バイクもコーヒーも「125cc」が基準!? 2つの世界に不思議と共通する数値が持つ意味合いとは? デイドリップ通信Vol.62
バイク乗りの店主、黒田悟志さんによる連載コラム。今回はバイクとコーヒーの世界で同じ時代に一世を風靡したアメリカンについてのお話です。
2つの世界の意外な共通点を考察
こんにちは、Day Drip Coffeeのクロダです。都内のとある住宅街で小さなロースターカフェをやっている、バイクの好きな店主です。
このコラムは「バイクとコーヒー」をテーマに、この二つの世界を行き来して感じた様々なトピックをお届けしています。
今回のテーマはバイクとコーヒーに関係する「量」についてです。バイクで「量」といえば、やはり何といっても「排気量」ですね。50ccの小排気量バイクから1000ccをはるかに超える大排気量のバイクまで、さまざまな大きさのバイクがありますよね。
コーヒーの「量」といえば、まずはコーヒー自体の抽出量でしょうか。カップ1杯の量もさまざまで、例えば某コーヒーチェーンはSサイズ(ショート)が240ml、コンビニコーヒーは一般的にSサイズで150〜160mlといったところです。

今の時代はニーズが多様化し、バイクもコーヒーもさまざまな「量」のものが作られるようになりました。でも少し歴史を紐解いていくと、なんとなく共通する量=サイズ感があることに気が付きます。
それは”125”という数です。バイクでいえば125cc。国内では原付2種の中心となる排気量です。ホンダ「PCX125」に代表される「スクーター」や、「CT125・ハンターカブ」や「モンキー125」に代表される「レジャーバイク」、また最近はヤマハから「XSR125」や「WR125」といったフルサイズの本格派バイクが登場し、賑わいを見せる排気量カテゴリーです。
また国外でも、例えばヨーロッパではEUの統一規格による運転免許制度で、「A1免許」が排気量125cc以下(かつ最大出力11kw以下という制約も付く)です。日本の小型限定普通二輪免許も“125”が区切りになっていますね。
東南アジアなどでは125ccを中心に、100〜150ccのバイクがコミューターとして大活躍しています。125って数字としては中途半端な感じですが、当時のバイクの世界選手権でのカテゴリー区分が125、250、500だったことが125の定着に繋がったのではないでしょうか。
さあもう一方のコーヒーの話。コーヒーを抽出する際コーヒーを受けるための道具としてコーヒーサーバーというものがあります。大抵は耐熱ガラス製で、目盛は1カップ、2カップとカップ数で表されていることが多いです。
この1カップの量というのが120mlや130mlで設定されています。つまり約125ml前後ということになります。
でも今どきのコーヒー1杯の量はもっと多くて、だいたい150〜200ml程度。200mlは一般的なマグカップに注いだ時、バランスとしてちょうど良い量です。ちなみに当店もこの量です。
ではなぜサーバーには125ml前後の目盛が使われているのでしょう? これはいくつかの説があり、一つは昔のコーヒーカップが今よりも小さく、概ね120〜130ml程度を注ぐのがちょうど良いサイズであったことです。
飲み物は容器の満水容量に対し70〜80%程度を注ぐと見た目のバランスが良く、70%は上品に、80%だとたっぷりに見えます。カップそのものに規格はありませんが、容量が概ね150〜180mlのカップが多く、計算上125ml程度を注ぐのがベストバランスです。
もう一つは125ml程度というのはコーヒーが冷めずに飲み干せる量であり、結果として香りも楽しむことが出来るからです。そのルーツは紅茶の世界。125mlを受け止めるサイズが一番小さく、その上にミルクティーなども考慮した汎用性のあるサイズとしてもう少し大きいもの、さらにミルクティー主体のもっと大きいもの、と続きます。
コーヒーも125mlを基本としつつ、現在では150〜160ml程度、240ml程度、さらにその上と続きます。冒頭で述べたコーヒーチェーンやコンビニコーヒーの量がまさにそういう区分けになっていますね。
バイクとコーヒーは全く異なる世界のものですが、125という数字を追っていくと、バイクでは日常の足として必要十分な走行性能を持つ、基本や基礎を司る排気量であり、コーヒーでは抽出の基本となる、味わいをしっかりと楽しむのに必要にして十分な量でした。
いずれの世界でも125がベーシックなサイズ感を表しているというのは、なんだか不思議な感じがします。他にも125(または1/8)が基本に通じる世界があるかもしれませんね。
Writer: 黒田悟志
世田谷の自家焙煎カフェDay Drip Coffee店主。自転車ロードバイクに20年ほど乗ってきたが、2年前オートバイに目覚めて自動二輪免許取得。両足2気筒から4スト単気筒へ。昨年はSSTRにも初参加しバイクライフを堪能中。










