特殊な構造のスーパーカブC100「スライド式スロットル」をメンテナンス 同い年のバイク=スーパーカブと生きるバイクライフ Vol.2

上下分割のスロットルホルダーを締め付ける2本のボルトを取り外します。スロットルワイヤーを抜こうと思いましたが、その前にやらなくてはいけないことがありそうです。シンプルな構造ですが、作動性を良くするにはコツか必要なようです
ハンドルの固定は下向きに締め付けられているナット2個のみ。ナットを取り外してハンドルを外そうと持ち上げても、スピードメーターケーブルが突っ張ってハンドルを持ち上げられません。先細のプライヤーでワイヤー固定ナットを緩めましたが……
スライダー部分を取り外してグリスを確認しましたが、やっぱり接着剤のように固着していました。こんな状態のグリスでも防錆効果はあるようで、各パーツにサビが発生することは無かったです
メーターケーブルが接続されていると作業性が悪いので、ブレーキパネル側でケーブルを取り外してから上へ持ち上げて、ハンドルを取り外しました。普段分解しない部分を分解したときには、周辺の汚れをしっかり除去しましょう
スロットルケーブルはステアリングヘッドパイプのガイドを通り、フロントカバーの内側を通過してハンドルポスト部からハンドル内を通過する取り回しとなっている。取り外したらワイヤーケーブル内をメンテナンスしましょう
スロットルケーブルは新しい部品に限りますが、このケーブルはすでに弾力性が失われつつありました。特に、キャブ側のアウターは、エンジン熱で完全に劣化し変色するほどでした。ここでは、インジェクターツールを使って、作動性向上を求めてみましょう
各種ワイヤーケーブルに注油するときには、いきなりオイルを流し込むのではなく、まずは、パーツクリーナーでインナーケーブルとアウターケーブルのあいだに詰まっている汚れを洗い流すと良い結果を得られます
パーツクリーナーをインジェクターツールにセットしてブシューッと吹き付けました。ジョジョッといった音とともにゴミが流れ出て、次に真っ黒に汚れたパーツクリーナー液がケーブル反対側から吹き出してきました
クリーナー液の色が薄くなり、最後は完全なクリアに変わりました。これで内部洗浄完了です。次は、エアーガンの先端にゴムピースを取り付けて、インジェクターツールの穴に向けて圧縮エアーを吹き付けます。これで内部はクリーンになります。
エアーブロー後は、オイルスプレーを吹き付けて、潤滑性を向上させましょう。硬いグリスよりも流動性のあるオイルの方が良いと思います。スーパーゾイルスプレーを吹き付けて潤滑性を高めました。信頼できるオイルケミカルです
上下分割式でレバーホルダーと一体になったハンドルスイッチは、外周が油汚れで真っ黒でした。何らかのオイルを敢えて塗っていたのでしょうか? こんな部分がこのように汚れるとは、特別な環境で使っていたバイクなのか!? 汚れは落とします
スライドスロットル開閉部分の作動確認を行いつつ復元しますが、その前にパーツクリーナーで固着したネチョネチョのグリスを洗い流しました。しかし、パーツクリーナーだけではなかなか溶け落ちません……。こんなときには!!
パーツクリーナーで溶けない汚れは「灯油」を吹きつけブラシで擦って溶かしながら洗うのが良いです。ハンドル側の金属地肌が出たので、不織布シートを使って外周全体を磨いて、スロットルパイプがスムーズに作動するか確認します。
不織布シートで磨いた後に鋳物部品のスライダーをセットします。溝に対して部分的に引っかかりを感じる箇所がありました。この引っ掛かりが、スロットル操作に影響していたのではないかと思われます。
スムーズな動きを追求する大切な部分です。溝の内側を不織布シートで磨き込みました。サビやバリが出てギザギザなら、平ヤスリで軽く慣らすべきところですが、削り過ぎてガタガタになるとスムーズさに欠けてしまうので要注意です。
金属製パイプの内側には、鋳物スライダー部品の凹溝に対して、スパイラル状の凸突起があります。この凸凹が噛み合うことで、スロットルの開閉が可能になる構造です。組み合わせを確認しながら組み立て進行しましょう。
インナーケーブルが切れやすい箇所はタイコの近所なので、その付近の潤滑性は高めるようにグリスアップしましょう。スライダー側面はハンドル側溝と直接摺動するのでグリスを適量塗布します。塗りすぎはゴミを寄せる原因にもなります
ハンドルの溝にスライダーを近づけてスロットルケーブルのタイコをセットします。その後、ハンドル溝にスライダーを組み合わせます。スライダーの上面にある凹溝にも適量のグリスを塗布しましょう。
スロットルパイプを取り付ける前には、パイプ内側を懐中電灯を照らして覗き込み、凸状スパイラルにバリや極端な擦れが無いか確認してみましょう。パイプの歪みや潰れも、作動不良の原因になるので要注意です
すべてを復元した後に作動確認してみます。スロットルの操作感は、以前と比べてかなり軽くなり、節度も出ました。しかし、フリクションロス(摺動抵抗)が大きく、キャブ側スプリングの強さだけでは、スロットルが軽く戻らない結果となりました
偶然に購入した最初のC100をメンテナンスしていると、分解した部品のあちこちに「製造年月」らしきスタンプや打刻が記されていることに気が付きました。これは間違いなく昭和39年の10月に生産された部品だと思われます
製造年式などまったく考えずに購入しましたが、分解メンテナンスしていくうちに「あれっ!?」なんて思うようになりました。エンジンパーツは裏側にハンコが押されていることが多いようです。このC100は、最初に購入した1964年、昭和39年型です
スライドスロットルを構成する各小物パーツを分解点検しました。グリスアップされていますが、このグリスが固着すると逆に接着剤のようにネチョネチョと粘ります。そうなると滑りを悪くしてしまうので、ここは分解洗浄します
ダウンドラフト仕様のキャブレターは当時の京浜気化器製でした。スロットルバルブが真横からねじ込まれていたので、キャップを緩めて取り外します。スロットルバルブ外周の磨耗が激しく、できれば新品部品へ交換したいところです

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