カワサキ「初代空冷Z系エンジン」組み上げ バルブタイミング「28ピン」の誤解釈には要注意!! 最悪の場合はエンジンブローの恐れも 〜日本の至宝「空冷4発」を未来へ継承〜Vol.36 Z2エンジンの場合、1/4のTマークの時に、吸排気ともにスプロケットの刻線を外側のヘッドガスケット面に合わせ、排気カムスプロケの刻線(マーク線)の「次のピン」から数え始め、28番目のピンを吸入カムスプロケットの「←28」マークに合わせます クランクシャフトの回転と同時にピストンの位置が変化しますが、その動きに合わせて吸排気バルブの作動状況を合わせます。カムチェーンをカムスプロケットに掛けることで作動状況が決定されますが、この作業を「バルブタイミング調整」と呼びます ヘッドを搭載したらスタットボルトを締め付けます。この時に、1/4番シリンダーの両外側には、必ず銅ワッシャを利用します。両外側のスタットボルト穴が、エンジンオイル通路となっているため、オイル漏れをシールするのが銅ワッシャの働きです スタットボルトを締め付けます。大きな部品を締め付ける基本は、中央付近のスタッドボルトから両外に振り分けて締め付けます。純正マニュアルを参考にすると、さらにひと工夫した締め付け順序となっていますが、いずれにしても内から外への締め付けです スタッドボルトを締め付けたら、いよいよカムシャフトのセットとカムチェーン掛けによってバルブタイミングを決定します。まずは、タペットを復元する前に、回転摺動部へオイルを塗布します。組み付けオイルは、多めに使うようにします カムチェーンがクランクシャフトのタイミングスプロケットと正しく噛み合い、アイドラーギヤも噛み合っていることを確認しながらカムシャフトをセットします。1/4のTマークの時に、吸排気ともにスプロケットの刻線を外側のヘッドガスケット面に合わせ、排気カムスプロケの刻線(マーク線)の「次のピン」から数え始め、28番目のピンを吸入カムスプロケットの「←28」マークに合わせます。これがバルブタイミングになります。排気カムスプロケの刻線の位置にあるピンから数え始めてしまうと、バルブタイミングが1ピンズレてしまい、性能低下やトラブルの原因になります タペットを復元する際には、分解前に組み立てられていた場所に戻す=復元するのが基本です。裏表いずれも洗浄してからキレイなウエスで拭き取ります。バリが発生していると、ウエスの繊維が引っ掛かるのがわかります シートカットを施しても、ステムエンドの研磨によって突き出し量が再現されていれば、分解時のタペットシムをセットすることができます。タペットシムホルダー部の切り欠きが、真上になるように組み合わせていきます カムシャフトをセットする前に、カムホルダーを所定の場所にプリセットします。位置決めピンが差し込まれているか、事前に確認します。位置決めピンが無いときや変形していて刺さらない時には、新品部品を必ずセットします カムホルダーの確認を終えたら、カムジャーナルメタルの摺動部分へ二硫化モリブデングリスを極薄く塗布します。極僅かに薄く塗るだけで良く、厚く塗ってしまうとエンジンオイルに溶けて、汚れと勘違いすることがあります ピックアップローターのトップマークをクランクケースの刻線と合わせます。ASウオタニ製イグニッションシステムを組み込んでいますのでピックアップローターになりますが、ノーマル点火の場合はガバナー側面にTマークが刻まれています 排気側カムシャフトの向きを確認したら、片手でカムチェーンを保持しつつ吸気側カムシャフトをセットします。この際は、カムスプロケットサイドのマーク線をヘッドカバーガスケットの面と合わせます 吸入側カムシャフトは仮にセットします。この際にも、カムスプロケットサイドのマーク線をヘッドカバーガスケット面と大まかに合わせておきます。この状態は、あくまで仮セットになります。