世界最大規模の400m屋内バンクを気軽に体験!? 「北九州メディアドーム」走行会

日本で自転車競技と言えば「競輪」を頭に思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。日本全国に43カ所ある競輪場の中で、最大の屋内競輪場が「北九州メディアドーム」です。月に一回、誰でも無料で競輪場を体験できるチャンスがあります。

自分の自転車でバンク(滑走路)を走れる!

 日本で自転車競技と言えば「競輪」を頭に思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。日本全国には計43カ所もの競輪場があり、その中でも最大の屋内競輪場が「北九州メディアドーム」(小倉競輪場)です。月に一度だけ、誰でも無料で競輪場を体験できる走行会が行なわれています。

子供達も多く参加しています。小さい頃から元競輪選手に直接自転車を教えてもらえる機会はなかなかありません。一般公道でも安全に走行できるようになるでしょう
子供達も多く参加しています。小さい頃から元競輪選手に直接自転車を教えてもらえる機会はなかなかありません。一般公道でも安全に走行できるようになるでしょう

「北九州メディアドーム」は、1998年(平成10年)10月に開業して以来、北九州市民に長く愛されてきました。世界中に数多くある屋内型自転車競技場の中でも、最大規模を誇る全天候型ドームです。競輪のヘルメットをイメージした個性的な外観が特徴です。

 イベント施設と競輪場の2つの要素を融合させたユニークな施設で、筆者(才田直人)が訪問した走行会の際も、ドーム中央の広いスペースでは地元の幼稚園の運動会が行なわれていました。普段はコンサート、見本市、スポーツイベントなど様々な催しが開催されていますが、もちろん競輪のレース開催日には、競輪選手達の勝負の舞台となります。

 走行会は、ドームがイベント等で利用されていない土曜日に開催されています。時間は9時から12時までの3時間です。

 一般的には、バンクではトラックレースに使用されるトラックバイク(ピストバイク)と呼ばれる自転車を使用します。ピストバイク以外では走行できないバンクも多いです。ピストバイクはペダルとギアが直結しているので、進むと勝手にペダルが回ります。これを上手く乗るには少しコツが必要です。

 でも安心してください。メディアドームの走行会では、ピストバイクだけではなくロードバイクやマウンテンバイク、BMXなど、自分の自転車で走行することができます。日ごろ乗り慣れた自転車でバンクを体験できるのです。

自由にバンクを走ることができます
自由にバンクを走ることができます

 バンクには、選手がスピードを落とさずにコーナーを安全に曲がれるように、コーナーに「カント(傾斜)」が設けられています。傾斜があることで遠心力がはたらき、選手は体を傾けずにスムーズにカーブを曲がることができます。こうして、レースでは時速60キロを超えるような高速域でも、安定した走行が可能になっているのです。

 初めてバンクを走行するときは、このカントがちょっと怖いと思います。この走行会は良い意味で、内容が決まっていません。フリー走行の時間から始まるので、バンクが初めての人でも、自分のリズムで徐々に慣れることができます。

 もちろん、バンクに慣れた人たちは、発走機を使ったハロン(=200m)や、1000mタイムトライアルの計測など、参加者の要望に沿った内容に対応してもらうことができます。

親子で1000mのタイム競争。このように自由に参加者から「やってみたいこと」を提案することもできます
親子で1000mのタイム競争。このように自由に参加者から「やってみたいこと」を提案することもできます

 指導にあたるのは、元競輪選手の林次郎さんです。ロード競技まで幅広い経験を持つ林さんが、バンク特有の自転車の走らせ方や、ほとんどの人が経験したことのない、発走機でのスタート方法など、惜しみなく知識を伝えてくれます。

 筆者が参加した日も、ハロンや1000mの計測を真剣に行なう人から、お母さんと息子さん、2人で1000mのタイム勝負をする人まで、幅広く走行会を楽しんでいました。子供達の参加が多いことも印象的です。

 走行会の最後には、ゴミ拾いの時間があります。プロの競輪選手たちのレースの舞台となるバンクは、小石ひとつぶでも落ちていたら大事故につながります。走行会の参加者みんなで、コーチも一緒にバンクを1周歩きながら、ゴミを拾います。

 そしてこれがすごく良いのです。バンクを歩きながらゴミを拾うことで、カントの斜度を身近に体感できます。まるで滑り台です。こんなに急な傾斜の上を先ほどまで走っていたのかと改めて驚くことでしょう。

走った後は、みんなでバンクを1周歩きながらゴミを拾います。改めて、すごいカント(傾斜)です
走った後は、みんなでバンクを1周歩きながらゴミを拾います。改めて、すごいカント(傾斜)です

 施設には大きな駐車場もあるので、自分のトラックバイクを車で持ち込むことも可能です。興味のある人は「北九州メディアドーム・小倉競輪運営事務局」または「メディアドームスポーツクラブ」まで問い合わせのうえ、開催日時をご確認ください。

 事前の申し込みは不要です。当日現地で受付をすることで、走行会に参加可能です。貴重な体験が待っていますよ!

【画像】世界最大規模の400m屋内バンクを画像で見る(10枚)

画像ギャラリー

Writer: 才田直人

1985年生まれ。学生時代に通学用に購入したロードバイクをきっかけにトレーニングを開始。サイクルロードレースの全日本選手権参戦やフランスでの選手生活、国内での社会人兼選手生活を経て2023年に引退。日本だけでなく東南アジアなど自転車旅をこよなく愛し、現在はワーケーション自転車旅を続けている。専門的な知識と経験でTV出演やヒルクライムイベントのアテンド、講師なども務める。

編集部からのおすすめ

先着400人限定! 宮ヶ瀬湖畔のクリスマスイルミネーションにライダーを招待!【PR】

先着400人限定! 宮ヶ瀬湖畔のクリスマスイルミネーションにライダーを招待!【PR】

最新記事