ゲイシャ、ブルマン、スペシャルティ!? カップ式コーヒー自販機の飲み比べはちょっと意外な結果に! デイドリップ通信Vol.42
バイク乗りのコーヒー店主、黒田悟志さんによる連載コラム。ツーリングで飲む機会も多いカップ式コーヒー自販機のコーヒーを、コーヒー屋の視点から飲み比べしてみました。
寒い日は美味しさ倍増!? 自販機のミル挽き珈琲を飲み比べ
こんにちは、『Day Drip Coffee』のクロダです。都内で小さなコーヒー屋をやっている、バイク好きの店主です。このコラムは「バイクとコーヒー」をテーマに、2つの世界を行き来して感じる様々なトピックをお届けしています。
年が明けてからの都内は中途半端に暖かい日が多かったですね。よもや「春までこのままだったら♪」なんて思っていました。が、そんなはずもなく、暦が「大寒」を迎えると寒波が一気にやって来て、日本列島は厳しい寒さとなりました。
そんな冷たい空気の中、バイクを走らせた先でコーヒーを飲むというのは、これ以上ないコーヒーの飲み方だと思っています。

僕は高速道路のSAやPA、道の駅などで見かける、紙コップに抽出されるミル挽き珈琲の自販機が好きで、よく利用します。たとえコーヒーチェーン店が併設されていても、自販機のカップを選んでしまいます。
今回は名曲「コーヒールンバ」のメロディが流れる自販機でお馴染み、トーヨーベンディングの自販機で飲めるホットコーヒーを、コーヒー屋視点であれこれと飲み比べしてみました。ちょうど昨夏にアイスコーヒーの飲み比べをやったのですが、今回は満を持してのホットコーヒー編です。
場所は前回同様、横浜・大黒ふ頭のパーキングエリア。試飲したのは「アドマイヤ」と呼ばれるベーシックな自販機から3種類と、特設自販機の「The Rising Sun Coffee」および「BEAMS」コラボ自販機からそれぞれ1種類ずつ、合計5種類のコーヒーを飲み比べました。全て砂糖・ミルク無しのブラックです。

まずは「アドマイヤ」シリーズのミル挽き珈琲から、最もオーソドックスな「モカ ブラック100%」を試飲。微かに酸はあるものの、落ち着いた穏やかな苦味と相まってニュートラルな印象。基本的にバランスの良い味わいです。焙煎度合はフルシティ寄りのシティロースト。妙な言い方になりますが、これが多くの日本人にとって普通の中庸な感じ、中煎りなのだと思います。
次は「ゲイシャブレンド」を試飲。ゲイシャはコーヒーに関心のある人なら聞いたことがある名前かもしれませんね。ゲイシャ種という品種のことで、エチオピアの「ゲシャ村」に自生していたのが由来。日本の「芸者」とは全く関係ありません。本来の味わいは柑橘系の酸と蜂蜜の甘さがある、とびきりフルーティーで花の香りがします。このブレンドは、モカブラックと比べれば華やかさはあるもののごく僅か。ゲイシャの持つインパクトは感じられず……。
3つ目は「ブルーマウンテンブレンド」。クリアで端正、軽やかで柔らかな味わい。何ならゲイシャブレンドよりフルーティーで、いわゆるブルマンに期待する印象をそれなりに表現していると思います。こういう自販機モノとしてはエグ味が無いコーヒーで、バランスの良さもあります。正直言うと今回の5種類の中で一番期待していなかったのですが、良い意味で裏切られた感じ。

4つ目は「The Rising Sun Coffee」から「ライジングサンブレンド」。カップサイズにレギュラーがなく、これだけ1サイズ上のビッグを購入。少し深煎りの柔らかな苦味に甘味も感じられ、明らかにワンランク上の豆を用いた味わい。同列に比べられる他のコーヒーは不利かも? 抽出時の粉量を多めに設定しているのか、やや濃いめでしっかりとしたボディ感。
最後は「BEAMS JAPAN」監修の「ホットミル挽き珈琲ブレンド」を試飲。焙煎はやや深煎りなので相応の苦味はあるけれど、かなりサラッとした軽い印象。あっさりした飲み口で余韻に苦味が続く感じです。ライジングサンブレンドの次に飲んだせいで軽く感じたのかと何度も確認しましたが、最後まで軽さは続いたので、そういうものを目指したのだと思います。
コーヒーのクオリティーは冷めた時に正直に現れることが多く、冷め切った後も再度試飲し直しました。モカブレンドは飲んだ満足感がちょうどよく収まる感じで、さすがメインストリーム。ゲイシャは冷めると更に印象が弱まり、ブルマンは逆にフルーティーな余韻が最後まで破綻せず。ライジングサンは量のせいか、味わいがずっしりフルボディに感じられ、BEAMSは最後まで軽いまま変わらずでした。

今回の結果はあくまでも僕個人の好みによるもので、ちゃんとした鑑定士ならもっと違う評価になるかもしれません。でもどこかでミル挽き自販機のコーヒーを飲む機会がある時、少しでも参考になればと思います。
「ブレンド」とは、その作り手が表現したいと思った味わいを具現化したものです。どんな味わいを伝えたいと思ったのかをイメージしながら飲んでみるのも楽しいですよ。バイクツーリングの時にでもぜひお試しを♪
Writer: 黒田悟志
世田谷の自家焙煎カフェDay Drip Coffee店主。自転車ロードバイクに20年ほど乗ってきたが、2年前オートバイに目覚めて自動二輪免許取得。両足2気筒から4スト単気筒へ。昨年はSSTRにも初参加しバイクライフを堪能中。












