ヤマハらしい遊び心と、繊細なデザイン哲学が融合！

　皆さん、こんにちは！　バイク好き女優の小野木里奈です。

　今回の「小野木里奈の◯◯◯◯◯日和」は、東京ビッグサイトで開催された「Japan Mobility Show 2025」（一般公開日：2025年10月31日～11月9日）で、ヤマハ発動機が公開した電動アシスト自転車（e-BIKE）の新しいコンセプトモデル「Y-00B」シリーズを紹介します。

　展示されていたのは、ベースモデルの「Y-00B：Base」と、カスタム仕様の「Y-00B：Bricolage（ブリコラージュ）」の2台。会場でもその独特なデザインに足を止める来場者が多く、見た目のスタイリッシュさと、「今までの電動アシストとは違う雰囲気」に、私自身もすぐに惹き込まれてしまいました。

　こちらで話を伺ったのは、ヤマハ発動機SPV事業部マーケティンググループの久保田唯さん。女性視点も取り入れながら開発に携わったという久保田さんの言葉のひとつひとつから、「電動アシスト自転車の未来をもっと自由に、もっと楽しく」という想いが伝わってきました。このモデルの一番の特徴は、なんと言ってもバッテリーの存在感を消したようなデザインです。

「電動」と聞くと、どうしても大きなバッテリーが目立つイメージがありますが、「Y-00B」ではそれがありません。

「細身のクラシカルな自転車のような美しいシルエットを壊したくなかったんです」と久保田さん。フレームは2本のダウンチューブ構造になっていて、その間にバッテリーを挟み込むように配置。横から見ても、e-BIKEとは思えないほどすっきりとしたデザインに仕上げています。

　バッテリー容量は少し小さめですが、その分軽さとデザイン性を優先。しかも、付属の小型コンバーターを使えば、カフェなどでノートPCを充電するような感覚で気軽に充電できるそう。

　ライドの途中で、ちょっと一休みしながら自転車を充電。そんな日常に溶け込む新しい提案も、とてもヤマハらしいと感じました。

　もう一方の「Y-00B：Bricolage」は、素材にも特別なこだわりを感じました。フレームにはステンレス素材を使用し、“焼き色”を美しく見せるデザインに仕上げています。

　通常、自転車ではあまり使われない素材だそうですが、「今回はあくまでデザイン重視。特別なショーモデルとしての美しさを優先しました」とのこと。

　実際に間近で見ると、ステンレス特有の光沢が柔らかく反射して、まるでアートのようでした。実際に走る乗りものでありながら「眺めても楽しめる」存在感に、思わず見惚れてしまいました。

　また、こちらは創立70周年を記念した特別なカスタマイズモデルで、ヤマハの原点とも言えるファーストモデル「YA-1」をモチーフにしています。

　カラーは「赤とんぼ」の愛称を受け継ぐ深いレッドを基調に、レトロな質感のパーツを随所に採用。懐かしさと未来感が絶妙に混ざり合うデザインで、まるで「過去と未来のヤマハが出会った瞬間」のような1台でした。

　久保田さんは、「ジャンルやカテゴリーにとらわれず、“自分らしく遊ぶ”ことを提案したい」と語ります。確かに、ママチャリでもない、スポーツバイクでもない。「ちょっとカフェまで」、「週末の気分転換に」といった使い方が似合う、そんな自由で感性が豊かな印象のe-BIKEです。

　そして今回、個人的にとても印象的だったのが、久保田さんが「スポーツバイクの世界はまだまだ男性中心。でも女性にも“乗ってみたい”と思ってもらえるモデルを作りたかった」と語ってくれたことでした。

　確かに、「Y-00B」のデザインはどこか柔らかく、優しさを感じます。性能だけでなく、感性に訴えかける美しさがあります。これまでバイクやe-BIKEにあまり縁がなかった人でも、自然と興味を持つこともあるのではないでしょうか。

　コンセプトモデルだけれど、そこに込められた「移動をもっと自由に楽しんでほしい」という想いは、きっと多くの人の心に響くと思います。

　バイクや自転車の世界は、つい「どんな性能か」、「どれだけ走るか」で語られがちですが、それよりも「乗ること自体の楽しさ」をもう一度思い出させてくれる存在と言えるでしょう。

　次の時代の「遊びの相棒」として、いつか街中でこのデザインを見る日が来るのが、今から楽しみです！

　ヤマハらしい遊び心と、繊細なデザイン哲学が融合した「Y-00B」は、バイクでも自転車でもない、「あなたらしく走る」新しいモビリティの形。これからの「好きのはじまり」を、ヤマハがまた一歩先に見せてくれた気がしました。

　それでは、また次の月曜日にお会いしましょう！