やっぱり便利! コンビニごはん! 滞在先のマレーシアとタイの陳列棚は?

2025年シーズンのMotoGPテストの取材でマレーシアとタイを訪れたとき、「コンビニごはん」にお世話になりました。棚に並んでいる商品は日本とは違うものの、それでもおにぎりなどが買えるのはありがたいものです。

常夏の国、マレーシアのコンビニにも「おでん」が!?

 わたし(筆者:伊藤英里)は2025年2月5日から14日にかけて、マレーシアとタイに滞在していました。MotoGPの開幕前公式テストを取材するためです。

おにぎりの品揃えが豊富。こんなにたくさん具材があるのに、知っているおにぎりがほぼ無い(笑)
おにぎりの品揃えが豊富。こんなにたくさん具材があるのに、知っているおにぎりがほぼ無い(笑)

 辛い食べ物が「大・大・大」の苦手であるわたしにとって、マレーシアとタイではいつも、食事事情に苦戦します。どのくらい苦手かというと、数年前にようやくお寿司をわさびと一緒に食べられるようになったくらいです(大人の階段を上りました)。

 ただ、マレーシアやタイでは便利なところもあります。コンビニエンスストアがあるのです。街中にはセブン-イレブンがありますし、空港内ではファミリーマートやローソンもありました。

 日本を離れて「無くて困ったもの」ランキング上位は、個人的には間違いなくコンビニです。24時間営業で、食料品と、ある程度の日用品が買えるのは、本当に助かります。とくにMotoGP取材でよく訪れるヨーロッパでは、スーパーマーケットが閉まる時間が早いのです(20時に閉まるのは当たり前)。

 取材を終えてサーキットを出るころには、もう食料品を買える店はどこも営業終了。またイギリスなどは、宗教上、法律上、習慣など様々な理由によって、日曜日の営業時間が短いこと多いです。

 深夜営業している店もありますが、安全上、深夜にそういうエリアに足を運ぶことは避けています。とにかく、海外で「いつでも開いていて、安全にごはんを購入できる」コンビニのありがたみをどれほど痛感したことか!

 というわけで、今回はマレーシアやタイのコンビニでおにぎりやエナジードリンクを買ってみました。

 マレーシアのクアラルンプール国際空港内のファミリーマートでは、おにぎりを購入しました。おいしそうな鮭のパッケージに惹かれて購入したおにぎり(5.9マレーシア・リンギット=約206円 ※1マレーシア・リンギット=35円換算)には、パッケージに「ONIGIRI おにぎり」と、アルファベットと日本語で書かれていました。

 おにぎりの具材は、日本とはかなり違います。梅干しや焼き鮭、こんぶなどはありません。ただ、ツナマヨは大抵のコンビニにありました。アジアにも通じる味のようです。

 このコンビニではレジカウンターで「おでん」も販売していて、前にいたお兄さんが熱心に様々な具を選んで買っていました。また、ヨーロッパではこの購入スタイルは珍しいらしく、ヨーロッパ人(国は不明)のカップルが、楽しそうに「おでんコーナー」の写真を撮っていました。

 それにしても、暑い国でおでんが売られているというのは、不思議に思えます。

 ちなみに、このファミリーマートで購入した鮭のおにぎりは、とっても辛かったです……。その辛さが、唐辛子ではなくわさびの辛さなのです。わさびの量が、とにかく尋常ではありません。鮭の存在を微塵も感じないほどなのです。冗談ではなく、辛さで涙が出ました。まさか、慣れているはずのおにぎりでこんな裏切りに遭うとは……。

「どういうことだ」とパッケージを見ると、そこには「Wasabi Shoyu Salmon(わさびしょうゆサーモン)」と書かれているではありませんか!(どうしてWasabiの文字をスルーしたのでしょう……)

 例え知っているコンビニであろうと、そこがマレーシアである以上、油断は禁物なのだと学びました。それにしても、わさび量が多過ぎじゃないか、と思うのですが……。

 マレーシアでは、コンビニでレッドブルなどエナジードリンクを買って飲んでいましたが、通常のブルーとシルバーのデザインのレッドブルと、ゴールドで太めの缶のレッドブルがありました。いわゆる世界展開されているブルー&シルバーのレッドブルは値段が高く、ゴールド&太めの缶のレッドブルのほうが安めでした。

