美味しいアジフライを求めて走る旅 平塚の小さな漁港近く『あぶさん』の地魚フライ定食 寄り道がてらしらすをお土産に
アジと言えばアジフライ! というライダーのために、美味しいアジフライを味わえるお店を紹介します。平塚市の小さな漁港付近にある『あぶさん』を訪れました。
小さなバイクで小さな漁港へ、地の海の幸を堪能する
美味しいアジフライを求めて、真夏の湘南を走って平塚(神奈川県平塚市)へ行ってきました。平塚は漁港のイメージが無いのですが、河口に面した須賀港(平塚漁港)と、相模湾に面した平塚新港(ひらつかタマ三郎漁港)、相模川河口付近にふたつの漁港があるのです。
目的のお店の開店時間より前に到着してしまった筆者(増井貴光)は、近くの須賀港を訪ねてみました。海岸ではなく相模川と水路でつながっている、堤防に囲まれたこじんまりとした港です。
親子で釣りを楽しんでいたり、漁から帰った漁師さん(らしき人たち)がくつろいでいたりと、のんびりした良い雰囲気です。周囲を散策してから目的のお店に移動します。
須賀港からバイク(ホンダ・CT110)で1分ほど、目的のお店「あぶさん」に到着。ここで待っていたのは、ホンダの名車「DREAM50」でやってきたKさんです。開店時間前でしたが既にオープンしているとのことでお店に入ります。
メニューにアジフライは無いのですが、訊いてみると、日によって変わることはあるが「地魚フライ定食」にはほぼ毎日アジを使っているとのこと。ここの地魚はもちろんアジ、ということで筆者は「地魚フライ定食」(1200円)、Kさんは「港めし」(1800円)をオーダーします。
ほどなく料理が運ばれてきました。地魚フライは、アジの切り身を揚げたものが3枚と、小鉢に釜揚げしらすが付きます。ご飯の上に昆布の佃煮が乗っているのも嬉しい。
港めしの方はマグロ、はまち、アジなど4種類の刺身とアジフライが1枚、それに生しらすと釜揚げしらすが一緒に入った小鉢がセットです。刺身とフライは日によって変わることもあるそうです。色々味わうことができてちょっと羨ましかった筆者でした。
良い感じの色に揚がったアジフライをいただきます。サクサクの衣とかなり肉厚の柔らかくジューシーなアジ。一瞬、港めしに目移りした筆者ですが、地魚フライは大正解でした。それほど大きく見えなかったのですが、厚手でボリュームもあってお腹いっぱいになります。3月から12月がシーズンのしらすも美味しかったです。
お店を後にして、国道134号をくぐって平塚新港まで、Kさんの「DREAM50」と少しだけ一緒に走ります。DOHCの小排気量エンジンのエキゾーストノートは、静かなのにビンテージレーサーのような甲高い音がします。大柄なKさんが乗るとおもちゃのようですが、芸術的バイクでした。
次の立ち寄り先は、しらすの佃煮が絶品な船宿「浅八丸」です。現在は休業中ですが「SHALLOW BEE」という食堂が併設されています。漁港らしくアジフライなどの海鮮と美味しいハンバーガーが食べられる、日米ミックスなお店です。
店主の金子さんはカワサキ「ゼファー1100」やハーレーなどを所有するライダーです。コロナが落ち着いたらまた開ける予定だというので、金子さん自慢の絶品アジフライを食べに来たいと思います。
お土産に「しらすの佃煮」と「天日干ししらす」を購入して帰ります。本日の晩飯は、しらすを豪快にご飯に載っけた「しらす丼」に決定!
■あぶさん
所在地:神奈川県平塚市千石河岸30-15
営業時間:11時30分から15時、17時から20時(火曜定休)
※営業時間、定休日は変更となる場合があります
■釣船浅八丸
所在地:神奈川県平塚市千石河岸57-13
【了】
Writer: 増井貴光
旅をライフワークにバイク専門誌などで活躍するカメラマンでコラムニスト。国内だけでなく、アメリカでランドスピードレースやドラッグレースの撮影を続けている。著書としてユタ州ボンネビルで最高速に挑戦するライダーを撮影した写真集『bonneville』と、ルート66を実際に走って撮影した『movin’on』がある。また撮影だけでなく、イベント等の企画・運営にも携わるなどその活動は幅広い。愛車はハーレーFLTRXS、ホンダXR250とCT110