スズキ「GSX-R」の歴史を追う

「GSX-R」といえば、国内四大メーカーのひとつであるスズキを代表する人気シリーズです。初代モデルが発売されてから、実に30年以上にもわたる長い歴史をもったバイクでもありますが、これまでにどのような歴史を歩んできたのでしょうか。

スズキの名車「GSX-R」の歴史を振り返る!

「GSX-R」といえば、スズキを代表する人気シリーズであり、初代が発売されてから、30年以上にもわたる長い歴史をもったモデルです。では、これまでにどのような歴史を歩んできたのでしょうか。

発売から30年以上受け継がれる「GSX-R」の血統
発売から30年以上受け継がれる「GSX-R」の血統

 そもそも、国内ライダーの多くが中型限定免許だった80年代は、400cc以上のバイクに乗るには、当時難関であった免許区分の限定解除をしなければならない時代でした。そのため、「ナナハン」と呼ばれた750ccの大排気量バイクは、当時のライダー達にとって憧れの存在だったのです。

 そんな中、市販車にもフルカウルを装備した中型免許で乗れる、400cc以下の高性能モデルが続々と登場します。このサーキットテクノロジーが凝縮されたレーサーレプリカマシンが、多くのライダーに支持されたことにより、空前のバイクブームが巻き起こりました。

1983年に登場した「RG250Γ」
1983年に登場した「RG250Γ」

 まずスズキは、初代「GSX-R」がデビューする前年の1983年に、「RG250Γ」を発売します。RG250Γは、量産世界初のアルミフレームにクラス最高の45PSエンジンなど、それまでの市販車にはない装備と刺激的な走りで、大ヒットをもたらしました。また、「レーサーレプリカ」という言葉はこのマシンがはじまりだとも言われています。

1984年に4ストローク400ccエンジンを搭載した「GSX-R」を発売
1984年に4ストローク400ccエンジンを搭載した「GSX-R」を発売

 RG250Γで成功を収めたスズキは、翌年の1984年に4ストローク、400ccエンジンの「GSX-R」を発売しました。激しさを増す400ccスポーツ戦線で、最もレーシーなスペックを誇り、丸目デュアルヘッドライトにカウル付きのレーサースタイルが、多くのライダー達を魅了しました。

 また、クラス初となるアルミフレームを活かし、59PSで直列4気筒ながら乾燥重量152kgと驚異的な軽量ボディも実現しています。加えて、前輪16インチホイールとアンチノーズダイブ付きフロントフォーク、フルフローターモノサスなど、足回りも一級品でした。まさに「GSX-R」は、400ccクラスのレーサーレプリカブームの火付け役となったモデルといえます。

1999年まで生産された「GSX-R400(1995)」
1999年まで生産された「GSX-R400(1995)」

 なお、この初期モデルには、「クラスを超えた性能」という趣旨が込められ、排気量を表す「400」の数字が車名に付けられていません。1999年まで生産され、モデルチェンジを繰り返しながら「GSX-R400」と車名も変更されました。

 そして1985年には、市販車初となる油冷エンジンを搭載した「GSX-R750」が登場します。水冷に比べて、軽量かつコンパクトな油冷エンジンとアルミフレームとの組み合わせで、車重はクラス最軽量の179kgを実現したモデルです。

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