バイクのエンジンオイルは定期的にチェックが必要!メンテナンス方法とは?

バイクを故障なく長く乗るためには、こまめなエンジンオイルの点検が必要というのはよく言われることですが、ついつい後回しにしてしまうという方も多いのではないでしょうか。バイクのオイルチェックはなぜ必要で、どれくらいの頻度で行えば良いのでしょうか。

オイルチェックでトラブルを防ごう

 エンジンオイルの点検は、法律でも義務づけられており、道路運送車両法の第47条の2では「自動車の使用者は、自動車の走行距離、運行時の状態等から判断した適切な時期に、国土交通省令で定める技術上の基準により、灯火装置の点灯、制動装置の作動その他の日常的に点検すべき事項について、目視等により自動車を点検しなければならない。」と定められています。

 もちろん法律上の義務でだけではなく、エンジントラブルを防ぐためにもオイルチェックは必要です。オイルが不足した状態でエンジンを動かし続けると、エンジンに回復困難なダメージを受ける可能性があります。

油量を確認するためにオイル注入口のキャップにゲージが付いている場合もあります

 では具体的にエンジンオイルの点検はどのように行えばいいのでしょうか。今回は一般的な4サイクルエンジンのオイル点検についてご紹介します。

 まず、バイクが傾いているとオイルの量が正確に測れないため、平らな場所に止めます。センタースタンドのないバイクの場合は、油量をチェックする際に車体を垂直にする必要があるため、車体を支えてくれる人がいるとより正確に計測可能です。

 つぎにエンジンをかけ、数分間アイドリングを行い、オイルを暖めます。十分に暖まったらエンジンを停止し、油量をチェックします。

 オイル点検窓のあるバイクの場合は点検窓を確認し、規定量のオイルが入っているか、極端な汚れがないかを確認します。製造から時間が経過したバイクなど点検窓が視認できない場合は、エンジンオイルの交換をするのが良いでしょう。オイル点検窓のないバイクは、オイル注入口のキャップが油量を確認するゲージを兼ねている場合が多いため、これを使用して確認します。キャップを取り外し、ゲージに付いたオイルをウエスなどで拭き取ります。もう一度オイルキャップを注油口に戻し、締め込まずにそのまま抜き取り、オイルが定められた範囲内に付着しているか確認します。

 オイルチェックの頻度について、ヤマハは「点検時期の目安としては、長距離走行前や洗車時、給油時などに実施してください」と説明しています。

 1995(平成7)年の法改正まで、エンジンオイル量のチェックを含む基本的な点検は、運行前点検としてバイクに乗るたびにチェックする必要がありましたが、実態を反映していないなどの理由から、「走行距離、運行時の状態等から判断した適切な時期」とされています。

 毎日通勤や通学などでバイクに乗る場合はガソリンを入れるタイミングで、週末しか乗らないという方はツーリングの前に必ず点検しておきましょう。

オイル不足でエンジンに深刻なダメージも

 定期的にオイル交換をしているにもかかわらずオイルが減っている場合は、エンジンに何らかの不具合が発生していることが考えられます。

 エンジンオイルについて、ホンダは「エンジン内をきれいに保つための洗浄作用や、爆発のエネルギー漏れを防ぐための密封作用、ほかにも防錆作用、冷却作用、潤滑作用といった役割を担っている」と説明しています。どちらも重要な役割ですが、特に潤滑作用は金属同士がこすれ合うエンジンにとって、必要不可欠な作用です。

 オイルはエンジンを潤滑するため細部にまで送られますが、「バルブステムシール」や「ピストンリング」などによって燃焼室内にオイルが流入しないように防止されています。それらが損傷するとオイルが燃焼室で燃えてしまい、油量が低下します。

オイルを交換することでエンジンの調子を保つことができます

 バルブステムシールやピストンリングの破損は、エンジン出力の低下とともにオイルの潤滑機能も損なうため、オイル量の減少と相まってエンジンに深刻なダメージを与える可能性があります。

 特に二輪車のエンジンオイルは、四輪車と違い、トランスミッションやクラッチの潤滑も担っているため、オイル不足から起こる危険はさらに高くなります。オイルチェックをこまめに行い、メーカーが定める交換時期に従って定期的に交換することが大切と言えます。

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 エンジンオイルは、定期的な点検と交換によって故障の発生も抑えられ、エンジンを長持ちさせることにも繋がります。万が一オイル不足でピストンが焼き付いてしまえば、大事故にもなりうる危険性があるため、エンジンオイルは定期的にチェックしましょう。

【了】

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