一体なぜ? 高速道路のSAやPAに立体駐車場が少ないワケ
帰省・行楽シーズンになればSAやPAの利用者が増えるため、駐車マスを探すのは至難の業。ツーリングでSAやPAを訪れる機会の多いライダーなど、駐車場所に困ったという経験がある人も多いでしょう。しかし駐車マスの多さだけを考慮すれば立体駐車場が優れているにもかかわらず、多くのSA・PAでは平面駐車場が採用されています。これには何か理由があるのでしょうか。
SAやPA、立体駐車場がほぼないのはなぜ?
帰省・行楽シーズンの利用者増加や、長時間駐車などといった不適切な利用者の存在などが要因で、高速道路のSAやPAで駐車場所に困った経験をした事があるという人は多いと思います。
駐車場は大きく分けて平面と立体の2種類に分けられ、それぞれにメリット・デメリットが存在。例えば、駐車マスの多さだけで言えば立体駐車場が優れており、立体駐車場を採用している大型ショッピングモールやマンションなどは多くあります。
少ない面積で駐車マスを確保しやすいという点には立体駐車場に軍配が上がるのは一目瞭然ですが、多くのSA・PAでは平面駐車場が採用されています。これには何か理由があるのでしょうか。

NEXCO東日本の担当者は、この問題について次のように説明します。
「SAやPAに平面駐車場を採用することについては、建設費用や維持管理費用、休憩施設の利用面等の観点より総合的に判断しております」
同担当者が話すように、立体駐車場は少ない面積で多くの駐車マスを確保しやすいものの、建設・維持管理をするための費用がかかるというデメリットがあります。加えて、天井高などが存在することから駐車できる車両が限られる傾向があるという、多くの人が利用するSA・PAでは致命的とも言えるデメリットも生じてしまうのです。
一方の平面駐車場には、クルマやバイクの大きさに左右されず、さまざまな種類の車両を駐車できるというメリットがあり、また、駐車する際に操作盤などを操作する必要がないので、出し入れがしやすいことや、メンテナンス費用がほとんどかからないこともメリットです。

さらに車両の入出庫もしやすいことから、バイクを停めてすぐに休憩施設を利用できるのも大きなメリットといえるでしょう。
しかし大型PAのひとつである、アクアラインの海ほたるでは2Fと3Fが立体駐車場になっています。これは、海ほたるが人口島に建設されていることが立体駐車場採用理由に繋がっているといえます。
なお、海ほたるの駐車場は立体駐車場であるため、もちろん2.5mの高さ制限も存在し、それを超える車両は1Fの大型駐車場を利用しなければなりません。しかし、基本的にバイクの場合は天井高を気にする必要はないでしょう。
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ほとんどのSA・PAに立体駐車場が採用されていないのは、建設費用や維持管理費用と言った費用面のほか、休憩施設が利用しやすいかどうかといった観点が要因となっているようです。
SAやPAでの駐車マス確保が問題となっている昨今ですが、最近ではNEXCO3社によって駐車マスを拡充する取り組みも進められています。立体駐車場を建設するという形での拡充は検討されていないようですが、今後、海ほたるのように特別な構造のSA・PAが増えることもあるかもしれません。
平面駐車場と立体駐車場それぞれのメリットが生かされた新たなSAやPAが建設され、より一層休憩施設が利用しやすくなることを、いちライダーとしても願うばかりです。