アンチ派も一見されたし! スタイリッシュで超弩級モンスターの最新ハーレーFXDR114

ワイルドさに磨きをかけ、独自の世界観はそのまま!

 では、映画「イージー・ライダー」(1969年公開 アメリカ)や「ターミネーター2」(1991年公開 アメリカ)で見たような荒々しさは、もう残っていないのでしょうか。いいえ、とんでもない荒くれ者です。

1960 FLH CAPTAIN AMERICA OHV V-TWIN

 まずその心臓部、エンジンはダウンサウンジングが叫ばれるこの時代に、なんと1868ccという超弩級の排気量を持ち、シリンダーをV字型にレイアウトするVツイン=V型2気筒にこだわります。

 しかも冷却方式を走行風だけに頼る空冷式とし、水冷エンジンが当たり前のこの時代に、空冷エンジン特有の冷却フィン(大気に当たる面積を稼ぐためにヒダ状にしている)がシリンダーにびっしり刻まれ、その造形美にうっとりせずにはいられません。

 Vツインエンジンは1909年からハーレーが作りつづける伝統のエンジンですが、中身(バルブ機構)もオーソドックスです。今ではほとんどのメーカーが作るのを辞めてしまったOHV(オーバーヘッドバルブ)を採用し、出力特性に大きく影響するボア・ストローク比も高回転が見込めるショートストローク(ボアの方が大きい)ではなく、低回転でビッグトルクを発生するのが得意なロングストローク設計(ストロークの方が長い)にこだわりつづけています。

 ではモーターサイクルとしての性能は低いのでしょうか。それも誤解で、レーシングバイクのような高回転ハイパワーではありませんが、ゆったりとクルージングできるよう低い速度、低い回転域から図太いトルクを発揮し、それが加速性能や実用速度域での力強い走りに直結します。サーキットのような競技を前提にした場所ではなく、街乗りやツーリングで楽しいと感じられる乗り味なのです。

1868ccV型2気筒(Milwaukee-Eight 114)

 決して古くさい乗り味に執着しているのではなく、アメリカの広い大陸の道を走るのに最適で、その持ち味が世界中のライダーに認められ、熱烈なほどのファンも生み出している理由なのでしょう。

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