自転車の信号無視多くない!? なぜかよく見かける危険な光景

交通社会の一員として、信号を守ることは当然のルールですが、なぜか自転車に乗るとルールを守らない人が途端に増えます。どういうことなのでしょうか。

たかが自転車、されど自転車

 道路利用者、交通社会の一員として、信号を守ることは当然のルールです。幼いころから「赤は止まれ、青は進め」と学び、クルマやバイクを運転するようになると、より信号を遵守すると思います。

自転車もクルマやバイクと同様に、信号を守らなければならない
自転車もクルマやバイクと同様に、信号を守らなければならない

 ところが、なぜか自転車に乗った時だけ信号を守らない人が途端に増えます。自転車だけ信号を守らなくても良いという法律はありません。ましてや自転車は軽車両であり、時には人の命を奪いかねない乗り物です。

 たとえば街を歩いていて、青信号の横断歩道を渡っている時に、真横から自転車が侵入してきてヒヤッとした経験をした人は少なくないと思います。

 大前提として、自転車は車道を走っている時は車道の信号を守り、歩道を走っている時は歩行者用の信号を守らなければいけません。前述の状況では、自転車は横断歩道の手前で停止し、信号が青に変わるのを待っているはずです。ルール以前に、横断歩道を渡る歩行者の中に突入できる心境は、理解し難いものです。

 ちなみに、車道を通行している場合でも、歩行者信号に『歩行者・自転車専用』の標識がある場合は、車道の信号ではなく歩行者信号に従うことになります。しかしこれは、自分の進行方向に設置してある信号に対する標識であって、交差する横方向の信号に標識があったとしても全く関係ありません。

 自転車が信号を守らない背景には、「車道を走っている時は車道の信号、歩道を走っている時は歩行者用の信号を守る」という認識が浸透していない、またあるいは「たかが自転車」という甘い考えがあるからかもしれません。

 自転車は気軽に利用できる日常の足として身近に存在する便利な乗り物ですが、その一方で、危険性もはらんでいることは忘れがちです。

自転車もクルマやバイクと同様に、信号を守らなければならない
自転車もクルマやバイクと同様に、信号を守らなければならない

 一般的なママチャリ(シティサイクル)の重量は約15~19kgで、それに乗車する人間の体重を50~70kgとした場合、約65~90kg近い重量物となります。それが、明らかに大人が歩くよりも速いスピードで横から突っ込んで来たとすると、もしぶつかったらただで済むわけがないことは容易に想像できると思います。

 実際に、そのような状況で歩行者に後遺症が残ったり、命を奪われてしまったという痛ましい事故も発生しています。「自転車事故 事例」で検索すると多くの悲しい事例が表示されます。

 また、最近は自転車事故の賠償金が高額になるケースも増えています。自転車事故は被害者にケガを負わせるだけでなく、加害者になってしまった人にも心の傷と経済的な負担を残すことになります。もちろん、お金の問題ではありませんが……。

 自転車は便利な乗り物ですが、最悪の場合、誰かの命を奪いかねない危険な乗り物でもあります。その認識があれば、ルールを無視した走行は少なくなるはずです。自分と周囲の安全のため、ルールを守ったサイクルライフを過ごしたいものです。

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