにOHCバーチカルツインエンジンを搭載したことで振動が多発、ラバーマウントを多用することで対応します。そして、取り回しの軽快さと車体の振れは、車体設計チームと走行実験チームがテストと対策を繰り返し解決して行きます。走行性能は、中速域では多くの人々を気軽に楽しませ、高速域においては腕に自信のある者たちが力と技でねじ伏せて走る楽しさがありました。

 開発陣が悪戦苦闘し完成したXS-1は、「すごいバイク」ではなく、「美しく、楽しいバイク」として人々を魅了して行きます。

ヤマハ「XS-1(1970)」

 ヤマハ「XS-1(1970)」発売当時の価格は、33万8000円でした。

■XS-1諸元

全長×全幅×全高:2175mm×905mm×1155mm
車両重量:185kg
エンジン形式:空冷4ストロークOHC2バルブ並列2気筒
総排気量:653cc
最高出力:53.0PS/7000rpm

【了】

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