電動バイク「サーロン」だけのワンメイクレースイベント より白熱したバトルが“静か”に繰り広げられた!?

『SUR-RON(サーロン)』社製の電動モトクロッサーを取り扱うコハクジャパンは、サーロンだけのワンメイクレースイベント『Surron CUP 2022』を開催しました。2021年の初開催に続く2回目となります。

純粋にファンライドとして楽しむ、電動バイクだけのレースイベント

『SUR-RON(サーロン)』社製の電動モトクロッサーを取り扱うコハクジャパンは、2022年10月2日に埼玉県川越市のモトクロスコース「モトクロスヴィレッジ」にて、サーロンだけのワンメイクレースイベント『Surron CUP 2022』を開催しました。2021年9月26日に同会場での初開催に続く2回目となります。

『Surron CUP 2022』の様子。新企画「日本一決定戦」では白熱のバトルが繰り広げられ、観客を大いに盛り上げた
『Surron CUP 2022』の様子。新企画「日本一決定戦」では白熱のバトルが繰り広げられ、観客を大いに盛り上げた

 サーロンの電動バイクは、保安部品を装備しないレース仕様車「Light Bee X(ライト・ビー・エックス)」をはじめ、原付2種や1種に区分される公道仕様車「Light Bee L1(ライト・ビー・エルワン)」シリーズなどをラインナップしており、日本では2020年5月より販売を開始した、ファンライドを目的とした電動バイクです。欧州各国、カナダ、北米などを中心にブームを巻き起こし、日本へも導入されました。

「モトクロッサー」と言いつつもMTB(マウンテンバイク)に近い車体構成のため、乗り手は体格や豊富なバイク経験を問わず、女性や若年層でも気軽に乗り出すことができる親しみやすさが魅力となっています。

 2回目の開催では、初回よりもやや多い49名の参加者により、サーロンの楽しさを存分に味わえる3種目のレースイベントが行なわれました。

4人ずつ横並びでスタートする勝ち抜き戦は、たった1周で勝敗が決まるシンプルなもの
4人ずつ横並びでスタートする勝ち抜き戦は、たった1周で勝敗が決まるシンプルなもの

 なかでも新たに企画された「日本一決定戦」では、4人ずつ横並びでスタートし、上位2名が次戦へ進出、たった1周で勝敗が決まるというシンプルな勝ち抜き戦が大いに会場を盛り上げました。

 車体はほぼイコールコンディションのため、勝敗を決めるのは電動ならではの加速特性や車体を理解し、内燃機エンジンのモトクロッサーとは異なるマシンを上手くコントロールできるかどうかですが、勝ち抜き戦が進むにつれ、前回大会よりもライダーたちのテクニックレベルが全体的に向上されていたことも印象的でした。

「TIME TRIAL CROSS COUNTRY」では、レギュレーションを守りつつ、スプロケットやタイヤのアレンジで競い合っているところも見どころのひとつ。終了後には参加者同士が笑みを浮かべながら車体に関する情報交換をしている光景もサーロンならではです。

 そして「TEAM 耐久」では女性の参加者も見られ、メンバー全員で完走を目指し、バッテリー消費と女性ライダーの負担も考慮した作戦が、ミッション・コンプリートのキモとなったようです。

多くの参加者がサーロンで「モトクロスヴィレッジ」を存分に走り、楽しんだ模様
多くの参加者がサーロンで「モトクロスヴィレッジ」を存分に走り、楽しんだ模様

 サーロンの電動モトクロッサーは、主にオフロードコースを楽しむライダーに受け入れられやすく、それは一般ライダーにとどまらず、初回開催から国際A級(IA)ライダーも特別参加し、その走りは来場者を大いに盛り上げていました。

 無事2回目の開催を終え、主催者は来年の第3回大会を実現すべく努力するとのことですが、参加者の良好な反応を見て、年1回開催ではなく川越の東日本大会に加え、西日本でも開催できるように、また海外からの参戦実現、そして女性の参加者も増やしていきたいとも言います。

 実際に現地に赴いて感じた会場の雰囲気は、排気音も排ガスの臭いも無く、クローズドコースならではの敷居の高さや威圧感もありません。参加者のなかには「いつものようなレース前の緊張がまったく無い……イヤ、良い意味で」との声もあり、非常にリラックスしたムードが印象的でした。

女性の参加者も見られた
女性の参加者も見られた

 満充電で「電費」を意識しながら約40分間、オフロードコースをバッテリー交換無しで走り続けるサーロンの電動バイクは、その一方で、駐車スペースでは発電機を回し充電している光景も見られました。そこにはEV化へと移行中の現代社会の「矛盾」の縮図を見ている感がありますが、今後、技術の進歩によりそういった光景も少しずつ変わっていくことでしょう。

 電動バイクは内燃機関エンジンを搭載するバイクに替わるものではなく、電気モーターで駆動する新しい乗り物です。今後も電動バイクならではの新しい楽しみ方、使い方、そして新製品の登場には注目していきたいところです。

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