 調べてみると、ゴールド&太めの缶はマレーシア版レッドブルのようです。タイでは日本の栄養ドリンクのように瓶で売られていました。ちなみに、味はどちらも甘ったるいです。すごく。

タイのセブン-イレブンと、アンダーボーンのバイク

 さて、続いてはタイのコンビニを紹介しましょう。今回利用したブリーラムのホテルから徒歩圏内にセブン-イレブンがあったので、夕方、ホテルから歩いて買い出しに行きました。

タイのセブン-イレブンの前には駐輪場があった。日本ではちょっと考えられない。ちなみに、各商品の値段は、日本円換算すると日本とあまり変わらない
タイのセブン-イレブンの前には駐輪場があった。日本ではちょっと考えられない。ちなみに、各商品の値段は、日本円換算すると日本とあまり変わらない

 ホテルはブリーラムの街中だったのですが、それでも周辺には野犬なのか飼い犬なのか、分からない犬がたくさんうろついていました。犬は大好きですし、彼らは穏やかに見えましたが、もし噛まれでもしたら……と思うと恐ろしくなります。そういう意味で、わたしはタイでは無暗に歩くことを控えています。

 セブン-イレブンはあまり広くない敷地で、駐車場はありませんでした。その代わりにバイクの駐輪場が店の前にしっかりと設けられていました。それだけバイクの数が多いのです。クルマも多いことは多いのですが、ほとんど路上駐車でした。

 余談ですが、タイでは右ハンドル、左側通行です。もちろんバイクも左車線を走りますが、当たり前のように逆走します。

 乗っている人たちは長袖長ズボンを着ていないなんて当たり前で、ヘルメットを被っていないことだって珍しくありません。お父さんがハンドルを握り、前に子供、後ろにお母さんが座って、いわゆる3人乗りをしている家族を見かけたのですが、見事にみんな、ノーヘルでした。

 そんな彼らが乗っているのは、アンダーボーンのバイクです。タイの人たちの足になっています。コンビニに停まっているのも、そういうバイクばかりでした。

 タイのセブン-イレブンは、かなり日本に近い印象です。おにぎり、電子レンジで温めて食べるパック商品、サラダなどが売られています。カップラーメンコーナーに辛いラーメンが多いのは、お国柄でしょう。

 食事関連も辛い商品が多いと思われます。あまり辛くなさそうな、焼きそばみたいなヌードルを買ってレンジで温めてもらってホテルで食べたところ、辛過ぎてまたしても涙が出そうになりました。「辛い……うう、辛い……」。一緒に買ったサラダが辛くなかったのは、幸いでした。

 このサラダも、海外に来るとなかなか食べられません。スーパーマーケットで購入しても、ホテルに冷蔵庫が無ければ保存できないからです。冷蔵庫があるホテルは、それなりの金額になります。取材の旅では野菜不足になることも、しばしばです。そういう意味でも、コンビニはありがたい存在だなあと思います。

 日本のコンビニだからなのか、または日本の製品に人気があるのかもしれませんが、一部の商品には日本語表記がされていました。

 そういえば、マレーシアのファミリーマートのおにぎりも、同じように日本語のひらがな表記がされていました。日本人のわたしとしては、異国の地で日本語を見られるのはうれしいものです。ただ、日本語がわかる人は多くないだろうし、日本語はアイコンのような形で使われているのでしょうか。

 日本を遠く離れた地でもまた、コンビニにお世話になったテスト取材だったのでした。

【画像】種類は豊富だがだいぶ違う。東南アジアのコンビニで陳列棚を物色(19枚)

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Writer: 伊藤英里

モータースポーツジャーナリスト、ライター。主に二輪関連記事やレース記事を雑誌やウエブ媒体に寄稿している。小柄・ビギナーライダーに寄り添った二輪インプレッション記事を手掛けるほか、MotoGP、電動バイクレースMotoE取材に足を運ぶ。

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