電気で何をアシストしている? いまさら聞けない電動アシスト自転車のからくり
いまや生活の一部として根付いている電動アシスト自転車は、登り坂もスイスイ進む優れものですが、そもそもどのような原理で動いているのでしょうか。その仕組みを紐解きます。
仕組みを知って、より身近な存在に
電動アシスト自転車(e-BIKE)は、サドル下部などに装備されたバッテリーを充電して繰り返し利用できて、便利で多くの人に活用されています。しかしその仕組みについて、じつは詳しく知らない人もいるのではないでしょうか。
たとえば、小学生から「車輪に電気がながれているの?」と聞かれ、ハタと困惑してしまうかもしれません。「流れているのではなくて、電力がペダルを漕ぐお手伝いをしてくれているんだよ」と、その場をしのいだものの、きちんと説明できた方が良いでしょう。
そもそも電動アシスト自転車とは、人がペダルを踏む際に、電気モーターが補助(アシスト)してくれる自転車です。モーターの力によって楽に走ることができますが、人間がペダルを回さなくても進むわけではないので、「電動で走る」自転車ではありません。
各メーカーによって違いはありますが、一般的にモーターは自転車の中央部(ペダルの根元)や前輪などに搭載されており、ペダルを漕ぐとバッテリーからモーターへ電力が供給されます。その際、ペダルの回転速度や踏み込む力をセンサーが感知し、モーターがその情報に基づいてアシストを行ないます。そのため平坦な道や登り坂など、状況に応じて楽に自転車を漕ぐことができる、というワケです。
実は、アシストの条件は道路交通法でしっかりと定められており、以下の条件を満たした自転車を、電動アシスト自転車と呼んでいます。
①電動機がついていること
②走行速度が10km/h未満までは、人の力が1に対して、アシスト比率は2以下
③走行速度が10km/h以上24km/h以内では、速度が上がるに従って徐々にアシスト比率が下がり、24km/hでアシスト比率は0であること
要するに、走り始めはしっかりとアシストし、速度があがってきたらアシスト力が下がっていき、最終的にはスピードが出過ぎないようアシストをゼロにするという仕組みです。
このように定義しているのは、電動アシスト自転車はあくまで人が漕ぐ力を補助するもので、原動機付自転車のように、漕ぐ力を必要としない乗りものと区別するためでもあります。
ちなみに電力を保つバッテリーですが、雨に濡れても感電することはありません。バッテリーを外した状態で駐輪し、接続端子が雨水に濡れてしまっても問題はありませんが、バッテリーを装着する際は、接続端子が濡れていないことを確認しましょう。
このような仕組みを理解すると、より電動アシスト自転車が身近なものに感じられるのではないでしょうか。