そしていよいよ確認調整作業に入ります カムスプロケットの締め付けボルトの頭が影になって見難いですが、1/4Tマークがクランクケースの刻線と合致しているときに、排気側カムスプロケットのマーク線を、ヘッドカバーガスケット面と一致させます ガスケット面とマーク線を一致させたら、マーク部の「次のピン」から数え始めて28本目のピンがどれなのかを明確にします。ピンを数えながら、わからなくならないようにマーカーペンで記しておくのが良いと思います 「28」の矢印と28本目のピンを一致させたらカムホルダーを締め付けます。カムホルダーの締め付け直前に、すべてのカム山&タペット周辺に組み立てオイルを塗布します。組み立てオイルには4ストロークエンジンオイル用の高性能添加剤を混ぜました 最初に排気側カムホルダーを締め付けますが、このカムホルダーの締め付けにも順序があります。また、一気に締め付けずに、タコメーターギヤが噛み込まないように回転作動確認しながら締め付けます カムホルダーの締め付け時は、吸排気それぞれ左右のホルダーを均一に締めます。ホルダーの締め付けが完了したら、トップアイドラーを復元します。このアイドラーマウント部分に入るダンパーラバーも新品部品へ交換します トップアイドラーの締め付け時にもトルク管理を行ないます。締め付けは対角に行ない、締め付けトルクは10Nmにします。オーバートルクでネジ山をナメてしまわないような作業が大切です。ネジ山不良の原因はボルトの汚れとオーバートルクが大きな要因です トップアイドラーを締め付けたらカムチェーンテンショナーボルトを一度緩め、再び締め付けた後にロックナットで固定します。この段階ではヘッドカバーが無いので、カムチェーンの張り具合を目視確認することもできます ヘッドカバーを復元する前に、念のためにアイドラー部やカム山やタペット周辺にエンジンオイルを塗布しておきます。ドライ状態でカバーを閉じたことで、初期カジリを招いてしまうケースも少なくありません。要注意です 威風堂々といった表現が似合う、カワサキ初代の空冷4気筒Z系エンジンを搭載した750RS/Z2-A後期モデル。年式相応で通称青玉虫カラーと呼ばれる外装カラーにペイントしましたが、工場出荷当時は通称「茶玉虫」と呼ばれるマルーンメタリックでした カムチェーンがクランクシャフトのタイミングスプロケットと正しく噛み合い、アイドラーギヤも噛み合っていることを確認しながらカムシャフトをセットします。1/4のTマークの時に、吸排気ともにスプロケットの刻線を外側のヘッドガスケット面に合わせ、排気カムスプロケの刻線(マーク線)の「次のピン」から数え始め、28番目のピンを吸入カムスプロケットの「←28」マークに合わせます。これがバルブタイミングになります。排気カムスプロケの刻線の位置にあるピンから数え始めてしまうと、バルブタイミングが1ピンズレてしまい、性能低下やトラブルの原因になります この画像の記事を読む バイク王の一大決算セール開催中!! バイク不足で高騰中!愛車の相場を調べてみる>> 画像ギャラリー LINE (Twitter) Facebook Hatena 編集部からのおすすめ バイク王なら欲しいバイクが必ず見つかる! QUOカードキャンペーンの今がチャンス!!【PR】 「バイク王をもっと身近な存在へ!」新進気鋭の人気バイク女子“せんちゃん”が公式アンバサダーに就任!! あわせて金利ゼロのキャンペーンも!?【PR】 バイクに乗り始めたはいいけど操作が不安…… その悩み、スズキが解決してくれます!! 「U30セイフティスクール」 TOPページへ 戻る 最新記事 車重200kg切の新型大型ロードスター登場!! トライアンフ「トライデント800」公開【EICMA2025】 絶景ヒルクライム厳選3峠!! ペダルを回し続けてトンネルを抜けた先に広がる感動のクライマックスとは “ほぼモデルチェンジ“なみの大幅改良! ヤマハ「YZF-R7」2026年モデル世界初公開【EICMA2025】 40歳を迎えた俳優・松田翔太さん 「加速のたびに頭がスッキリする」 バイクに乗る写真とコメントに反響 原付2種の電動って実際どうなの? ホンダが2025年6月に発売した「CUV e:」販売店での反響は?