「スリップオン」……手軽にマフラーカスタムを楽しむための第1歩 カスタム用語集Vol.12

マフラー交換はカスタムの定番としておなじみですが、カスタムマフラーには「スリップオン」と「フルエキ」があります。違いを説明するとともに、スリップオンの特徴について解説しましょう。

マフラーのサイレンサーのみをカスタム

 カスタムマフラーには「スリップオンタイプ」と「フルエキゾーストタイプ」があります。それぞれ略称で「スリップオン」と「フルエキ」と呼ばれています。

筆者(佐賀山敏行)が所有していたSR400に装着していたデイトナ製サイレンサー(廃盤)
筆者(佐賀山敏行)が所有していたSR400に装着していたデイトナ製サイレンサー(廃盤)

「スリップオン」とは英語の「slip-on」に由来するカスタム用語です。本来は「素早く身につける」という意味で、身近な例だと、靴紐のないスニーカーを「スリッポン(=スリップオンスニーカー)」と呼びますよね。

 バイクカスタムにおける「スリップオン」とは、エキゾーストパイプ(=エキパイ)は純正のままで、マフラー後端のサイレンサーだけを交換する手法を指します。比較的に簡単に、サッと装着できるためにそう名付けられたようです。

ボルト数本でルックス、重量、サウンドを変えることができるのが、スリップオンの魅力です
ボルト数本でルックス、重量、サウンドを変えることができるのが、スリップオンの魅力です

 対して「フルエキ」は、エキパイとサイレンサーがセットになったカスタムマフラーを指します。

 スリップオンのメリットのひとつは、価格が安いことでしょう。サイレンサーだけなので、フルエキの1/2~1/3くらいの値段設定になっている物が多いようです。さらに、スリップオンの名前のとおり、比較的取り付けが簡単なのも魅力です。整備に慣れた人なら自分で装着することもできるでしょうし、プロに依頼する場合もほとんどの場合でフルエキより安い工賃で済むでしょう。

 ほとんどの製品で純正サイレンサーより軽くなるのも特長です。また、サウンドが変わるのもライダーとしては見逃せないポイントと言えるでしょう。

 とはいえ、当然ながらうるさすぎるマフラーはNGです! 高年式モデルなら政府認証マフラー、古いモデルもJMCA認証など、騒音規制を守った適法マフラーを選びましょう。

 性能については、高級な物だとトルクや高回転の伸びがアップする製品もあります。しかし、ほとんど純正と変わらない物も多いようです。性能を重視するなら、フルエキを検討した方が良いかもしれません。

【画像】JMCA認証済のスリップオンマフラーを画像で見る(10枚)

画像ギャラリー

Writer: 佐賀山敏行

カスタムバイク専門誌の編集長を経て、現在はヤマハSR400/500に特化したWEBマガジン「The SR Times」を運営する。自身も現在93年式と14年式の2台のSRを持つフリークだが、基本的にはバイクは何でも好き。

最新記事