一体なにか知ってる? バイクでも義務化されたOBDとは
新型車には必ず付いているのがOBDと呼ばれる装備です。古いバイクには付いていないのですが、どういった機能を備えていて、どのようなメリットがあるのでしょうか。OBDの機能について解説します。
コンピュータ制御と密接に関係
現在、新型車には必ず付いているのがOBD。これは古いバイクには付いておらず、新型車にのみ搭載されています。
一体どういった機能を備えていて、どのようなメリットがあるのでしょうか。

OBDとは「オン・ボード・ダイアグノーシス」の頭文字を並べたもので、日本語にすると自己診断機能。
1970年代になるとクルマにはコンピュータの搭載が進み、さらに各部の故障データも取り込まれるようになっていきました。その故障データを取り出して、整備に役立てようというのがOBDの始まりです。
当初はメーター内に表示されていて、その後、専用の機器で車載コンピュータのデータを読み出す形に進化していきましたが、メーカーによって端子の形やデータのフォーマットが異なることから、それを統一するために、2000年前後にOBDIIへと規格変更されて、現在も使用されています。
バイクへの採用は遅れていましたが、現在は2020年12月以降に登場した新型車および、2022年11以降に生産された継続生産車への装備が義務化されています。
OBDIIの使い方とは?
現在のバイクは電子制御が主流のため、コンピュータが搭載されています。
そのすぐそばにOBDIIの接続端子があって、ここに専用機器を装着して記録されているエラーデータ、つまり故障や不具合の履歴を読み出すことが可能です。
また、機器の側から指令を出し、コンピュータ内に記録されたエラーデータを消去する事も可能。具体的なデータとしては、簡単な項目名やアルファベットや数字で表されるコードでエラーが表示され、それを調べることで、どういった不具合が出ているのかを知ることができます。
さらに、エラーデータ以外でも、水温や燃料噴射量、発電量などといったエンジン情報も見ることが可能。つまり車載の制御コンピュータの中身を簡単に取り出すことができるのが、OBDIIの特徴です。
OBDIIは実際の整備の現場でも活用されていて、音や振動といった体感を利用して不具合を探るだけでなく、まずは診断機をつなげるのが一般的。読み取られたコードを元に、トラブル原因を探るという流れになっています。

なお、クルマではOBD車検と呼ばれる新しいシステムの導入が決定されていて、対象となるのは2021年以降に販売された新型車。OBDIIによる点検についても同時に義務化されました。
肝心のOBD車検が行なわれるのは2024年10月からで、OBDIIをつなげての検査が加わる予定です。
OBD車検が導入される背景にあるのは安全装備の普及で、実際に作動するかは目視では分からない為、ODBIIによって不具合がないかを確認する流れになります。
では、バイクの場合はどうなるのでしょうか。
前述したように、バイクはOBDIIが義務化されたばかりなので、車検に採り入れられるのはまだまだ先になるでしょう。確認すべき安全装備もクルマに比べると少ないため、あまり急ぐ必要が無いのも事実です。
ただ、バイクへの義務化の背景には排気ガスの異常を検知するという目的もあるため、将来的にはバイクでもOBDIIを使った車検が導入される可能性はあるので、今後の動向に注目が集まります。