世界最速の男たちはどんな装備で戦っているのか? WorldSBKのライダーも調べてみた!
WorldSBKの2020年シーズン参戦ライダーは13チーム、合計19名。各ライダーのヘルメット、レーシングスーツのメーカー別装着率を調べてみた。
WorldSBKのライダーの装備を調べてみた!
前回MotoGPライダーの装備を調べてみましたが、好評につき、WorldSBKのライダーも知りたい!とのリクエストをいただきましたので、コツコツと調べてみました。
完全なるレース専用車で戦うMotoGPと、市販車をベースにしたマシンで戦うWorldSBKでは違いがでてくるのか、なかなか興味深いところでもありましたが、WorldSBKの2020年シーズンの参戦ライダーは13チーム、合計19名。スペイン&イタリア人ライダーが多いMotoGPに比べて、イギリス人が多いWorldSBK(なんと19人中7人!)では、なかなかバラエティに富んだ結果となりました!
まずはヘルメットから。一番人気はAraiの5人。WorldSBKでは安定のAraiです。次いでSHOEIとSHARKが3人、X-liteが2人、他がひとりずつと、さまざまなメーカーのヘルメットがラインナップされる結果となりました。
チリ人ライダーのマキシミリアン・シャイブのヘルメットには、IMPOVARと明記されていますが、IMPOVARを調べてみると、チリのメーカーでヘルメットは特に制作していない様子……、ヘルメットのシルエットをよく見ると、SHARKのフォルムによく似ているので、もしかしたらSHARKかもしれません。そうなってくるとSHARKユーザーが4人となり、MotoGPと同じくWorldSBKでもSHARKユーザーが増えているということが言えそうですね。最近のSHARKの勢いが凄いです!(日本ではSHARKの正規代理店がないと書きましたが、現在、ワイズギアで本格的に取り扱いが始まっています。ヤマハライダー以外のラインナップも揃っています!)あの後頭部のスポイラーの形がかっこいいですよね。近未来的というか一歩進化した新しいフォルムにドキっとさせられませんでしたか?
世界最速の男たちが選ぶということは、使用感も良好なのでしょう。ついでに補足しておくと、KYTはSUOMYと協力関係を結び、開発やデザインはイタリアで行われているのです。なので、形が似ていたりするのですよ。そして!なんとMotoGPでは一番人気だったAGVユーザーがひとりもいないという結果となりました……。
■ユーザーの詳細はこちら!
<Arai>5人
ジョナサン・レイ(Kawasaki Racing Team WorldSBK)
マイケル・ファン・デル・マーク(PATA YAMAHA WORLDSBK OFFICIAL TEAM)
レオン・ハスラム(Team HRC)
高橋巧(MIE RACING ALTHEA HONDA TEAM)
マイケル・ルーベン・リナルディ(TEAM GOELEVEN)
<SHOEI>3人
トプラック・ラズガットリオグル(PATA YAMAHA WORLDSBK OFFICIAL TEAM)
ユージン・ラバティ(BMW Motorrad WorldSBK Team)
サンドロ・コルテセ(OUTDO KAWASAKI TPR)
<SHARK>3人
アレックス・ロウズ(Kawasaki Racing Team WorldSBK)
スコット・レディング(ARUBA.IT Racing Ducati)
トム・サイクス(BMW Motorrad WorldSBK Team)
<X-lite>2人
チャズ・デイビス(ARUBA.IT Racing Ducati)
フェデリコ・カリカスロ(GRT YAMAHA WORLDSBK JUNIOR TEAM)
<IMPOVAR>
マキシミリアン・シャイブ(ORELAC RACING VERDNATURA)
<SCORPION>
アルバロ・バウティスタ(Team HRC)
<Airoh>
レオン・キャミア(BARNI RACING TEAM)
<HJC>
ギャレット・ガーロフ(GRT YAMAHA WORLDSBK JUNIOR TEAM)
<KTY>
チャビ・フォレズ(KAWASAKI PUCCETTI RACING)
<LS2>
ロリス・バズ(TEN KATE RACING YAMAHA)
最も装着率の多いレーシングスーツはMotoGPと同じ
次にレースングスーツ。WorldSBKでも一番人気は19人中8人が使用していたアルパインスターズ。MotoGPでも一番人気でしたが、こちらも全体の42%を占めるという圧倒的なシェア率。それだけモータースポーツに力を入れているということが見えますね。
次いでダイネーゼが4人で21%、WorldSBKでもこの2メーカーだけで全体の約6割を占めるという結果となりました。次いでスピーディが2人という結果になりました。
アルパインスターズ、ダイネーゼ、スピーディはイタリア、その他は、唯一日本人参戦ライダーの高橋巧選手のHYOD、アレックス・ロウズのRSKはイギリス、バウティスタのREV’ITはオランダ、他ixsはスイス、DANROWはスペインと、国際色豊かなラインナップとなり、なかなかバラエティに富んでいて見ていても楽しいです!
