元GPライダー青木琢磨選手「Jaguar I-PACE eTROPHY」に専用マシンで参戦
フルバッテリー電気自動車によるワンメイクレース・シリーズ「Jaguar I-PACE eTROPHY」シリーズに、日本を拠点とする「TEAM YOKOHAMA CHALLENGE」から青木琢磨選手が参戦
車いすレーサーとして初めて、電気自動車国際レースシリーズに参戦
ロードレース世界選手権(以下:WGP)で戦った青木拓磨選手が、「Jaguar I-PACE eTROPHY」シリーズへ「TEAM YOKOHAMA CHALLENGE」のドライバーとして参戦することを発表しました。2月15日にメキシコシティで行われる第3戦より出場する予定で、車いすレーサーとして初めて、電気自動車による国際レースシリーズ参戦を果たします。

WGP500ccクラスにホンダから参戦し総合5位を獲得した翌年の1998年、青木選手は事故によって下半身不随となりましたが、それ以降も青木選手はモータースポーツに携わり続け、2009年ダカールラリーと2016年アジアクロスカントリーラリーで専用車両を駆り、四輪で成功を収めています。
昨年の鈴鹿8時間耐久レース前には、青木選手専用の改造が施されたCBR1000RR-SPを駆り22年ぶりとなる二輪車でデモンストレーションランを行っています。
青木選手は、電気自動車によるレースへ初参戦するにあたり、専用設計のジャガー「I-PACE eTROPHY」を操縦。グイドシンプレックス社製のレバーアクチュエーターは、ジャガー・ランドローバーのスペシャルビークルオペレーションズ(SVO)、M-Sport社、そして青木選手のレースエンジニアリングチームによって、設計・開発された特注のブラケットと改造により、ステアリングコラムマウントに取り付けられています。
電子スロットル制御を活用するために、レバーベースのブレーキ作動を変更、スロットルからの「プル型」作動の効率を高めるために、ペダルボックスの位置を変更しています。既存ペダルのケーブルを利用することで「Jaguar I-PACE eTROPHY」専用マシン仕様への変更を容易にした独自の設計になっています。

「TEAM YOKOHAMA CHALLENGE」のドライバーとなった青木拓磨選手は、次のように述べています。
「私にとって初の電気自動車レース参戦となる今回、『TEAM YOKOHAMA CHALLENGE』のメンバーとして『Jaguar I-PACE eTROPHY』シリーズに参加できることを非常に嬉しく思います。人生においては誰もが挑戦者であり、私の人生はこれからだということを改めて証明することができます。たとえ下半身不随であっても、自分の夢に挑戦することができるのです。ジャガーレーシングのエンジニアリングチーム、グイドシンプレックス社、M-Sport社が車両を特別な仕様にするために熱心に取り組んでくれたことを心から感謝したいと思います。経験豊富なレーサーとメキシコシティで競い合うのが待ち遠しいです」
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2019年11月にサウジアラビアのディルイーヤで2戦連続「Jaguar I-PACE eTROPHY」は開催されました。ABB FIAフォーミュラE選手権の公式サポート・レースとして、2月15日(土)にメキシコシティで第3戦が開催されます。
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