北米輸出専用のホンダ「スーパーカブ」の兄弟車!! 当時の思い出が蘇るポリバケツ色の「パスポート」が太平洋を渡ってきた

フレーム正面のエンブレムやレッグシールドエンブレムにもこだわりがありました。現代のモデルのようにデカール添付だけではなく、フロントキャリヤや通勤通学カバンを収めるカゴも標準装備されていました(カゴは外されてます)
国内モデルの原付1種2種にキルスイッチの装備例はありません。アメリカ(北米)仕様には、独特の決まりごとがあり、キルスイッチが標準装備されています。四角い形状のウインカーにはステーがあり、ハンドルに直付けされていないのも特徴です
国内スーパーカブだとC70K1のII型と似たダブルシートを装備するパスポート。ボディカラーのブルーとレッドが、黒×アイボリーの2トーンシートを装備。初期型のイエローボディー車にのみ、ブラウン×アイボリーの2トーンシートが採用されました
ダブルシートに組み合わされるツーリングキャリヤは、曲げ鋼材を溶接後にクロームメッキで仕上げられた部品です。ダブルシートのヒンジが前方にあるため、シートロックのキャッチをキャリヤの一部が兼ねた作りになっています。シートロゴはシルバーでした
大型サイズのテールランプはCT110と同じデザインを採用してます。左右に大きく飛び出した角型ウインカーも、パスポートシリーズならではの装備です。微妙なデザイン変更によって、初代と2型の角型ウインカーレンズは別デザインを採用しています
「かもめハンドル」と呼ばれたシリーズデザイン最後のモデルとなったのが、パスポートシリーズです。その最終型は1983年でしたが、この頃の国内モデルはすべてフラットハンドル仕様で、6ボルトスーパーカブの最終期の一歩手前くらいでした
同じアメリカでも湿気が少ない地域で活躍していた個体だと思われます。シートボトムのペイント剥がれ部分に薄っすらサビがありましたが、鉄板自体にサビ腐れは無く、フレームの下回りも含めて目立ったサビ腐りはありませんでした
中古車を購入したときには、最初にガソリンタンク内を確認点検しています。残留ガソリンの有無や腐っていないか、タンク内がサビていないか、ガソリン劣化でワニスやタール状態になっていないかを確認しています。特に目立った懸念点はありませんでした
6V11A相当の、比較的大型の6ボルトバッテリーを搭載しています。このサイズのバッテリーは、現在入手が難しいので、C70K1Mを所有する方々は12ボルト化するそうです。太いボディアースケーブルは、セルスターター対応の装備になります
1980年代初頭に生産されたバイクなので、当時を思い出すデザイン(ホークIIやホークIII)のハンドルグリップが採用されています。バッテリーを簡易的に充電したら、セルモーターは回り始めましたが、力感がありません。電装回路が生きていることは確認できました
ホーンの響きや左右フラッシャーの作動状況を確認しました。これらはバッテリー電源なので確認できますが、常時オンのヘッドライトとテールランプとメーター照明は、エンジン始動後の直流管理なので、この段階では確認することができません
スパークプラグを取り外したときに気が付きました。エンジン腰上のシリンダーとシリンダーヘッド、キャブレターとマニホールドが社外品、おそらく中華系部品だと思われます。これは残念でした。スパークプラグは元気良く着火しました
ブローバイガス還元装置が付いた1980年代初頭のスーパーカブシリーズと言えば、おそらく北米仕様のパスポートくらいではないかと思われます。ご覧の通りエンジン腰上系パーツはすべて社外部品へ組み換えられていました。ノーマルファンにとっては残念です
ガソリンタンク内部のコンディション(残留ガソリンによる汚れやサビ)を確認したら、燃料ホースの接続を今一度確認します。フレッシュなガソリンを2リットル程度注入して、エンジン始動を試みようと思います。果たして、難儀なく始動できれば良いですが……
フレッシュなガソリンを流し込んだら、キャブのフロートチャンバードレンを緩めてタンク内のガソリンをキャブレター経由でトレイに排出します。こうすることで、燃料通路内やキャブ本体内の汚れを洗い流します。オーバーフロー発生時にも効果があります
オイルフィラーキャップで確認すると、ある程度汚れてはいるものの、エンジンオイルは注入されていました。そこでエンジン始動を試みると、スターターチョークを引いてキックアームを5~6発、力強く踏み込むと、トトトトトッとエンジン始動できました
アイドリングをやや高くしてパイロット調整すると、エンジンはスムーズにアイドリングするようになりました。そこでエンジン停止し、バッテリー端子電圧をテスターで測定すると、6.11ボルトでした。あとは充電状況の確認を行います
再度エンジン始動後してからエンジン回転を高めて維持し、バッテリー端子電圧を測定すると6.39ボルトでした。この状態なら最低でも7.2~7.3ボルトは欲しいので、充電系が弱っていると考えられます。弱ったバッテリーなら7.2~7.5ボルトは出ると思います
エンジンの始動確認ができましたので、再度オイルフィラーレベルを確認しました。始動前はほぼ上限近くでしたが、久しぶりの始動でエンジンオイルが回り、オイルレベルはディップスティックの中央あたりで落ち着きました。これからオイル交換します
海を渡って来たエンジンオイルを抜き取ります。数分間ではありますが、エンジン始動していたのでオイルは生温かく、完全冷間よりはスムーズに抜き取ることができたと思います。エンジンオイルが新しくなるのは、気持ち良いことです
キャブレター時代の旧横型ホンダ4ミニエンジンの場合は、オイル交換容量がおおむね0,7リッターくらいになります。5%の添加でエンジン内フリクションロスを低減できる高性能添加剤、スーパーゾイル・エコを5%混ぜて、エンジンオイルを注入しました
国内スーパーカブ「デラックスシリーズ」の特徴でもある、かもめハンドル時代が終焉を迎えた1979年に発表。1980年モデルとして初期型パスポートが発売されました。単純にダブルシート+ツーリングキャリヤ付きだけではなく細部仕様も異なっていました
1981年モデルの2型パスポートの特徴でもあるタンクサイドのデカールエンブレム。各年式でこのデカールデザインが異なっていました。初代モデルだけは「HONDA C70」でしたが、実は、ペットネームの「パスポート」が決定したのは発売直前だったそうです
パスポートC70と同タイミングで、アメリカのオフロードユーザーから購入し、逆輸入したホンダモトスポーツSL70K0の1971年モデル。アメリカではピットバイクや子供向けモデルとして販売された実績があります。現在の目でみても、新鮮なデザインですね!!

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