大型二輪免許を取得したい!波状路クリアのコツとは

大型二輪免許を取得する際には、普通二輪免許教習には無い「波状路」という項目をクリアする必要があります。波状路は、慣れるまではバランスを取るのが難しく、苦戦する人も多い科目のひとつ。攻略にあたって、どんな点に注意すれば良いのでしょうか。

立ち乗り姿勢が重要となる実技

 これから大型二輪免許を取得しようと考えている人にとって、「波状路」避けては通れない項目のひとつです。しかし、波状路は慣れるまではバランスを取るのが難しく、苦戦する人も多いでしょう。

 そこで、波状路の攻略にあたり、どんな点に注意すれば良いのでしょうか。まとめてみました。

波状路に挑戦する様子
波状路に挑戦する様子

 波状路は、長さ9.5m、幅70cmの一本道に、9つの障害物が異なる間隔で設置され、デコボコした道を通過する項目。大型二輪教習のみに、設定されています。

 これは、未舗装路や泥道、林道などの悪路を大型バイクで走行する際の、マシンコントロール技術の習得が目的。他の二輪免許には無い実技であり、立ち姿勢でバランスを維持しながら運転します。

 合格の条件は5秒以上の時間をかけて通過をすること。路面に設置された障害物でバランスを崩して転倒したり、立ち乗り姿勢でマシンのコントロールが上手くできずに、コースから外れたりすると、一発失格。足を着いたり、エンストさせたりしても失格となってしまいます。
 
 そんな波状路をクリアするコツは、立ち姿勢の状態で地面からのショックを受けた際に、バランスを崩さないようにすることです。

 MT仕様のバイクで実技を受ける場合は、立ち姿勢でコースに進入しますが、この際にステップの上にただ立つだけでは、姿勢を上手に維持することができません。

MT仕様のバイクで実技を受ける場合は、立ち上がった時に燃料タンクを両膝で軽く挟むこと
MT仕様のバイクで実技を受ける場合は、立ち上がった時に燃料タンクを両膝で軽く挟むこと

 ポイントは、立ち上がった時に燃料タンクを両膝で軽く挟むこと。ステップの位置よりやや前に腰が来るように立ち上がり、タンクの上に跨るようなポジションを取ると良いでしょう。

 ハンドルもただ握っているだけでは、地面からの衝撃で振られてしまうため、しっかりと体重を乗せて維持することが重要です。立ち姿勢を安定させるために、体重はステップが6、7割、ハンドルが3、4割ぐらいになるように、心がけてください。

 さらに、肘と膝は地面から来る衝撃を吸収しやすいように、少し曲げます。これにより衝撃を吸収しながら、ライダー自身が振動によって振られないように乗ることができます。

 障害物を乗り越える際は、障害物に対して前輪を垂直に当てて乗り越えます。斜めにタイヤを当ててしまうと、そのまま傾けた方向に流れてしまい、脱輪の原因となるため、注意しましょう。

凹凸を乗り越えるコツとは?

 段差ではアクセルとクラッチを使い分けながら、ひとつひとつ乗り越えていきます。操作の流れとしては、段差を乗り越える直前でアクセルを軽く開けてクラッチを繋ぎ、乗り越えたらアクセルを少し戻します。これを繰り返すことで、段差を通過しやすくなるでしょう。

立ち姿勢でバイクに乗るイメージ
立ち姿勢でバイクに乗るイメージ

 速度が速すぎると思ったら、リアブレーキでスピードを調整するのもポイントです。

 この時に、フロントブレーキを使用してしまうとバイクの勢いがなくなり、バランスを崩して足を着いてしまったり、エンストをしたりする可能性が高まるため、フロントブレーキはあまり使用しないようにしてください。加えて、視線は波状路のコース出口と段差の両方が確認できるぐらいに広くとりましょう。

波状路での目線は、少し先を見ましょう
波状路での目線は、少し先を見ましょう

 波状路に苦手意識があるライダーは、ハンドルや前輪の動きを見がちですが、バイクの少し先を見るように意識して運転することにより、安定感が生まれます。

 AT仕様のバイクの場合は座ったまま、教習車のステップボードにしっかりと足を乗せた姿勢でコースに進入しましょう。そして立ち姿勢ではありませんが、足の裏に体重を乗せるようなイメージで運転姿勢とバランスを維持し、アクセルの強弱で段差を乗り込えます。

 スクーターはタイヤサイズが小口径なため、凹凸を乗り越える際のアクセルの強弱には注意が必要。段差を乗り越えたショックでバランスを崩し、転倒してしまう可能性があるため、スピードを上げて一気に走り抜けようとするのは厳禁です。

オフロード走行時にも役に立つは波状路のテクニック
オフロード走行時にも役に立つは波状路のテクニック

 波状路がとにかく苦手というライダーは、路面のデコボコでバランスを崩してしまう前に、5秒以内で通過してしまうという方法もあります。なぜなら、自身でバランスを維持できる速度でエンストせずに走り抜けることができれば、規定時間に満たなくても失格にはなりません。

 もちろん規定時間を満たせない場合は、10点の減点対象です。ほかにも、MT仕様のバイクで立ち姿勢を維持できないと、「運転姿勢不良」という扱いで10点の減点となりますが、両方足しても20点の減点。失格には、ならないのです。

 通過時間を意識しすぎて脱輪やエンストをする、足を着いてしまうというライダーは、時間を気にしないでバランスを維持できる速度、姿勢で通過することも、ひとつの手かもしれません。

※ ※ ※

 大型二輪免許を取る際にクリアが必須の波状路は、低速で段差や障害物を乗り越える際の運転姿勢、バランス感覚を養う実技です。

 一般公道での走行で、思いもしない障害物や段差でバランスを崩してしまい転倒するということが無いように、波状路で学んだコツを思い出し、運転するようにしましょう。

【画像】大型二輪免許取得の関門! 波状路に挑戦する様子を画像で見る(6枚)

画像ギャラリー

最新記事