高市早苗首相を表敬訪問 オートバイ政治連盟・吉田会長 “25年超の親交”が実を結ぶ
オートバイ政治連盟の吉田純一会長が、関係者6人とともに高市早苗首相を官邸に表敬訪問しました。両者は25年来の親交があり、中堅議員時代の高市氏の助言をきっかけに、業界の議員連盟が誕生した経緯があります。
バイク好きが取り持つ「縁」
2026年8月31日夕方、オートバイ政治連盟の吉田純一会長が関係者6人とともに、高市早苗首相を官邸に表敬訪問しました。当初10分程度の面談は、吉田氏がバイクショップを経営し、高市首相も同じブランドのユーザーだったという共通点から話が弾み、5分ほど延長されました。
面談では、「具体的な要望を伝えたわけではない」と関係者は話します。
「総理就任後の生活ぶりをうかがったり、こちらからバイクにはもう乗らないのですかと尋ねたりなど、有意義な雑談でした」と振り返ります。
吉田氏と高市氏には25年を超える親交があります。もともと大阪府を拠点とする吉田氏と、奈良2区を選挙区とする高市氏は、同じ関西という地縁で結ばれていましたが、その関係をさらに強固にしたのは、中堅議員だった当時の高市氏の一言でした。
「要望を続けるだけでは変わらない。議員連盟を作って、国会議員に訴えるべきだ」
この助言が、現在の議員連盟設立につながっています。発足には、側車付ハーレーを愛車とする自民党重鎮の故・小里貞利氏が初代会長に就任しています。
現在、議員連盟は自民党のほか、日本維新の会、公明党にも広がり、業界を取り巻く環境改善の大きな原動力になっています。
また議員連盟とは別に、二輪車問題プロジェクトチームが自民党内に設置され、法令改正を含めた検討の場としても機能しています。
電話帳にも載らなかった業界
吉田氏は1984年、大阪府でバイクショップを会員とする事業協同組合を設立し、そこから全国組織「AJ」(全国オートバイ協同組合連合会)を初代会長としてまとめ上げました。

バイクの国内出荷・販売台数は、組合発足の2年前、1982年に約328万台を記録しましたが、社会的な認知はほとんどありませんでした。吉田氏は当時を次のように振り返ります。
「職業電話帳にも二輪車販売店がないんですよ。自転車と同じだったんですよ」
そんな軽い存在だったにもかかわらず、行政に訴える課題のほとんどは、バイク利用者のための環境整備でした。バイク環境を良くすることが、業界の地位向上につながると考えたからです。
高速道路での2人乗り禁止の解除、駐車場法におけるバイクの位置づけ整備、軽自動車税の増税幅緩和――当時の行政は、バイク業界に団体があることすら知らず、まず団体を知ってもらうことから始まりました。
四半世紀にわたる吉田氏と高市氏の親交は、今回の表敬訪問という形だけでなく、業界の環境整備を後押しする超党派の枠組みという「実」を結んでいます。
Writer: 中島みなみ
1963年生まれ。愛知県出身。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者を経て独立。行政からみた規制や交通問題を中心に執筆。著書に『実録 衝撃DVD!交通事故の瞬間―生死をわける“一瞬”』など。



