「青切符詐欺」や「はみ禁」が話題に!? 自転車「青切符」導入から半年で見えてきたこととは

2026年4月1日に導入された自転車の「青切符(交通反則通告制度)」から半年が経過しました。どのような効果や課題が見えてきたのでしょうか。

数字から見る「青切符」導入から半年の変化

 2026年4月1日、これまでクルマやバイクにのみ適用されていた「青切符(交通反則通告制度)」が自転車にも導入されました。その後半年が経ち、どのような変化があったのでしょうか。

 そもそも自転車にも青切符が導入された背景には、なかなか減らない自転車関連事故があります。交通事故全体は年々減少傾向にある一方、自転車が関連する死亡・重傷事故のうち、約4分の3は自転車側にも何らかの法令違反が認められます。

 青切符導入以前の自転車の違反は、「指導警告」もしくは刑事手続きを伴う「赤切符」の2択でした。

 赤切符は取り締まり時の書類作成や取り調べのための出頭など手続き的な負担が大きいうえ、検察に送致されても不起訴となるケースが多く、違反者への責任追及として実効性に欠けるという課題が指摘されていました。

 そこで、指導警告と赤切符の中間に位置する「青切符」を導入することで、迅速な処理を可能にしつつ、前科をつけずに実効性のある指導を行えるようにしたのが導入の狙いです。

 青切符は16歳以上が対象で、信号無視や一時不停止、「ながら運転」など113の違反行為が挙げられます。取締りを受けた翌日から原則7日以内に反則金(3000円~最高1万2000円)を納めれば刑事手続きに移行せず、前科もつきません。

 一方、酒気帯び運転や妨害運転などの悪質な違反は、これまで通り赤切符(刑事罰・前科あり)となります。

 警察庁が発表した青切符導入から1カ月間の状況は、青切符の交付件数は全国で2147件で、違反の内訳は「一時不停止」が846件でもっとも多く、次いで「ながらスマホ」が713件、「信号無視」が298件となっています。

 一方、罰則を伴わない「指導警告」は13万5855件にのぼり、前年同月比で約1.5倍に増加。警察庁は「制度や交通ルールの周知に重きを置いた結果」と説明しており、いきなり摘発するのではなく、まずは声がけで意識を変えていこうという慎重な運用がうかがえます。

 事故への効果については、警察庁の発表によると上半期(1~6月)の自転車関連死亡・重傷事故は全国で3272件と、前年同期の3342件から70件減少し、少なくとも過去10年ではもっとも少ない件数となりました。

 4月の制度開始を境に減少ペースが加速しているとみられ、一定の抑止効果が出ていると言えそうです。

警察官が取締りの現場で反則金を徴収することは絶対にない
警察官が取締りの現場で反則金を徴収することは絶対にない

 そしてこの半年で新たな課題も見えてきました。そのひとつは、導入直後から相次いだ「青切符詐欺」です。

 警察官を装い、「違反したから罰金を払え」とその場で現金を要求する手口で、全国各地で被害が報告されています。実際の青切符の取締りでは、現場で現金を徴収することはなく、納付は金融機関の窓口経由のみです。

 ほかにも、「車道左側通行」の意識が一気に浸透したことで、道幅の狭い道路ではクルマが追い越しにくくなっており、クルマ側も自転車との間隔を十分に取ろうとするあまり、右側に膨らんでセンターラインを越えてしまうケースが目立っています。

 都内で行われた調査では、自転車を追い抜くクルマの7割超が、「追い越しのための右側部分はみ出し通行禁止」を示す黄色いセンターラインを越えていたという結果も報告されており、警視庁は都内にある黄色いセンターラインの約半数を、はみ出しが可能な白線へ塗り直す方針を打ち出しています。

 じつは、歩道のない道路で路側帯(白線)がある場合、自転車は歩行者を妨げない範囲でその路側帯を走ることも認められています。原則だけがひとり歩きしないよう、例外も含めた正しい知識を持つことが、自転車にとってもドライバーにとっても安全につながりそうです。

 数字を見る限り、青切符制度は事故抑止に一定の効果があるようですが、制度が変わったことで新たな注意点も見えてきました。

 自転車利用者も周囲のドライバーも、あらためてルールを正しく理解しながら、交通安全への意識を高めたいものです。

【画像】「その場で現金」は絶対に無い!! 多過ぎる「青切符」違反項目と金額を画像で見る(30枚)

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