東京からも実は近い！「あの花」で有名な秩父の見どころ紹介
「あの日見た花の名前を僕たちはまだ知らない」は、埼玉県秩父市のリアルな風景を背景に描かれた少年少女の群青アニメでした。劇中には実際に存在する場所や建物も多いですが、今回はバイクでも行きたい「あの花」の舞台・秩父市の劇中スポットを紹介します。
2011年に多くのファンを生んだ、話題作の聖地
「楽しい思い出が詰まった場所」が、ある日を境に「二度と行きたくない場所」になってしまう。
「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない」の主人公、「じんたん」こと「宿海仁太」をはじめ、劇中に登場するキャラクターたちにとって、彼ら・彼女らが住み、生活する埼玉県秩父市は、そんな一言では言い表せない複雑な感情が凝縮された場所です。
なぜ登場人物たちがそのような想いを抱いているのかについては、劇中の最も大切なキーパーソンでありヒロインでもある「めんま」こと「本間芽衣子」の正体に関わる部分ですので、是非その目で物語の内容、そして結末を見届けてほしいと思います。
今回は、主人公たちの思い出や、「あの花」の劇中に登場した場所を、各シーンと共に振り返ってみましょう。
●旧秩父橋
「あの花」のオープニングの最初に登場し、キービジュアルともなっている有名なスポットです。
そのため多くのファンが訪れるおなじみの「聖地」となっており、ポスターと同じアングルでの写真撮影を楽しめる場所です。もちろん、「めんま」のように柵の上を歩くのはとっても危険な行為ですので、絶対にやめましょう。
また、オープニングテーマの「青い栞（Galileo Galilei）」のミュージックビデオも、この場所で撮影されているなど、作品に関わる多くの人やスタッフが、「あの花」のイメージを大切にしていることが伝わってきます。
物語の中では、「ぽっぽ」こと「久川鉄道」が原付でこの橋を通ったり、最終話でも「じんたん」が「めんま」をおんぶして秘密基地に向かうために走り抜けるなど、日常・重要なシーンを問わずたびたび登場しています。
また、旧秩父橋は2代目の秩父橋にあたり、県指定文化財の1つとされています。旧秩父橋の前には、「初代秩父橋」があり、こちらは橋の脚のみが遺構として川の中に残っているようです。秩父橋は、3代目・最新の「秩父橋」はケーブルで支えられている構造となっており、現在、多くの人に利用されています。
●山羊公園
山羊公園は非常に広大な敷地面積を誇る公園で、秩父の桜スポットの1つでもあります。
山羊公園内の「見晴らしの丘」は旧秩父橋と同じく、オープニングシーンに登場しています。柵に座る「ぽっぽ」の奥には、自然や街の景観が広がっていますが、実際の景色もアニメ同様に美しく、秩父を一望できる場所として人気です。
聖地巡礼に訪れるファンの中には、「ぽっぽ」のように、柵に座り写真撮影を撮影する人も少なくないようです。
また、同公園内の「芝桜の丘」は、第2話の冒頭で「じんたん」の回想シーンに登場する、花畑のモデルにもなっているようです。
芝桜は4月から5月の春に見頃を迎え、17600平方メートルという広大な大地に9品種、40万株の芝桜がまるで絨毯の様に広がり、その美しさを一目見ようと毎年大勢の観光客で賑わっています。
●定林寺
定林寺は、「あの花」のファンにとっては、外すことのできない定番スポットではないでしょうか。アニメでは重要なシーンに必ずと言える頻度で登場し、そのたびに胸を詰まらせた視聴者は決して少なくありません。
劇中では、「じんたん」たちが小学生の頃、幼なじみ6人で「超平和バスターズ」という仲良しグループを結成し、みんなでかくれんぼもした場所として描かれました。
ストーリー終盤では高校生となった「じんたん」たちが、「めんま」を巡ってこれまで我慢していたことや、言わずに心に仕舞っていたことを耐えきれずぶつけ合うシーンとしても描かれています。キャラクターを演じる声優さん迫真の演技も相まって、「見ていてつらい」「そう思うのも仕方がない」「みんな正しいけど誰も幸せになっていない」と感じた視聴者もいるのではないでしょうか。
劇中でどんな言葉が交わされたのかは、是非ご自身の目で確認していただきたいと思います。
また、定林寺では「あの花」キャラクターがプリントされた絵馬、通称「痛絵馬」を購入することができます。絵馬掛けには多くのファンが自分のお気に入りのキャラクターと共に願掛けしていますので、聖地を訪れた記念に絵馬を奉納してみてはいかがでしょうか。
※ ※ ※
埼玉県秩父市は、多くの方が想像する「埼玉県」とは異なり、山に囲まれた自然豊かな山間の市です。桜が咲く季節や、ゴールディンウィークの4月から5月は、バイクでのツーリングに最適な場所として多くのライダーが訪れる場所にもなっています。
また、秩父に訪れたことのない方は、「あの花」のシーンを想像しながら、秩父周辺を巡ってみてはいかがでしょうか。
【了】
