エドガー・ライト監督が60年代ロンドンを完全再現！主演女優にも注目『ラストナイト・イン・ソーホー』
エドガー・ライト監督がいま最注目の若手女優2人を起用し、60年代のロンドンを舞台に繰り広げられる謎をサイケデリックに描いたタイムリープ・スリラー『ラスト・ナイト・イン・ソーホー』が、2021年12月10日（金）より全国公開中です。
それは現実か、覚めない夢か
『ベイビー・ドライバー』（2017年）のエドガー・ライト監督の最新作は、60年代のロンドンが舞台のサイケデリックなタイムリープ・スリラー『ラストナイト・イン・ソーホー』です。しかも、主演はアニャ・テイラー＝ジョイとトーマシン・マッケンジーという最注目の若手女優2人。
トーマシン・マッケンジーが演じるのは、ファッションデザイナーを夢見てロンドンのデザイン学校に入学するエロイーズ。しかし同級生たちとの寮生活に馴染めず、ソーホー地区のアパートで一人暮らしを始めることになります。するとその夜に見た夢の中で、彼女は1960年代のソーホーにいました。そこで歌手を夢見る魅惑的なサンディ（アニャ・テイラー＝ジョイ）に出会うと、なぜか身体と感覚が彼女とシンクロ。
夢の中とはいえ、様々なカルチャーが花開いた60年代ロンドンに直に触れた経験が現実にも影響を与え、エロイーズは充実した毎日を送れるようになります。しかしタイムリープを繰り返していたある日、サンディが殺されるところを目撃してしまい、その日を境に現実世界に謎の亡霊が現れ始めます。エロイーズは徐々に精神を蝕まれていきますが、サンディを殺した殺人鬼が現代にも生きている可能性に気づき、たった一人で事件の真相を追いかけることに……。
まず驚かされるのは、ニュージーランド出身のトーマシンの見事なコーンウォール訛りです。残念ながら本作が遺作となってしまったイギリス出身のベテラン女優ダイアナ・リグが、トーマシンの母親（女優のミランダ・ハーコート）が完全な“キウイ訛り”だったため、娘の見事なコーニッシュぶりに困惑してしまったというエピソードからも、完璧だったことを伺わせます。
さて、エドガー・ライト監督は様々な車を作品に登場させてきましたが、バイクにはあまり執着がない様子。しかし、共同脚本を手掛けたスティーヴン・スピルバーグ監督のCGアニメ『タンタンの冒険 ユニコーン号の秘密』（2011年）のメインビジュアルにも起用されているのは、インディアンの軍用バイク741だったりします。また、商業デビュー作にしてカルトヒット作となった『ショーン・オブ・ザ・デッド』（2004年）には、ピザ配達用の赤いホンダ・スーパーカブがチラッと映ります。
異なる時代のロンドン・ソーホーに存在する二人の若い女性が襲われるのは、共通の現実なのか覚めない夢なのか……。60年代ロンドンを再現した映像と、思わず口ずさみたくなる名曲たちが彩る怒涛の展開から目が離せない『ラスト・ナイト・イン・ソーホー』は2021年12月10日（金）よりTOHOシネマズ日比谷、渋谷シネクイントほかで全国公開中です。
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