ヤマハ初の本格原付スクーター!! 好況感に乗って「ベルーガ」登場 フルカバードボディにステップスルー ビルトインの灯火類で高級感もアップ

ヤマハは「パッソル」(1977年)で婦人向け「ソフトバイク」を大ヒットさせ、次なるターゲットを成人男性として「BELUGA(ベルーガ)」(1981年)を市場に投下しました。ハイグレードな外観とその後の原付スクーターに続くメカニズムを搭載した、クラス初の本格スクーターでした。

Vベルト無段階自動変速でリッチ&ハイクオリティ

 1981年に発売されたヤマハ「BELUGA(ベルーガ)」は、その後の原付スクーターへ繋がる本格スクーターです。

 1980年代に入ると日本はオイルショックの不況から立ち直り、好景気とともに余暇時間を楽しむライフスタイルが到来します。この時期に「パッソル」(1977年)を中心としたヤマハのソフトバイクシリーズは売れに売れていました。

 そして1981年の国内販売年間100万台体制を目指すヤマハの次なる戦略が、成人男性向けの本格スクーター「ベルーガ」でした。

 排気量49ccのエンジンは空冷2ストローク単気筒で最高出力は3.8PSを発揮し、現代の電子制御CVTへと繋がるVベルト無段階自動変速機構をヤマハの量産スクーターとして初めて採用しています。

 セルスターターや乗り心地の良いボトムリンク式フロントサスペンションも魅力ですが、「ベルーガ」の特長は本格的なスクータースタイルです。

1981年に発売されたヤマハ「BELUGA(ベルーガ)」は、男性向けの本格スクーターとして開発された
1981年に発売されたヤマハ「BELUGA(ベルーガ)」は、男性向けの本格スクーターとして開発された

「パッソル」などのソフトバイクはより手軽に、あるいはバイク経験がない人たちにも乗れる様に軽量スリムでシート高も低く設定されていました。

「ベルーガ」の全長は「パッソル」よりも23cmも大きく、男性が乗ってもゆとりあるライディングポジションでセミダブル(80ccモデルはダブルシート)と呼ばれた厚手の大型シートを採用しています。

 デザイン的には機械部分の露出をなくしたフルカバー外装です。ゆったりしたステップスルーエリアと直線的なシルエットは、ビジネススーツにもマッチする洗練された清潔感があります。

 また大ぶりのレッグシールドは、前後2枚のパネルで構成することで高級感のある仕上がりです。2人乗りも可能な80ccモデルもラインナップしました。

燃料計が配置されたスピードメーターと、マルチタイプのハンドルスイッチ。始動時と走行時でキーを回す位置を分けた安全装置も装備
燃料計が配置されたスピードメーターと、マルチタイプのハンドルスイッチ。始動時と走行時でキーを回す位置を分けた安全装置も装備

 ヤマハのスクーターシリーズの最高級モデルは「ベルーガ」でしたが、1982年年3月にはさらにグレードアップした「ベルーガD」が登場します。

「ベルーガ」は積極的なセールスキャンペーンもあって、その後の原付スクーターブームに繋がる先駆車となりました。

 ヤマハ「ベルーガ」(1981年型)の当時の販売価格は14万6000円です

■ヤマハ「BELUGA」(1981年型)主要諸元
エンジン形式:空冷2ストローク単気筒
総排気量:49cc
最高出力:3.8ps/6000rpm
最大トルク:0.57kgf・m/9500rpm
全長×全幅×全高:1745×670×1015mm
シート高:750mm
始動方式:セルフ・キック併用
燃料タンク容量:4.7L
車両重量:75kg
フレーム形式:ダブルクレードル
タイヤサイズ(前後):3.00-10-2PR

【取材協力】
ヤマハ・コミュニケーションプラザ(静岡県磐田市/ヤマハ発動機本社隣接)
※本記事中の写真は許可を得て撮影しています

【画像】スクーターの原型はココから!? 高級感溢れるヤマハ「BELUGA」(1981年型)を画像で見る(13枚)

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Writer: 柴田直行

カメラマン。80年代のブームに乗じてバイク雑誌業界へ。前半の20年はモトクロス専門誌「ダートクール」を立ち上げアメリカでレースを撮影。後半の20年は多数のバイクメディアでインプレからツーリング、カスタムまでバイクライフ全般を撮影。休日は愛車のホンダ「GB350」でのんびりライディングを楽しむ。日本レース写真家協会会員

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