有料道路初のワンストップ型ETC 導入に向け社会実験を実施

本町山中有料道路、三浦縦貫道路、逗葉新道、及び真鶴道路を管理する神奈川県道路公社は、新しいキャッシュレス決済システムである「ワンストップ型ETC」の導入にむけ、社会実験を実施します。

キャッシュレス化でスムーズな料金払いを

 神奈川県道路公社は、新しいキャッシュレス決済システム「ワンストップ型 ETC」の導入に向けたモニターによる社会実験を、本町山中有料道路(現在は現金・回数券による支払)にて、2020年3月23日から行います。

有料道路初のワンストップ型ETCの社会実験が行われる本町山中有料道路

「ワンストップ型 ETC」は、遠隔地に設置したセキュリティ機能を有した情報処理機器と駐車場等における複数の路側機を通信ネットワークで接続し、路側機で取得した情報を集約させて一括処理することで、ETC カードを用いたキャッシュレス決済の安全性を確保する技術「ネットワーク型ETC技術」を活用したもので、本格的に導入されれば、キャッシュレス社会の実現に寄与する技術となります。

 ETCシステム機器販売および決済サービスを提供するアマノ(株)、ETC通信セキュリティ管理を行う首都高速道路(株)、ネットワーク型ETC技術システム構築支援を行う(株)日立製作所、ETC に関する技術協力および機器設置を行う首都高ETCメンテナンス(株)、ETCカードによるクレジット決済の実施を行う三井住友トラストクラブ(株)の5社で構成された「ETC多目的利用サービス事業体」の協力により行われるこの取り組みでは、先着50名のモニターを募集し、3月23日10時から5月21日15時までの期間で実験が行われます。

「スマートIC」と似た仕組みの「ワンストップ型ETC」

「ワンストップ型ETC」は、NEXCO各社が管轄する高速道路で導入されている「スマートIC」と似たシステムとなっていますが、なぜ「ノンストップ型ETC」のみを取り入れている首都高速道路が「ワンストップ型 ETC」の協力企業の一社として選ばれたのでしょうか。首都高速道路の広報課はその理由について次のように話します。

「ワンストップ型ETC」と似たETCシステム「スマートIC」

「首都高速道路では、“ETC多目的利用サービスの拡大”に向けた取り組みとして東京の千駄ヶ谷駐車場(2017年度)や大阪国際空港駐車場(2019年度/国内初)で“ETCによる入出場と自動決済”サービスに取り組んできました。

 今回、弊社を協力企業として選んで頂いた理由はこれまでの取り組みの実績、アマノ(株)、(株)日立製作所、首都高ETCメンテナンス(株)とのコネクションによるところが大きいです。

 また、神奈川県道路公社は、本町山中有料道路、三浦縦貫道路、逗葉新道、及び真鶴道路の4つの有料道路を管理されていますが、料金の車種区分が少ない、反復利用が見込めるなどの理由から本町山中有料道路が社会実験の路線として選ばれたようです」。

※ ※ ※

 神奈川県道路公社は、今回の試験施行結果を踏まえ、いずれは本町山中有料道路、三浦縦貫道路、逗葉新道、真鶴道路の4つの道路で「ワンストップETC」を展開していきたいと発表しています。

「ノンストップ型ETC」と「ワンストップ型ETC」の機器構成の違い

 33もの機器で構成される「ノンストップ型ETC」に対し、「ワンストップ型ETC」は、わずか7つの機器(今回の実験で設置するものは6つ)で構成することが可能です。

 コストや設置スペースなどの面でも有利な「ワンストップ型ETC」が今後どのように普及し、キャッシュレス化に寄与するのか期待が高まります。

【了】

【画像】「ネットワーク型ETC技術」を利用したサービスの画像を見る(5枚)

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