気軽にバイクで湘南散歩 旅行先の気分を高める「HondaGo BIKE STAND」とは?
ホンダは、若年層や未知のユーザーへ向けた、バイクの魅力に触れる機会を提供するサービス「HondaGo BIKE STAND(ホンダ・ゴー・バイク・スタンド)」を展開しています。いったいどのようなサービスなのでしょうか?
旅行先で原付に乗ることが出来たら……というシチュエーション
ホンダが展開する「HondaGo BIKE STAND(ホンダ・ゴー・バイク・スタンド)」は、“旅先でのバイク体験を軸にした二輪市場活性化プロジェクト「HondaGO(ホンダ・ゴー)」”の取り組みの一環として開始された、無料バイクレンタルサービスです。

現在(2019年9月10日時点)このサービスを利用できる施設は、「天神浜オートキャンプ場(福島県耶麻郡)」、「ホテル アンテルーム 京都(京都府京都市)」、「材木座テラス(神奈川県鎌倉市)」の3拠点です。
なぜこのようなサービスを開始したのでしょうか? ホンダ広報担当者へ話をうかがいました。
──「HondaGO BIKE STAND」を展開することになったきっかけや、なぜこの場所なのか? 選んだ理由などを教えてください。
バイクとはどのようなものか? 見ることも触れる機会も少ない若者が増えているなかで、もっと若者に見てもらえて「いいなぁ」「乗ってみたいなぁ」「乗ってみよう!」という流れを提供できるものとして企画されました。
ひと昔前であれば、先輩や近所のおじさんなど日常的に、身の周りになんとなくバイクの存在がありましたが、いまはそうではありません。
そのような状況で、今回で言うと3つの施設にバイクを置かせていただき、貸し出しできるようにしました。

まず「天神浜オートキャンプ場」を選んだ理由としては、ずっとキャンプ熱が若年層やファミリー層を中心に続いているので、接点を持ちやすいのではないかと。それにこの場所では、野外ライブ的なものからミーティング系など幅広いイベントを行なっているので、もっといろんな人に見て触れてもらえるのではないかと考えました。
「ホテル アンテルーム 京都」で言いますと、京都へちょっと旅に行ったときに、ホテルから徒歩なら30分でも原付なら5分で行けるような名所があるなど、旅先で行動するなかで、バイクを見て借りられるような場所に設置しています。
そして「材木座テラス」ですが、まず、そもそもバイクに乗って気持ちが良いということを、乗ったことがない人にわかりやすく伝えようとしたときに“海辺でバイクに乗る”というのはいかにも気持ち良さそうで、イメージしやすいと思います。

ここ鎌倉の材木座テラスは、みんなが思い描く江の島へも行ける距離ですし、一方で逆方面の葉山というエリアは、そんなに道が広いわけでもなく、駐車場もあるようで無い。ちょっとカフェに寄ろうと思っても、クルマだと気軽に停められる道幅もなく、少し不便なんですね。
森戸海岸へもここから15分くらいで行ける距離感ですが、そこへバイクに乗って行って、気持ち良さを感じて、パッと停められる。ここはクルマじゃなくてバイク(原付)のほうが良いかも、と思ってもらえるシチュエーションが揃っているのです。
そういった実体験ベースで、その人のライフスタイルや生活に合うようであれば、「もうちょっと乗ってみたい」「買ってみたい」「125ccにしようかな」といった話に発展していくと思います。材木座テラスはそういうロケーションが理由で選ばせていただき、置かせていただいています。
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バイクの貸出は無料ですが、当然運転免許(原付、原付二種)を持っていること、20歳以上であることが条件となっています。ほか、施設によって若干条件が異なるので、詳細は各施設へ事前に確認しておくと良いでしょう。
また、ヘルメットなど身にまとうものも用意されており、身体ひとつで行けば乗ることができる、電車で行っても現地でバイクに乗ることができる状態が用意されています。
確かに! ここはクルマじゃなくてバイクでしょ!
JR鎌倉駅から徒歩15分の場所に位置する材木座テラスから、実際に江の島方面へ海岸線(国道134)を走ってみます。

お借りしたのはホンダ「モンキー125」です。シフトチェンジにはクラッチ操作が必要なので、マニュアル操作が不安な人は50ccのスクーター「ジョルノ」がいいかもしれません。ほかにもアウトドアテイストあふれる「クロスカブ50」もありますが、こちらはクラッチ操作が不要でもシフトチェンジが必要なので、慣れない人は注意です。
鎌倉から江の島方面への海岸線は、片側一車線ですが道幅も広く、平日ということもあって交通量はそれほど多くはありません。海水浴シーズンを終えた由比ガ浜海水浴場を左に海の風を感じてのんびり走るのは、確かにバイクの気持ち良さをイメージしやすいシーンです。

数キロ移動しただけで、日本の映画やドラマ、歌謡曲でもおなじみの江の島が少し遠くに見えてきます。そこまで足を延ばすことも可能ですし、途中の稲村ケ崎や七里ガ浜界隈でバイクを降り、カフェやレストランで湘南旅を満喫するのも良いでしょう。
かつてバイクブームと呼ばれた時代、湘南は昼夜を問わずたくさんのバイクが集まり、走っていたエリアです。モンキー125に乗って強い日差しのもとのんびり走っていると、そんなイメージは払拭されていきます(そもそも若者にはないイメージですが)。
確かにここは、バイクの良い部分を感じることができる場所です。

鎌倉をはじめ、湘南エリアは歴史を感じることができる場所がたくさんあります。それは名所や史跡にかぎらず、何気ない裏路地や、明治時代から続く現役の路面電車、江ノ島電鉄(江ノ電)などもそうです。
そんな湘南エリアを訪れ、その土地を楽しもうと思ったら、徒歩では行動範囲に限界がありますし、クルマでは行く場所が限られます。旅の醍醐味として人との出会いや発見があるとすれば、バイクを利用することで旅気分は一気に高まることでしょう。

バイクの機動力を活かしてあえて細い道へ進んでみます。さすが鎌倉、見通しの利かない生活道路が網の目のように走っています。気軽に、しかも無料でバイクを借りることができるので、旅先で思いがけない冒険気分を味わう結果となりました。

広い意味で若者の行動導線に「HondaGO BIKE STAND」を設置したホンダは、今後も旅先でのバイク体験を拡大していく予定ですが、現在は利用者の反応を見て次のステップへの手掛かりとする段階とのこと。
また「HondaGO BIKE STAND」につづき、アウトドアイベント、野外フェスでバイク試乗体験ができる「HondaGO BIKE CHALLENGE(ホンダ・ゴー・バイク・チャレンジ)」という企画も実施されます。追加情報はウェブ「HondaGO」特設ページやインスタグラムで発信されるとのこと。
ホンダではいかに若年層を取り込むかを課題とし、乗ってもらうことが1番重要だと考え、バイク体験の機会を設けて乗ることの敷居を下げることに力を注いでいます。
こういったチャレンジ施策の展開が、今後いかにして実を結ぶのか、期待したいところです。
【了】