フレームが左右非対称!? ピナレロの進化した「F」シリーズはライドシーンで選べる全4モデル
イタリアの大手老舗自転車ブランド「PINARELLO(ピナレロ)」の人気モデル「F」シリーズが次世代モデルへ進化して登場しました。
フレーム設計の進化と洗練されたディテール
イタリアの大手老舗自転車ブランド「PINARELLO(ピナレロ)」の人気モデル「F」シリーズが次世代モデルへ進化して登場しました。プロの最高峰、ワールドツアーチームが使用する、パフォーマンス、重量、価格の究極のバランスを求めるレース志向でテクノロジーを重視するライダー向けに開発されています。

シリーズには4つのモデルがあり、最上級コンポーネントのシマノ・デュラエース Di2がアッセンブルされた「F9」を頂点に、シマノ・アルテグラ Di2仕様の「F7」、105 Di2仕様の「F5」、そして105メカニカル仕様の「F1」がラインナップします。
いずれのモデルも「DOGMA F(ドグマ・エフ)」からインスピレーションを得ており、オールラウンドな多用途性と、様々な価格帯でクラス最高のパフォーマンスを両立させた真のレースマシンです。
モデルによって使用されるカーボンファイバーが異なっており、「F9」と「F7」は東レ製T900カーボンを用いており、軽さと反応性のバランスが取れたレース向きの素材と言います。軽さと入力に対する反応性の良さが求められるヒルクライムレースにも最適です。
「F5」はオールラウンドな特性が持ち味のT700カーボンが採用され、反応性と性能を維持しつつ、路面からの振動を吸収する高い減衰性が特徴となっています。レースからサイクリングまで、幅広い用途に適しています。
「F1」にはT600カーボンが採用され、ユニディレクショナル仕上げで快適性を向上させた構造は、路面からの振動を的確に吸収し、心地よく快適な乗り心地を実現しています。グランフォンドやブルべなど、長い距離を快適に走るシーンに適しています。
新しい「F」シリーズは、左右非対称のフレーム形状となっています。両方のペダルに掛かる推力は同じでも、チェーンを引っ張る力は右側のみ。ピナレロは独自の解析によって、フレーム全体においてこの偏った力を補正するよう最適化したデザインを取り入れています。
一見すると前モデルと変わっていないようで、実際はフレーム構造から刷新しています。楕円形のステアリングチューブと上下異径ベアリングを採用することで、ヘッドチューブは上部がコンパクトに、下部はワイドに設計され、剛性と軽量性を両立。加えて内蔵ケーブルルーティングをステアリングチューブの側面から前面へと移すことで、空力性能と整備性が大きく向上しています。
ヘッドチューブやダウンチューブの形状は、より滑らかで無駄のないラインに再設計され、空気抵抗を最小限に抑えながら剛性を強化。さらに、プロライダーによるテストを重ねたONDAフォークは、スリムなデザインと47mmオフセットにより、下り坂での安定性とコーナリング性能を向上。リアトライアングルも剛性と反応性が高められ、レースシーンにおける機敏なレスポンスを実現しています。
サイズにおいても強いこだわりがあり、競合する最高級ロードバイクは6~8サイズが主流ですが、サドル上のポジショニングが非常に重要であることから、新しい「F」シリーズは9サイズが用意されています。
またオリジナルパーツの「MOST」シリーズの豊富なステムとハンドルバーのサイズと組み合わせれば、ほとんどの人が完璧なポジショニングを手に入れることができるでしょう。
細部においても改良が施され、コンパクトなAERO KEELボトムブラケットは剛性を高めつつ32mmタイヤ(F1は30mmまで)に対応し、走破性と外観のスマートさを両立。前面に配置された一体型シートクランプはクリーンな見た目に加え、汗や埃からの保護性能も備えています。
また、「F9」と「F7」では軽量化されたTalon Fast一体型コックピットにより、レバーが自然にねじれた角度で配置され、安全性を保ちながらより空力的なポジションを取れるようになりました。
進化したピナレロ「F」シリーズの価格(消費税10%込み)は、それぞれ以下の通りです(すべて完成車)。
「F9」208万円(シマノ・デュラエースDi2)
「F7」105万円(シマノ・アルテグラDi2)
「F5」72万円(シマノ・105Di2)
「F1」47万円(シマノ・105)