いまさら聞けない? 電動アシスト自転車と原付自転車の違いとは?

電動モーターで走行を助ける電動アシスト自転車がある一方で、同じようにペダルと電動モーターを搭載し、ナンバープレートや運転免許が必要な電動モペットがあります。

アシスト力の基準内なら電動アシスト自転車

 電気モーターのアシストにより、少ない力で自転車を漕ぐことができる電動アシスト自転車は、運転免許不要で利用できる乗り物です。

市街地での新しい交通手段としてシェアバイクにも利用される電動アシスト自転車

 一方、自転車に電気モーターを搭載し、ペダルがあるにも関わらず原付(原動機付自転車)として扱われ、運転免許やナンバー、ヘルメット装着も必要な電動モペットがあります。

 この違いは、電動アシスト自転車には道路交通法などで定められた基準があり、原動機(電気モーター)が搭載されていても「アシスト(補助)」に限定することで、原付で必要になるナンバープレートや税金、運転免許などが免除されている、と言うこともできます。

 電動アシスト自転車の条件としては、道路交通法施行規則第一条の三において電動であることやアシスト条件などが定められています。

24km/h以上はアシスト「ゼロ」が基準

 電動アシスト自転車の具体的なアシスト力は、10km/h以下では「人がペダルを漕ぐ力」を1としたとき、「アシスト力」は2まで、10km/hから24km/hでは徐々に比率が下がり、24km/hを超えた場合にアシスト力はゼロになります。

マウンテンバイクタイプの電動アシスト自転車(e-MTB)にスポーツ用途のBOSCH製ドライブユニットを搭載するTREK「Rail 9.7」

 10km/hから24km/hの間も基準があり、時速から10を引いて7で割り、その数値を2から引いたものと決められています。例えば17km/hでは「2-(17-10)÷7=1」となり、アシスト力は人の足で漕ぐ力と同じ量までとなります。

 また、3輪自転車でリアカーを牽引する場合は、もう少し強いアシスト量も認められており、10km/hまでは人の力が1に対してアシスト力は3となります。速度が上がるにつれてアシスト力の上限が下がり、24km/hでゼロになるのは通常の電動アシスト自転車と同じです。

 そして、条文で「人の力を補う」とあるとおり、ペダルを漕がないと走行しない構造となっていることが電動アシスト自転車の大前提となります。

 これらの基準を超えると自転車ではなくなるため、ペダルを漕がなくても走行するモペットは原動機付自転車として分類されます。

電動アシスト自転車の確認は「TSマーク」で

 電動アシスト自転車と、そのように見えてじつは違う乗り物は、どのように見分ければよいのでしょうか。

市街地での用途に適したスタイリッシュなデザインが特徴的なヤマハの電動アシスト自転車「PAS CITY X」

 国内の大手電動アシスト自転車メーカーの製品ならばまず問題はありませんが、輸入品も含め電動アシスト自転車の基準を満たさないものも市販されていることから、国民生活センターには法規や品質の相談が寄せられています。

 国民生活センターでは、型式認定を受けた「TS(Traffic Safty)」マークがあるかどうかを目安にするなど、法令に適合しているかをよく確認し、自転車として公道走行が可能かどうか、慎重に確認することとしています。

【了】

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