気分は「美女と野獣」? ヤマハの大型3輪バイク「NIKEN GT」に身長158cmの女性ライダーが試乗!
ヤマハが販売する前2輪のLMW(Leaning Multi Wheel)モデル「NIKEN(ナイケン)」にツーリングでの快適性を高めた「NIKEN GT」が登場! 日本女性の平均身長、身長158cmの女性ライダー(守田二草)が乗り味と使い勝手をチェックしてみました!
新たな旅へのワクワクを感じさせてくれる「NIKEN GT」
ヤマハ独自のテクノロジー「Leaning Multi Wheel(リーニングマルチホイール)」は、略して「LMW」と呼ばれています。LMWは、衝撃を吸収する「片持ちテレスコピックサスペンション」と、車体の傾きに同調して接地性を確保する「パラレログラムリンク」で構成されたもので、路面や環境の変化にも柔軟に対応し、コーナリング時の高い安定感を生み出してくれる機構です。
2014年に第一弾となる125ccの3輪スクーター「トリシティ」を発売し、2018年にはスポーティーな大型3輪バイク「NIKEN(ナイケン)」の受注予約がスタート。そして今年、ツーリングモデルの「NIKEN GT」が登場しました。フロント2輪構造によるド迫力のルックスに、散りばめられた最新のテクノロジーが魅力的で、新たな旅へのワクワクを感じさせてくれます。
左右2本ずつ装備した外側片持ちの倒立フォークで個性的なルックスを生み出している「NIKEN」は、専用開発された15インチ/120mm幅Vレンジタイヤをフロントにセットし、優れたグリップ性、耐摩耗性、ウエット性を確保。バンク各は45度に設定されています。
迫力のある極太のアウターチューブと、防風性の高いハイスクリーンを装備しているので、フロントビューはかなりボリューミー。2眼のLEDヘッドライトも相まって、生き物っぽい感じでモンスター感がありますね(笑)。
また、ツーリング仕様のGTはグリップヒーターと肉厚を増した専用シートを標準装備。12VのDCジャックはメーター横のほか、シート下の左側にも装備されています。その他、純正アクセサリーとして用意されたワイズギア製トップケースが取り付けやすいグラブバーも採用されているため、使い勝手もかなりよさそうです。
ちなみに今回、試乗した車両には左右各25L容量の軽量なABSソフトケースが装着されていましたが、1~2泊程度のツーリングであれば、荷物も余裕で収まるでしょう。
気になる「NIKEN GT」の足つきと取りまわしをチェック!
女性ライダーにとって重要視されるポイントのひとつが「足つき」です。一般道ではいろいろな環境、状況に遭遇します。そのため、重量級の車両を女性一人で扱いきれるがどうかのキメ手が足つきにあるのです。ちなみに筆者(守田二草)の身長は158cmで、身長体重ともに日本の40代女性の平均(ぽっちゃり気味)。しかも、日本の女性バイクユーザーの過半数は40代以上なので、標準的な女性ライダーといえるでしょう。参考になるのではないでしょうか?
そこで最初のチェックポイントとなるのがNIKEN GTのシート。肉厚なのでスタンダードモデルのNIKENよりもシート高が15mm高い835mmとなっています。実際にまたがってみると、両足のつま先が地面に触れるくらいのバレリーナ状態。シートの幅もあるのでかなりギリギリ。しかも、気を抜くとすぐにヤジロベエ状態になります(笑)。
重心をずらせば片足のつま先をしっかり接地させることができるので、なんとか扱えそうです。15m低いスタンダードモデルのシートか、カスタムシート、ライディング用の厚底ブーツ、純正アクセサリーのローダウンキットリンクなども併用すれば、さらに乗りやすくなりそうです。
車格は全長2150mm、全幅885mm、全高1425mmと結構大柄。フロントまわりのボリュームに気後れしそうですが、前輪が2輪あるためか安定しています。車重はスタンダードより4kg重い267kgで、重さはそれなりに感じますが、平坦な場所であればさほど苦労はしません。動かす時にフロントブレーキを握り込まなければ大丈夫そう。バイクの取りまわしはユーザーの不安感がダイレクトに伝わるので、パニックを起こさないことがポイント。軽々と動かすにはコツと慣れが必要そうです。