■ユーザーの詳細はこちら
<Alpinestars>8人
ジョナサン・レイ(Kawasaki Racing Team WorldSBK)
チャズ・デイビス(ARUBA.IT Racing Ducati)
マイケル・ファン・デル・マーク(PATA YAMAHA WORLDSBK OFFICIAL TEAM)
ユージン・ラバティ(BMW Motorrad WorldSBK Team)
マイケル・ルーベン・リナルディ(TEAM GOELEVEN)
ギャレット・ガーロフ(GRT YAMAHA WORLDSBK JUNIOR TEAM)
ロリス・バズ(TEN KATE RACING YAMAHA)
チャビ・フォレズ(KAWASAKI PUCCETTI RACING)
<DAINESE>4人
トプラック・ラズガットリオグル(PATA YAMAHA WORLDSBK OFFICIAL TEAM)
レオン・ハスラム(Team HRC)
トム・サイクス(BMW Motorrad WorldSBK Team)
サンドロ・コルテセ(OUTDO KAWASAKI TPR)
<SPIDI>2人
スコット・レディング(ARUBA.IT Racing Ducati)ブーツはXPD
レオン・キャミア(BARNI RACING TEAM)ブーツはSIDI
<RST>
アレックス・ロウズ(Kawasaki Racing Team WorldSBK)ブーツはTCX
<REV’IT>
アルバロ・バウティスタ(Team HRC)ブーツはSIDI
<HYOD>
高橋巧(MIE RACING ALTHEA HONDA TEAM)ブーツはAlpinestars
<ixs>
フェデリコ・カリカスロ(GRT YAMAHA WORLDSBK JUNIOR TEAM)グローブはFIVE、ブーツはGAERNE
<DANROW>
マキシミリアン・シャイブ(ORELAC RACING VERDNATURA)ブーツはDAINESE
MotoGPとWorldSBKでは、多少の違いがあれどこのふたつの結果をみると、世界のロードレース界ではヘルメットはArai、AGV、SHARKが、レザースーツはアルパインスターズとダイネーゼが人気ということがわかりました。戦うマシンや速度域が違うということもありますが、そのレースがどの地域で人気か、影響力があるのか、ということも関係してきているのかもしれません。
日本人にはなかなか海外メーカーだとサイズが合わないと思われがちですが、メーカーによってはアジアンフィトなど、頭の形や体型に合わせた展開も行っているので心配はありません! 特にヘルメットは内装でさまざまなサイズ調整が可能になっていますので、外出の自粛が緩和されたら、各メーカーの専門フィッターが在中しているお店でフィッティングしてみることをオススメします。
海外メーカーだけではなく、AraiやSHOEIといった日本ブランドも、フィッティングをしてもらったことがない人は、是非一度体験してみてください。自分に合わせたサイズに調整をすることで、ヘルメットを被っているときの疲労感が全然違いますし、もしかしたらライディングが向上したりするかもしれません。なんといっても、世界最速で戦うライダーたちが認めた最高のギアを、最高の状態で使わないなんて、もったいないですよね。是非おためしあれ!
【了】