「ちょっと足りなかったですね」世界最高峰で注目集める小椋藍選手 母国グランプリ決勝レース6位 MotoGP第16戦日本GPの模様は
2026年シーズンのMotoGP第16戦日本GPが、10月2日から4日にかけて栃木県のモビリティリゾートもてぎで行われました。MotoGPクラスにフル参戦する唯一の日本人ライダー、小椋藍選手(アプリリア)は、スプリントレースを5位、決勝レースを6位でゴールしています。
11番手スタートから決勝6位なるも肩を落とす
小椋藍選手(アプリリア)にとって、日本GPはシーズンに1度の母国グランプリです。MotoGPライダーとしては2度目の日本GPですが、2025年は日本GP前に負った怪我によって日曜日の決勝レースを欠場したため、決勝レースの出走という意味では、今回が初めてとなります。
そんな日本GPですが、金曜日のプラクティスで、小椋選手は15番手に終わりました。
「プラクティス」は、ひとつのポイントとなるセッションです。このセッションでトップ10に入ることができれば、土曜日の「Q2」への進出が決まります。プラクティスで11番手以下になると「Q1」からの予選となり、Q2に進出するためにQ1でトップ2に入らなければなりません。
Q2はプラクティスのトップ10とQ1のトップ2の12名のライダーが争う予選です。ですから、どのライダーもプラクティスでトップ10に入ることを目指します。
小椋選手はプラクティス15番手で、土曜日の予選にQ1から臨みました。Q1ではトップタイムを記録し、順調にQ2に進出を果たします。しかし、Q2はいつものような予選とはいきませんでした。
土曜日の午前中に行われたフリープラクティス2(FP2)で、小椋選手は転倒を喫し、このために予選を1台のマシンで走らなければならなくなったのです。
15分間で争われる予選は、通常2回に分けて走ります。前半はユーズドタイヤ(すでに走行したタイヤ)でコースインし、その後、ピットインを行って新品のタイヤに交換します。そして再びコースインし、多くの場合はここからがタイムを出すためのアタックに入る時間帯です。
前述のように、今回はFP2の転倒によって予選のときに走れるマシンが1台でした。このため、最初はピットで待機し、残り時間が9分を切ってアタックに入るという戦略をとったのです。
「ユーズドタイヤでの1回目のアタックで転んでもバカバカしいので、アタックを1回にすることにしました。今日に関しては、(午前中に転倒して)自分で悪くしちゃいましたね」
小椋選手は予選で11番手となりました。土曜日に12周で行われるスプリントレース、日曜日に24周で行われる決勝レースを、4列目からスタートすることになったのです。今のMotoGPは前のライダーを抜くことが難しく、11番手は厳しいポジションと言えました。
土曜日の午後に行われたスプリントレースでは、1周目の3コーナーで前のライダーが転倒したこともあり、5位でゴールしています。

迎えた日曜日の決勝レースは、ハイペースで進みました。トップから4番手を走るライダーのペースは速く、終盤までそのペースが落ちることはありませんでした。
小椋選手の強みはレース後半です。レースが後半に入ると、タイヤが垂れてどのライダーもラップタイムが落ち始めます。小椋選手はレース序盤からタイヤをマネジメントすることで、ラップタイムの落ち幅を抑え、後半に追い上げることができるのです。
ただ、今回に関してはハイペースと落ちないラップタイムによって、小椋選手の強みを生かしきれなかった、と言えます。
小椋選手はチームメイトのラウル・フェルナンデス(アプリリア)、そしてペドロ・アコスタ(KTM)とともに三つどもえの5番手争いを展開し、6位でチェッカーを受けました。
「昨日のスプリントから少しだけ(スピードを)上げられたかな、というところで決勝レースに挑みましたが、やっぱりちょっと足りなかったですね」
「ダメなリザルトで終わった時は、(ファンが)アクションを起こしてくれればくれるほど、くるものがある」と、小椋選手はレース後の囲み取材で語りました。
この日本GPには、週末で12万1997人、日曜日だけでも5万4717人がもてぎに集まりました。
小椋選手本人はその結果に肩を落としていましたが、コース上のパフォーマンスは、ファンを夢中にさせたはずです。
Writer: 伊藤英里
モータースポーツジャーナリスト、ライター。主に二輪関連記事やレース記事を雑誌やウエブ媒体に寄稿している。小柄・ビギナーライダーに寄り添った二輪インプレッション記事を手掛けるほか、MotoGP、電動バイクレースMotoE取材に足を運ぶ。





