『東京タワー』と呼ばれた名車 スズキ「GSX400X IMPULSE(インパルス)」とは!?

1986年、スズキから個性の時代に生まれるべくして誕生したヨーロピアンマシン「GSX400X IMPULSE(インパルス)」。あまりにも個性的なそのスタイリングは、今でも脳裏に焼き付いています。

当時の若者にはインパクト強過ぎ! 今見ても……カッコイイ?

 1986年初代カタナをデザインしたドイツ人ハンス・ムート氏が、今なお語り継がれる一台の伝説的なマシンを生み出しました。日本の若者のライフスタイルをイメージし、斬新なスタイリングを採用、そのマシンの名は「GSX400X IMPULSE(インパルス)」。

スズキ「GSX400X IMPULSE(インパルス)」

 エンジンは、GSX-Rと同じ水冷シリンダーヘッド、空冷シリンダーブロック、油冷ピストンにはオイルクーラーも装備という3つの冷却方式SATCS(Suzuki Advanced Three-way Cooling System)を採用したパワーユニットを搭載、街乗りからスポーツ走行まで高い走行性能を発揮していました。

『理想の冷却方式とは何か。SATCSがこの議論にピリオドを打つ。』(参照:GSX400X IMPULSEカタログより)と銘打たれたエンジンは、小型軽量エンジンを目指した80年代のスズキ車に多く採用されたシステムです。

 ボディは、スチール製の角型フレーム(ダブルクレード方式)を採用し、燃料タンクを低く配置できたことで、シート高は745mmとされ優れた足つき性も実現しました。

 GSX400Xインパルスの特徴でもあるカラーリングは2色用意され、ボディーには不思議な茶色(エンペラー・ブラウンメタリック)と濃い青(ブラシャン・ブルーメタリック)、強烈なデザインを強調する鮮やかな朱色が両色に組み合わされています。

東京タワーを連想させるトラス風カバー

 ヘッドライトマウントには、東京タワーを連想させるプラスチック製トラス風のパーツに角形ハロゲンライトや3分割されたかのようなメーター、ホイール、フレーム、シートなどにまで朱色が使われています。

 GSX400Xインパルスは、レプリカ並みの装備や走行性能を持ち合わせながら、あまりにも強烈な外装で世の中に浸透するまでには至りませんでした。

 ■GSX400X IMPULSE主要諸元
 全長×全幅×全高:2100mm×715mm×1115mm
 排気量:398cc
 エンジン形式:4サイクル・4気筒
 変速機形式:常時噛合式6段リターン
 乾燥重量:153kg
 車両重量:177kg
 最高出力:59PS
 最高回転数:12000rpm
 燃料タンク容量:18リットル
 オイル容量:3リットル
 タイヤサイズ(前):110/80-17 57H
 タイヤサイズ(後):130/80-17 65H

「GSX400X IMPULSE(インパルス)」の価格は、1986年当時59万6000円でした。また、ハーフフェアリング仕様は、59万5000円で販売されていました。

【了】

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