埼玉県“バイク盗難” 施錠しても7割が被害 県警が提唱する“3つの防犯対策”とは
埼玉県内のバイク盗難が減少しています。一方で、被害に遭ったバイクの約7割は施錠されていた状態でした。県警の担当者は、AJ埼玉が主催した「スキルUP講習会」の会場で、キーを抜くだけでは不十分として、複数の対策を組み合わせるよう呼びかけました。
要注意モデルは「アドレス」「ディオ」「ジョグ」
2026年11月2日、ライダーのための「彩の国 埼玉バイクフェスタ」が自動車教習所「ファインモータースクール西大宮校」(さいたま市西区)で開催されました。
AJ埼玉(埼玉県オートバイ事業協同組合)が主催する「スキルUP講習会」に協力する埼玉県警本部から、車両盗難を担当する生活安全部と交通安全を担当する交通部の警察官が来所し、生活安全部がバイク盗難の防犯対策について講演しました。
生活安全部によると、県内のバイク盗は2026年1月~9月で633件、前年同期より328件減少しています。同部生活安全総務課の杉山祐太警部補は、被害時の特徴を次のように話しました。
「被害車両のうち約70%は鍵をかけていました。それなのに盗まれてしまった。つまり、バイクの防犯対策は鍵をかけるだけでは不十分、ということになります」
被害車両の大半は、スクータータイプでした。
「具体的な車種を申し上げますと、スズキのアドレス、ホンダのディオ、ヤマハのジョグとなっております」(杉山警部補)
被害車両の残り30%が無施錠だったことを考慮すると、短距離で短時間の移動を繰り返すことが多い小型コミューターは、まずは「離れるときは必ず施錠してほしい」(同)と、強調します。
「多重ロック」「バイクカバー」「防カメ」の相乗効果で
その上で、バイク盗を減少させた埼玉県警が、すぐにでも実践して欲しいと呼びかける3つの対策をまとめました。
・U字ロックやワイヤーロックなど、普通の鍵にもう1個プラスする施錠
・駐車場所ではバイクカバー
・いつもの保管場所に、防犯カメラやセンサーライトを設置する

とくにバイクカバーの効果について、杉山警部補はこう説明します。
「バイクカバーをかけて防犯効果はあるのかと疑問に思う方もいると思いますが、犯人はバイクの状態を見て犯行に及んでいます。ただ、犯行時にわざわざバイクカバーをめくってまで状態を確認するかというと、そこまではしないと警察は見ております」
バイクカバーとともに、犯行を避けようとする心理に働きかけるのが、防犯カメラやセンサーライトの設置です。
「犯人は、当然捕まりたくないので、設置している家は警戒していると考えるので、防犯に非常に有効です。ただ、設置していることを犯人に分からせるために、(設置済みの)シールなどでアピールするようにしてください」(杉山警部補)
埼玉県は公式サイト上でバイク盗の「主な手口や特徴」を紹介しており、「オートバイ盗の約6割以上が戸建・集合住宅敷地内で発生」と記しています。
第三者の目が多く、防犯対策が講じられた時間貸し駐車場では犯行が少なく、こうした状態を自宅などの保管場所でも作ることで、より効果的な対策がとれるわけです。
警察庁の犯罪統計によると、全国のバイク盗の認知件数は2026年1月~9月で1万1861件に上り、前年同期より992件増えました。
県内では減少しているものの、全国では増加しており、油断はできません。被害は地域によって傾向が異なるため、それぞれの実情に合った対策が欠かせません。
県警はこれらの対策を他のライダーや家族に伝え、楽しいバイクライフに役立ててもらえるよう呼びかけています。
Writer: 中島みなみ
1963年生まれ。愛知県出身。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者を経て独立。行政からみた規制や交通問題を中心に執筆。著書に『実録 衝撃DVD!交通事故の瞬間―生死をわける“一瞬”』など。







