知っておくと便利!バイクの初心者が公道を走る時の注意点とは

免許を取得したとはいえ、ベテランのドライバーに混じり公道を走るとなると緊張する人も多いでしょう。教習所で体系的な交通ルールや運転をマスターしていたとしても、公道には様々な危険が潜んでいます。バイク初心者が公道を走るときにはどんな点に気をつければ良いでしょうか。

初心者が公道を走行する時のポイントとは?

 バイク免許を取得したばかりの初心者だと、いきなり公道を走るのは不安に思う人もいるのではないでしょうか。

いきなり行動を走ることが不安な人は、前車との距離を長めに取ることを意識しましょう

 公道では、前走車の予期せぬトラブルがいつ何時起こるか分かりません。そのため、走行の際は車間距離を長めに取ることを意識すると良いでしょう。道路交通法第26条の「車間距離の保持」では、「車両等は、同一の進路を進行している他の車両等の直後を進行するときは、その直前の車両等が急に停止したときにおいてもこれに追突するのを避けることができるため必要な距離を、これから保たなければならない。」と、定められており、直前のクルマが急停止してもこれに追突しない距離を保持することと規定されています。

 仮に適切な車間距離を取らず、極端に近づいて走ることは車間距離保持義務に違反し、一般道での車間距離不保持は「車間距離不保持違反」、高速道路での車間距離不保持は、「高速自動車国道等車間距離不保持違反」という違反になります。

 道路交通法第26条により、車間距離不保持違反の罰則は、一般道路は5万円以下の罰金、高速道路は3ヵ月以下の懲役または5万円以下の罰金が課されます。また、あおり運転が大きな社会問題となっていること、高速道路における車間距離不保持は危険性が高いことなどから警察による取締りも強化されています。

 警察庁の「車間距離保持義務違反取締件数の推移」によると、平成30年中の車間距離保持義務違反取締件数1万3025件のうち、高速道路における車間距離保持義務違反は1万1793件となっています。警察庁は車間距離不保持、急ブレーキ禁止違反などの道路交通法違反について、積極的な交通指導取締りを推進するよう通達しています。高速道路を運転する際は、いつも以上に車間距離を気にしておくと良いでしょう。

雨の日など路面が濡れタイヤがすり減っている場合などは車間距離を十分にとりましょう

 では、具体的にどれくらいの車間距離取るべきでしょうか。前のクルマがある地点を通過してから、自分がその地点につくまでの時間を2~3秒取るという方法が一般的に良いよいとされています。路面が雨に濡れタイヤがすり減っている場合などは、この約2倍程度の車間距離が必要になることもあります。ただし、あまりにも車間距離を取りすぎると無理な追い越しや割り込みをするクルマがいるので適度な距離を保ちましょう。

 タクシーや初心者マーク(高齢者マーク)付きのクルマは、予期できない動きをすることが多いため、できれば近づかないほうが無難と言えます。ほかにも、交差点での右折や大型車両の後ろを走行する際は死角が生まれやすいため注意しましょう。

 初心者運転期間(免許取得後1年間)は、二人乗りが禁止されているなどのルールも決められているので確認しておくと良いでしょう。

公道を走るベストポジションはどこか?

 車間距離に気をつけながら安全にバイクが運転できるポジションはどの場所にあたるのでしょうか。

同一の方向に2つ以上の車両通行帯が設けられている道路では、バイクは左側の車両通行帯を通行します

 道路交通法第18条では「車両通行帯の設けられた道路を通行する場合を除き、自動車及び原動機付自転車にあっては道路の左側に寄って、軽車両にあっては道路の左側端に寄って、それぞれ当該道路を通行しなければならない」と定められています。

 また、道路交通法第20条第1項では、「車は、同一の方向に2つ以上の車両通行帯が設けられている道路では、左側の車両通行帯を通行しなければなりません。」と規定されており、車両通行帯のある道路におけるキープレフト(左側を保つという意味)が原則となっています。つまり、片側2車線の道路で右側の車両通行帯は追い越しや右折などのために空けておき、左側の車両通行帯を走行しなければなりません。

 道路交通法21条第2項では、「車は、同一の方向に3つ以上の車両通行帯が設けられている道路では、最も右側の車両通行帯は追い越し車線として空けておき、それ以外の車両通行帯を通行することができます。そして、速度の遅い車が左側を走り、速度が速くなるにつれて順次右寄りの車両通行帯を走行するようにします。」とされており、最も右側の追い越し車線を除いた走行車線を走ることもキープレフトとなります。

 ただし、追い越しをする際には、通行している車両通行帯の右側の車両通行帯を通行しなければなりません。また、前のクルマの追い越しが終わった後は、いつまでも右側の車両通行帯を通行するのではなく、速やかに右側の車両通行帯からそれ以外の車両通行帯に戻らなければなりません。

 そのため、センターラインのない道路はもちろんですが、片側1車線の道路でもバイクや原付、車も含めて自分の車線の「左寄り」を走るべきと言えるでしょう。ただ、どのくらい左によるべきかは厳密に数値化されていません。左側端には自転車を含む軽車両が通行する部分もあるので、極端に寄り過ぎても良くないので判断が難しいと言えます。

 また、あまり左端に寄り過ぎていると後続車に道を譲っていると勘違いされ、かえって危険な目に遭うこともあるため、極端なキープレフトも考えものと言えるでしょう。人命や事故を発生させないことが最優先されることは言うまでもありません。どこがベストのポジションになるのかはライダー自身がキープレフトの原則を遵守しつつ、運転していく中で適度な加減を見つけていくのがベストでしょう。

※ ※ ※

 公道には、教習所では経験することのできないイレギュラーな状況が発生します。気をつけるべき車間距離や、走るポジションも具体的な数値で決められていません。そのため、たくさん運転してあらゆる局面を経験しながら適度な加減を見つけていくことが上達への最短ルートだと言えるでしょう。事故には十分気を付けながらのバイク走行を心がけましょう。

【了】

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