身のこなしの軽いEVライトウェイトスポーツ ありそうでなかった軽二輪枠に登場! 「Super Soco ティーシーマックス試乗」

ありそうであまりなかった軽二輪枠の電動バイク、それが『TC MAX(ティーシーマックス)』です。オーストラリアのバイクブランド「Super Soco」(製造国:中国)のフラッグシップモデルに試乗する機会を得ました。

高速道路も使えるから充実のEVバイクライフが待っている!

 株式会社MSソリューションズ(福岡県)より5月発売予定のSuper Soco (スーパーソコ)『TC MAX(ティーシーマックス)』は、軽二輪登録、つまりガソリンエンジン車なら126~250ccクラスに相当します。ダブルシートでパッセンジャー用のステップも装備し、乗車定員は2名。跨ってみると、グロムやモンキー125より大きく、CB125Rやジクサー150より小さいという印象です。参考までに車体サイズを記しておきましょう。

Super Soco 『TC MAX』に乗る筆者(青木たかお)

車体寸法(全長×全幅×全高、軸間距離)と車体重量
TC MAX:1982×740×1031、1155mm、約103.5kg
グロム:1755×730×1000、1200mm、104kg
モンキー125:1710×755×1030、1155mm、105kg
CB125R:2040×820×1055、1345mm、127kg
ジクサー150:2020×800×1035、1335mm、139kg

 足まわりは前後17インチで、絶妙な車格と言えます。3段階あるモードでもっとも速度の出る“3”を選び、アクセルを全開にすると最高速は90km/hを超えていき、なかなか元気。最大出力4500wの自社製モーターはフレーム側に搭載され、ベルトドライブを介して後輪を駆動します。

 EVモデルらしく、右手のスロットル操作にリニアな反応を見せ、シームレスな加速が味わえます。ハンドリングも軽快で、すばしっこいライトウェイトスポーツです。

 大容量18650リチウムイオンバッテリー(72V45Ah、重量23kg)を採用し、カタログスペックでは航続距離110km。ガソリンエンジン車なら燃料タンクを配置する位置にバッテリーを積み、車体左側のキーシリンダーを回すとカバーが解除され、アクセスできるようになります。

Super Soco 『TC MAX』では一般的なガソリンエンジン車の燃料タンク位置にバッテリーを搭載します

 バッテリーは脱着式で、おろしてから家庭用の100Vコンセントで充電してもいいですし、車体に積んだままコネクターを使ってもチャージが可能。お住まいや駐車場所の環境によって充電方法が選べ、ゼロからフル充電へは8~9時間かかります。

 今回乗ったのはキャスホイール仕様ですが、ネオクラシックなスタイルのスポークホイール仕様も同じ49万2800円(税込み)で設定。ヘッドライトはLED式で、視認性の高いメーターや倒立フォークなど細部のクオリティも及第点でしょう。

 バッテリーが効率的な動作をおこなうためのバッテリーマネージメントシステムを搭載し、過充電や発熱対策がおこなわれているのもいい点です。

 高速道路を走ることができるので、郊外へのツーリングも楽ですし、EVバイク最初の1台として選ぶのにお手頃かもしれません。乗り込むうちに楽しくなり、国産軽二輪EVバイクも早く乗ってみたくなりました。

【了】

【画像】Super Soco のフラッグシップ『TC MAX』を見る(15枚)

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Writer: 青木タカオ(モーターサイクルジャーナリスト)

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。自らのモトクロスレース活動や、多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク技術関連著書もある。

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