北欧デザインをまとうハスクバーナ「ヴィットピレン701」 ご乗車には大型免許が必要です

スウェーデン発祥のバイクメーカー「ハスクバーナ」は、オフロードモデルの名門として長い歴史を持ちます。近年では北欧デザインを思わせるストリートバイクもリリースし、その先陣を切って登場したのが「ヴィットピレン701」なのです。

研ぎ澄まされた性能と、洗練されたデザインが美しい

「ビッグシングル」や「スポーツシングル」と聞いてトキメキを覚えるのは、きっと一定の年齢に達した世代ですが、ハスクバーナから登場した「VITPILEN701(ヴィットピレン701)」は、まさにソレです。

ハスクバーナ「VITPILEN701(ヴィットピレン701)」に試乗する筆者(伊丹孝裕)

 スムーズかつパワフルな大排気量単気筒エンジンを搭載した、超スポーティなガイシャ版のヤマハ「SR」……と書けば“ヤング世代”にもそのイメージが伝わるでしょうか?

「Husqvarna(ハスクバーナ)」は、ハーレーダビッドソンと同じ1903年に2輪の生産を開始した、スウェーデンの名門です。現在はオーストリアに拠点を置くKTM傘下にありますが、ここ数年は得意としてきたオフロードモデルだけでなく、ストリートモデルも多数開発。そのうちの1台が、このヴィットピレン701です。

 シンプルなパイプフレームに排気量692ccの水冷単気筒を組み合わせた車体の重量は、わずか157kg(燃料なし)です。空冷のヤマハ「SR400」が175kg(燃料満タン)ですから、いかに軽量かが分かるでしょう。走るために生まれてきた「ライトウェイトスポーツ」でもあるのです。

モダン、先進、個性的という表現が似合うバイクでは比類ないデザイン

 実際、ハンドリングは驚くほど軽快でコーナーは大得意。あまり小難しいことは考えなくとも、車体に身を任せておけばサラサラと流れるように走らせることができます。それでいていたずらにシャープ過ぎず、よりスポーティに曲がりたくなった時はバンク角を足したり、体重移動の量を増やしたりと、ライディングにひと手間加える余白があるところが好印象です。

 バイクに乗らされているというよりも、自分で操っている感覚が強く、ビギナーからベテランまで、スキルに応じて楽しめるハンドリングが込められています。

大排気量単気筒エンジンのフィーリングまでデザインしている!

 エンジンは700cc近い排気量をひとつのピストンで受け持っています。そのため、ガツガツした荒々しい爆発フィーリングを想像するかもしれませんが、ほとんどの領域でコロコロと穏やかに回り、スムーズそのもの。クラッチレバーの操作力も軽いため、渋滞が続く街中でもストレスなく、走らせることができるでしょう。

ベテランにもビギナーにも応えるシンプルかつ次元の高い走行性能

 ひとつ指摘しておくなら、クラッチレバーが一般的なものと比較して短いため、手が小さいライダーや、4本の指でレバー操作するライダーには違和感があるかもしれません。

 とはいえ、スロットルを開けた時のまろやかな鼓動感や、リアタイヤから明確に伝わってくる心地良いトラクションの前では大した問題にはならず、余程気になるようなら、カスタムすれば即解決です。

 エンジンがもたらす75hpの最高出力は、これ以上あれば怖さが顔を覗かせ、これ以下ならもの足りない場面がある絶妙なところ。車重、エンジンフィーリング、ハンドリングのすべてがマッチしたコーナリングマシンが、ヴィットピレン701なのです。

 バイクはどんどんパワフルに、もしくは絢爛豪華(けんらんごうか)になっていくなか、ヴィットピレン701はシンプルに徹し、過度な電子デバイスも装備していません。

単気筒エンジンで692ccという排気量はまれな存在

 だからといって安っぽさはなく、質感は上々。スウェーデンに出自を持つというブランド力も備えています。ほかのライダーにちょっと差をつけられる、ハスクバーナという選択はいかがでしょう? 価格(税込)は135万5000円です。

【了】

どこを見ても独創的な「VITPILEN701」

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Writer: 伊丹孝裕

二輪専門誌「クラブマン」編集長を務めた後にフリーランスとなり、二輪誌を中心に編集・ライター、マシンやパーツのインプレッションを伝えるライダーとして活躍。マン島TTやパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムなど、世界各国のレースにも参戦するなど、精力的に活動を続けている。

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